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小学校令施行規則改正(抄)(昭和十六年三月十四日文部省令第四号)

 小学校令施行規則ヲ左ノ通改正ス

 国民学校令施行規則

 第一章 教則及編制

 第一節 総則

 第二節 教科及科目

 第三節 教科用図書、映画及放送

 第四節 学年及式日

 第五節 編制

 第六節 特修科

 第二章 設備

 第三章 就学

 第四章 免許状及検定

 第一節 免許状

 第二節 検定

 第五章 職員

 第六章 授業料

 第七節 学務委員

 第八節 雑則

 附則

国民学校令施行規則

第一章 教則及編制

第一節 総則

 第一条 国民学校ニ於テハ国民学校令第一条ノ旨趣ニ基キ左記事項ニ留意シテ児童ヲ教育スベシ

 一 教育ニ関スル勅語ノ旨趣ヲ奉体シテ教育ノ全般ニ亘リ皇国ノ道ヲ修練セシメ特ニ国体ニ対スル信念ヲ深カラシムベシ

 二 国民生活ニ必須ナル普通ノ知識技能ヲ体得セシメ情繰ヲ醇化シ健全ナル心身ノ育成ニ力ムベシ

 三 我ガ国文化ノ特質ヲ明ナラシムルト共ニ東亜及世界ノ大勢ニ付テ知ラシメ皇国ノ地位ト使命トノ自覚ニ基キ大国民タルノ資質ヲ啓培スルニ力ムベシ

 四 心身ヲ一体トシテ教育シ教授、訓練、養護ノ分離ヲ避クベシ

 五 各教科並ニ科目ハ其ノ特色ヲ発揮セシムルト共ニ相互ノ関連ヲ緊密ナラシメ之ヲ国民錬成ノ一途ニ帰セシムベシ

 六 儀式、学校行事等ヲ重ンジ之ヲ教科ト併セ一体トシテ教育ノ実ヲ挙グルニ力ムベシ

 七 家庭及社会トノ連絡ヲ緊密ニシ児童ノ教育ヲ全カラシムルニ力ムベシ

 八 教育ヲ国民ノ生活ニ即シテ具体的実際的ナラシムベシ

 高等科ニ於テハ尚将来ノ職業生活ニ対シ適切ナル指導ヲ行フベシ

 九 児童心身ノ発達ニ留意シ男女ノ特性、個性、環境等ヲ顧慮シテ適切ナル教育ヲ施スベシ

 十 児童ノ興味ヲ喚起シ自修ノ習慣ヲ養フニ力ムベシ

第二節 教科及科目

 第二条 国民科ハ我ガ国ノ道徳、言語、歴史、国土国勢等ニ付テ習得セシメ特ニ国体ノ精華ヲ明ニシテ国民精神ヲ涵養シ皇国ノ使命ヲ自覚セシムルヲ以テ要旨トス

 皇国ニ生レタル喜ヲ感ゼシメ敬神、奉公ノ真義ヲ体得セシムベシ

