明治三十二年勅令第三十一号高等女学校令第十六条ニ基キ高等女学校編制及設備規則ヲ定ムルコト左ノ如シ
高等女学校編制及設備規則
第一条 一学校ノ生徒数ハ四百人以下トス但特別ノ事情アルトキハ六百人マテ増員スルコトヲ得
第二条 一学級ノ生徒数ハ三十五人以下トス但特別ノ事情アルトキハ五十人マテ増員スルコトヲ得
第三条 学級ハ同学年ノ生徒ヲ以テ編制スヘシ修身、裁縫、音楽、体操及手芸ニ限リ学年又ハ学級ノ異ナル生徒ヲ合シテ同時ニ教授スルコトヲ得
第四条 教員ハ五学級以下ノ学校ニ於テハ一学級ニ付二人以上トシ五学級以上一学級ヲ加フル毎ニ一人半以上ノ割合ヲ以テ増員スヘシ但一学級ニ付少クトモ一人ハ他ノ職ヲ兼ネス又ハ他ノ職ヨリ兼務セサルコトヲ要ス
第五条 校地ハ学校ノ規模ニ適応ナル地積ヲ有シ道徳上並ニ衛生上ニ害ナキ所タルヘシ
校地内ニ体操場ニ充ツヘキ相当ノ場所ヲ備フヘシ
第六条 校舎ハ左ノ諸室ヲ備フヘシ
一 生徒各学級ニ応スル通常教室
二 理科、裁縫、図画、音楽等ノ各特別教室
三 雨中体操場
四 講堂
五 図書室、器械室、標本室
六 職員室、生徒控所、其他所要ノ諸室
前項ノ諸室ハ差支ナキ限リニ於テ便宜兼用スルコトヲ得
第七条 教室ノ大サハ一学級ノ生徒ヲ容ルゝニ足ルヲ度トシ生徒一人ニ付容積百二十立方尺以上トス
第八条 道庁府県立高等女学校ニ於テハ寄宿舎ヲ設クヘシ但特別ノ事情アルトキハ文部大臣ノ認可ヲ受ケ寄宿舎ヲ設ケサルコトヲ得
第九条 寄宿舎ニハ自修室、寝室、舎監室、応接所、病室、食堂、理髪室、浴室、盥漱場等ヲ備フヘシ但自習室及寝室ハ便宜之ヲ兼用スルコトヲ得
第十条 自修室ハ生徒一人ニ付容積三百二十四立方尺以上寝室ハ四百八十六立方尺以上トス
第十一条 校地内ニ成ルヘク学校長、教員、舎監ノ住宅ヲ設クヘシ
第十二条 図書、器械、器具、標本、薬品、模型等ハ高等女学校ノ学科ヲ教授スルニ差支ナキ様之ヲ備フヘシ
第十三条 此規則ハ明治三十二年四月一日ヨリ施行ス
第十四条 既設高等女学校ニシテ第一条ノ規定ニ依リ難キ事情アルトキハ明治三十二年三月三十一日マテニ其事由ヲ具シテ文部大臣ノ指揮ヲ受クヘシ
第十五条 既設高等女学校ニシテ第六条乃至第十条ノ規定ニ依リ難キ事情アルトキハ明治三十五年三月三十一日マテハ之ニ依ラサルコトヲ得
学制百年史編集委員会
-- 登録：平成21年以前 --