明治三十二年勅令第二十八号中学校令第十五条ニ基キ中学校編制及設備規則ヲ定ムルコト左ノ如シ
中学校編制及設備規則
第一条 一学校ノ生徒数ハ四百人以下トス但特別ノ事情アルトキハ六百人マテ増員スルコトヲ得
一分校ノ生徒数ハ三百人以下トス
第二条 一学級ノ生徒数ハ三十五人以下トス但特別ノ事情アルトキハ五十人マテ増員スルコトヲ得
第三条 学級ハ同学年ノ生徒ヲ以テ編制スヘシ倫理、体操及唱歌ニ限リ学年又ハ学級ノ異ナル生徒ヲ合シテ同時ニ教授スルコトヲ得
第四条 教員ハ五学級以下ノ学校ニ於テハ一学級ニ付二人以上トス五学級以上一学級ヲ加フル毎ニ一人半以上ノ割合ヲ以テ増員スヘシ
但一学級ニ付少クトモ一人ハ他ノ職ヲ兼ネス又ハ他ノ職ヨリ兼務セサルコトヲ要ス
第五条 舎監ハ二人以上トシ生徒数ニ応シテ相当ノ員数ツ備フヘシ
第六条 書記ハ二人以上トシ学校ニ差支ナキ様相当ノ員数ヲ備フヘシ
第七条 校地ハ学校ノ規模ニ適応ナル地積ヲ有シ道徳上並ニ衛生上害ナキ所タルヘシ
第八条 校舎ハ左ノ諸室ヲ備フヘシ
一 生徒各学級ニ応スル通常教室
二 物理及化学、博物、図画ノ各特別教室
三 講堂
四 図書室、器械室、標本室
五 職員室、生徒控所、其他所要ノ諸室
第九条 教室ノ大サハ一学級ノ生徒ヲ容ルルニ足ルヲ度トシ生徒一人ニ付容積百二十立方尺以上トス
第十条 物理及化学、博物ノ特別教室ハ教授ニ差支ナキ場合ニ限リ一室ヲ兼用スルコトヲ得
物理及化学ノ特別教室ニハ準備室ヲ附設スヘシ
第十一条 講堂ハ儀式等ニ差支ナキ場合ニ限リ普通教室ニ兼用スルコトヲ得
第十二条 図書室、器械室及標本室ハ便宜一室ヲ兼用スルコトヲ得
第十三条 校地内若クハ其近傍ニ寄宿舎ヲ設クヘシ但特別ノ事情アルトキハ文部大臣ノ認可ヲ受ケ寄宿舎ヲ設ケサルコトヲ得
第十四条 寄宿舎ニハ自修室、寝室、舎監室、応接所、病室、食堂、浴室、盥漱場等ヲ備フヘシ但自修室及寝室ハ便宜之ヲ兼用スルコトヲ得
第十五条 自修室ハ生徒一人ニ付容積三百二十四立方尺以上寝室ハ四百八十六立方尺以上トス
第十六条 校地内ニ成ルヘク学校長、教員、舎監ノ住宅ヲ設クヘシ
第十七条 校地内ニ体操場ヲ設クヘシ但土地ノ情況ニ依リ校地内ニ之ヲ設クルコトヲ得サルトキハ学校ノ近傍ニ之ヲ設クヘシ
土地ノ情況ニ依リ校地内ニ雨中体操場ヲ設クヘシ
第十八条 体操場ハ方形若ハ之ニ類スル形状ニシテ二千坪以上ノ面積ヲ備フヘシ但特別ノ事情アルトキハ文部大臣ノ許可ヲ受ケ千坪マテ減スルコトヲ得
第十九条 図書、器械、器具、標本、薬品、模型等ハ中学校ノ学科ヲ教授スルニ差支ナキ様之ヲ備フヘシ
第二十条 中学校分校ノ編制及設備ニ関シテハ此規則ヲ適用ス
第二十一条 此規則ハ明治三十二年四月一日ヨリ施行ス
第二十二条ー第二十五条 略
学制百年史編集委員会
-- 登録：平成21年以前 --