 我ガ国ノ歴史、国土ガ優秀ナル国民性ヲ育成シタル所以ヲ知ラシムルト共ニ我ガ国文化ノ特質ヲ明ニシテ其ノ創造発展ニ力ムルノ精神ヲ養フベシ

 他教科ト相侯チテ政治、経済、国防、海洋等ニ関スル事項ノ教授ニ留意スベシ

 第三条 国民科修身ハ教育ニ関スル勅語ノ旨趣ニ基キテ国民道徳ノ実践ヲ指導シ児童ノ徳性ヲ養ヒ皇国ノ道義的使命ヲ自覚セシムルモノトス

 初等科ニ於テハ近易ナル実践ノ指導ヨリ始メ道徳的情操ヲ涵養シ具体的事実ニ即シテ国民道徳ノ大要ヲ会得セシムベシ

 高等科ニ於テハ前項ノ旨趣ヲ拡メテ一層之ガ徹底ヲ期シ特ニ職分ヲ通ジテ公ニ奉ズルノ覚悟ヲ鞏固ナラシムベシ

 女児ニ対シテハ特ニ婦徳ノ涵養ニ留意スベシ祭祀ノ意義ヲ明ニシ敬神ノ念ヲ涵養スルニ力ムベシ

 我ガ国ノ政治、経済及国防ガ国体ニ淵源スル所以ヲ会得セシメ立憲政治ノ精神、産業ト経済トノ国家的意義及国防ノ本義ヲ明ニシテ遵法、奉公ノ精神ヲ涵養スベシ

 礼法ノ実践ヲ指導シ礼ノ精神ヲ会得セシムルト共ニ公衆道徳ニ付テ適切ナル指導ヲ為シ品位ノ向上ニ力ムベシ

 躾ヲ重ンジ善良ナル習慣ヲ養フニ力ムベシ

 第四条 国民科国語ハ日常ノ国語ヲ習得セシメ其ノ理会力ト発表力トヲ養ヒ国民的思考感動ヲ通ジテ国民精神ヲ涵養スルモノトス

 国語ニ於テハ読ミ方綴リ方書キ方話シ方ヲ課スベシ

 読ミ方ニ於テハ正シク読ム力ヲ養フト共ニ言語ノ練習ニ留意シ宜正確ニ書写スルコトヲ指導シ以テ読解力ト発表力トヲ陶冶スベシ読ミ方ハ児童ノ生活ニ郎スル言語ヨリ始メ日常ノ言語ヲ基礎トスルロ語文ニ進ミ更ニ平易ナル文語文ニ及ブベク児童生活ノ諸相ニ展開セシムルト共ニ国語ノ規準トナリ創造力ヲ養フニ足ルモノタルベシ高等科ニ於テハ著名ナル作品ヲ加フベシ

 綴リ方ニ於テハ児童ノ生活ヲ中心トシテ事物現象ノ見方考ヘ方ニ付適正ナル指導ヲ為シ平明ニ表現スルノ能ヲ得シムルト共ニ創造力ヲ養フベシ

 書キ方ニ於テハ文字ヲ明確端正ニ書ク力ヲ養フベシ

 話シ方ニ於テハ児童ノ自由ナル発表ヨリ始メ次第ニ之ヲ醇正ナラシメ併セテ聴キ方ノ練習ヲ為スベシ

 話シ方ハ主トシテ読ミ方綴リ方等ニ於テ之ヲ指導シ尚各教科諸行事等ニ現ルル事項ヲ話題トシテ練習セシメ実際的効果ヲ挙グルニ力ムベシ発音ヲ正シ抑揚ニ留意シ進ミテハ文章ニ即シテ適宜語法ノ初歩ヲ授ケ醇正ナル国語ノ使用ニ習熟セシムベシ他ノ教科及児童ノ日常生活ニ於テモ醇正ナル国語ヲ使用セシムルコトニ留意スベシ

 我ガ国語ノ特質ヲ知ラシメ国語ヲ尊重愛護スルノ念ニ培ヒ其ノ醇化ニ力ムルノ精神ヲ養フベシ

 第五条 国民科国史ハ我ガ国ノ歴史ニ付テ其ノ大要ヲ会得セシメ皇国ノ歴史的使命ヲ自覚セシムルモノトス

 初等科ニ於テハ肇国ノ宏遠、皇統ノ無窮、歴代天皇ノ鴻業、忠良賢哲ノ事蹟、挙国奉公ノ史実等ニ郎シテ皇国発展ノ跡ヲ知ラシムベシ

 高等科ニ於テハ前項ノ旨趣ヲ拡メ国連ノ隆昌、文化ノ発展ガ肇国ノ精神ノ顕現ナル所以ヲ会得セシムルト共ニ諸外国トノ歴史的関係ヲ明ナラシムベシ

 国史ノ時代的様相ニ留意シテ一貫セル肇国ノ精神ヲ具体的ニ感得把握セシムベシ

 郷土ニ関係深キ史実ハ国史トノ関連ニ留意シテ授クベシ

 年表、時代表、地図、標本、絵画、映画等ヲ利用シテ具体的直観的ニ習得セシムベシ

 第六条 国民科地理ハ我ガ国土国勢及諸外国ノ情勢ニ付テ其ノ大要ヲ会得セシメ国土愛護ノ精神ヲ養ヒ東亜及世界ニ於ケル皇国ノ使命ヲ自覚セシムルモノトス

 初等科ニ於テハ郷土ノ観察ヨリ始メ我ガ国土及東亜ヲ中心トスル地理ノ大要ヲ授ケ我ガ国土ヲ正シク認識セシムベシ

 高等科ニ於テハ世界地理及我ガ国勢ノ大要ヲ授クベシ

 自然ト生活トノ関係ヲ具体的ニ考察セシメ特ニ我ガ国民生活ノ特質ヲ明ナラシムベシ

 以下略

 第七条-第九条 略

 第十条 体錬科ハ身体ヲ鍛錬シ精神ヲ錬磨シテ潤達剛健ナル心身ヲ育成シ献身奉公ノ実践力ニ培フヲ以テ要旨トス

 躾、姿勢其ノ他訓練ノ効果ヲ日常生活ニ具現セシムルニ力ムベシ

 特ニ児童心身ノ発達、男女ノ特性ヲ顧慮シテ適切ナル指導ヲ為スベシ

 衛生養護ニ留意シ身体検査ノ結果ヲ参酌シテ指導ノ適正ヲ期スベシ強靱ナル体力ト旺盛ナル精神力トガ国力発展ノ根基ニシテ特ニ国防ニ必要ナル所以ヲ自覚セシムベシ

 第十一条 体錬科体操ハ体操、教練、遊戯競技及衛生ヲ課シ心身ノ健全ナル発達ヲ図ルト共ニ団体訓線ヲ行ヒ規律ヲ守リ協同ヲ尚ブノ習慣ヲ養フモノトス

 初等科ニ於テハ初ハ遊戯及簡易ナル全身運動ニ重キヲ置キ漸次複雑ナル運動ニ進ムト共ニ団体運動ヲ規律的ナラシムベシ

 高等科ニ於テハ其ノ程度ヲ進メ男児ニ在リテハ特ニ教練ヲ重ンズベシ

 教練ニ於テハ特ニ団体訓練ヲ重ンジ規律協同ヲ尚ビ服従ノ精神ヲ涵養スルニ力ムベシ

 遊戯競技ニ於テハ特ニ快活ナル心情、公明ナル態度ヲ養フニ力ムベシ

 衛生ニ於テハ術生上ノ基礎的訓練ヲ重ンジ漸次其ノ程度ヲ進メ救急看護等ヲモ加フベシ

 教材ハ一部ノモノニ偏スルコトナク各種目相倚リテ体操ノ目的ヲ達成セシムベシ

 児童ヲシテ運動及衛生ノ必要ヲ理会セシメ進ンデ之ヲ実行スルノ習慣ニ導クベシ

 第十二条 体錬科武道ハ武道ノ簡易ナル基礎動作ヲ習得セシメ心身ヲ錬磨シテ武道ノ精神ヲ涵養スルニ資セシムルモノトス

 初等科ニ於テハ男児ニ対シ剣道及柔道ヲ課スベシ

 高等科ニ於テハ其ノ程度ヲ進メテ之ヲ課スベシ

 女児ニ対シテハ薙刀ヲ課スルコトヲ得

 心身ヲ一体トシテ訓練シ礼節ヲ尚ビ廉恥ヲ重ンズルノ気風ヲ涵養スルニ力ムベシ

 第十三条-第二十九条 略

 第三十条 国民学校ニ於テ数学年ノ児童ヲ一学級ニ編制スルトキハ各学年ノ程度ニ拘ラズ全部又ハ一部ノ児童ヲ同一ノ程度ニ依リ授業スルコトヲ得

 第三十一条 各教科及科目ノ毎週授業時数外ニ於テ毎週凡ソ三時ヲ限リ行事、団体訓練等二ニ充ツルコトヲ得

 実業科農業ヲ課セザル場合ハ前項ノ外毎週適当ナル時数ヲ農耕的戸外作業ニ充ツベシ

 第三十二条 学校長ハ各学年ノ課程表並ニ各教科及科目ノ授業細目ヲ定ムベシ

 第三十三条 国民学校ニ於テ各学年ノ課程ノ修了若ハ全課程ノ修了ヲ認ムルニハ試験ノ方法ニ依ルコトナク児童平素ノ成績ヲ考査シテ之ヲ定ムベシ

 第三十四条 学校長ハ初等科、高等科又ハ特修科ノ課程ヲ修了セリト認メタル者ニハ修了証書ヲ授与スベシ

 学校長ハ各学年ノ課程ヲ修了セリト認メタル者ニハ修業証書、第三十条ノ規定ニ依リ一学年間学習セシ者ニハ学習証書ヲ与フルコトヲ得

第三節 教科用図書、映画及放送

 第三十五条 児童ニ使用セシムベキ郷土ニ関スル図書ハ道府県ニ於テ編纂シタルモノニシテ文部大臣ノ認可ヲ受ケタルモノタルベシ

 第三十六条 歌詞楽譜ハ教科用図書ニ掲グルモノノ外ハ文部大臣ノ撰定シタルモノ若ハ其ノ図書ニ付検定シタルモノ又ハ当該学校ニ特ニ関係アルモノニシテ地方長官ニ於テ文部大臣ノ認可ヲ受ケタルモノタルベシ

 第三十七条 前二条ニ規定スルモノヲ除キ文部省ニ於テ著作権ヲ有スル教科用図書ナキトキハ文部大臣ノ検定シタル図書ヲ使用セシムルコトヲ得

 第三十八条 教科用図書同一ノ科目ニ関シ数種アルトキハ其ノ中ニ就キ地方長官之ヲ採定ス前項ノ規定ニ依リ文部省ニ於テ薯作権ヲ有スル教科用図書以外ノモノノ中ニ就キ採定セントスル場合ハ文部大臣ノ認可ヲ受クベシ

 第三十九条 教科用図書ヲ解釈シタル図書若ハ之ニ類似シタル図書ハ之ヲ児童ニ使用セシムルコトヲ得ズ

 第四十条 国民学校ニ於テ使用スル映画ハ文部大臣ノ検定シタルモノタルベシ

 第四十一条 文部大臣ノ指定スル種目ノ放送ハ之ヲ授業ノ上ニ使用スルコトヲ得

第四節 学年及式日

 第四十二条-第四十七条 略

 第五節 編制

 第四十八条 国民学校ノ学級数ハ二十四学級以下トス

 特別ノ事情アルトキハ市町村、市町村学校組合又ハ町村学校組合ニ於テ地方長官ノ認可ヲ受ケ前項ノ制限ニ依ラザルコトヲ得

 第四十九条 特別ノ事情ニ依リ国民学校ニ分教場ヲ設ケソトスルトキハ市町村、市町村学校組合又ハ町村学校組合ニ於テ地方長官ノ認可ヲ受クベシ之ヲ止メントスルトキ亦同ジ

 分教場ノ学級数ハ六学級以下トシ前条第一項ノ学級数ニ算入セズ

 第五十条 一学級ノ児童数ハ初等科ニ在リテハ六十人以下、高等科ニ在リテハ五十人以下トス

 特別ノ事情アルトキハ市町村、市町村学校組合又ハ町村学校組合ニ於テ地方長官ノ認可ヲ受ケ前項ノ制限ニ依ラザルコトヲ得

 第五十一条 同一学年ノ女児ノ数一学級ヲ編制スルニ足ルトキハ男女ニ依り該学年ノ学級ヲ別ツベシ高等科ニ於テ各学年ヲ通ジ女児ノ数一学級ヲ編制スルニ足ルトキ亦同ジ前項ノ規定ハ初等科第一学年及第二学年ノ児童ノ学級編制ニ付テハ之ヲ適用セズ

 第五十二条 国民学校ノ学級ノ編制ハ管理者ニ於テ地方長官ノ認可ヲ受クベシ之ヲ変更セントスルトキ亦同ジ

 第五十三条 国民学校ニ於テハ身体虚弱、精神薄弱其ノ他心身ニ異常アル児童ニシテ特別養護ノ必要アリト認ムルモノノ為ニ学級又ハ学校ヲ編制スルコトヲ得

 前項ノ学級又ハ学校ノ編制ニ関スル規程ハ別ニ之ヲ定ム

 第五十四条 土地ノ情況ニ依り初等科ニ於テハ全部若ハ一部ノ児童ヲ前後二部ニ分チテ授業ヲ行フコトヲ得

 前項ノ場合ニ於テハ市町村、市町村学校組合又ハ町村学校組合ニ於テ其ノ期間ヲ定メテ地方長官ノ認可ヲ受クベシ

 第五十五条 国民学校ニ於テハ各学級ニ国民学校訓導免許状ヲ有スル訓導(以下本科訓導ト称ス)一人ヲ置クベシ但シ初等科ニ於テハ国民学校初等科訓導免許状ヲ有スル訓導(以下初等科訓導ト称ス)ヲ以テ充ツルコトヲ得

 高等科ニ於テハ前項ノ職員ノ外教科科目、授業時数、児童数等ニ応ジ必要ナル員数ノ本科訓導若ハ国民学校専科訓導免許状ヲ有スル訓導(以下専科訓導ト称ス)ヲ置クベシ

 初等科ニ於テハ適宜専科訓導ヲ置クコトヲ得土地ノ情況ニ依リ初等科ニ在リテハ二学級毎ニ本科訓導若ハ初等科訓導一人及国民学校准訓導免許状ヲ有スル准訓導若ハ国民学校初等科准訓導免許状ヲ有スル准訓導(以下夫々本科准訓導、初等科准訓導ト称ス)一人ヲ置クコトヲ得但シ特別ノ事情アルトキハ三学級毎ニ本科訓導若ハ初等科訓導二人ヲ置クコトヲ得

 必要アル場合ニ於テハ前各項ノ規定ニ依ルノ外尚本科准訓導又ハ初等科准訓導ヲ置キ児童ノ教育ヲ補助セシムルコトヲ得

 前条ノ規定ニ依リ二部ニ分チテ授業ヲ行フ場合ニ於テハ前後二学級毎ニ本科訓導又ハ初等科訓導一人ヲ置クヲ常例トス

 第五十六条 六学級以上ノ国民学校ニ於テハ学校長タル訓導ノ掌ル教育ヲ補助スル為訓導一人若ハ准訓導一人ヲ置クコトヲ得

 第五十七条 専科訓導ハ一校ヲ限リ他ノ国民学校ノ職員ヲ兼ヌルコトヲ得

 第五十八条 全校児童ヲ一学級ニ編制スル学校ヲ単級国民学校トシ二学級以上ニ編制スル学校ヲ多級国民学校トス

第六節 特修科

 第五十九条 特修科ハ実業其ノ他土地ノ情況ニ適切ナル事項ヲ授クルト共ニ国民学校ノ教科ヲ補習セシムルヲ以テ目的トス

 第六十条 特修科ニ入学スルコトヲ得ル者ハ国民学校高等科ヲ修了シタル者及国民学校令第十一条ノ規定ニ依リ之ト同等以上ト認ムル課程ヲ修了シタル者トス

 第六十一条 高等科ノ教科ニ関スル規定ハ特修科ニ之ヲ準用ス但シ土地ノ情況ニ依リ各教科及科目ノ毎週授業時数ハ学校長ニ於テ地方長官ノ認可ヲ受ヶ別ニ之ヲ定ムルコトヲ得

 第六十二条 第五十条中高等科ニ関スル規定及第五十五条第二項ノ規定ハ特修科ニ之ヲ準用ス

 第六十三条 特修科ノ学級ハ男女ヲ分チテ之ヲ編制スベシ

第二章 設備

 第六十四条-第六十六条 略

第三章 就学

 第六十七条-第八十五条 略

第四章 免許状及検定

第一節 免許状

 第八十六条 国民学校教員免許状ハ之ヲ分チテ左ノ通トス

 一 国民学校訓導免許状

 二 国民学校初等科訓練免許状

 三 国民学校専科訓導免許状

 四 国民学校准訓導免許状

 五 国民学校初等科准訓導免許状

 第八十七条 国民学校訓導免許状ヲ有スル者ハ国民学校ノ全教科、国民学校初等科訓導免許状ヲ有スル者ハ国民学校初等科ノ全教科、国民学校専科訓導免許状ヲ有スル者ハ国民学校ノ国民科、理数科以外ノ教科中ノ一科目若ハ数科目又ハ国民学校令第四条第七項ノ規定ニ依り設ケラレタル科目ニ付児童ノ教育ヲ掌ル訓導ト為ルコトヲ得

 国民学校准訓導免許状ヲ有スル者ハ国民学校ノ全教科、国民学校初等科准訓導免許状ヲ有スル者ハ国民学校初等科ノ全教科ニ付訓導ノ行フ児童ノ教育ヲ助クル准訓導ト為ルコトヲ得

 第八十八条 国民学校養護訓導免許状ヲ有スル者ハ養護訓導ト為ルコトヲ得

 第八十九条 師範学校長ハ師範学校ヲ卒業シタル者ニ対スル国民学校訓導免許状ノ授与ヲ地方長官ニ申請スベシ

 第九十条 地方長官ハ国民学校教員免許状登録簿及国民学校養護訓導免許状登録簿ヲ作リ免許状ヲ授与シタル者ノ氏名其ノ他必要ナル事項ヲ記入スベシ

 第九十一条-第九十三条 略

第二節 検定

 第九十四条 略

 第九十五条 検定ハ之ヲ分チテ無試験検定及試験検定トシ学力、性向及身体ニ付之ヲ行フ

 第九十六条 無試験検定ハ随時之ヲ行ヒ試験検定ハ毎年少クトモ一回之ヲ行フ

 第九十七条 訓導及准訓導ノ無試験検定ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニ付第九十八条乃至第百二条ノ規定ニ対照シテ之ヲ行フ

 一 師範学校、中学校、高等女学校教員免許状、実業学校教員免許状又ハ高等学校高等科教員免許状ヲ有スル者

 二 高等学校高等科又ハ大学予科ヲ修了シタル者

 三 公立私立実業学校教員資格ニ関スル規程第一条第三号ノ規定ニ依リ文部大臣ノ指定シタル者

 四 文部省直轄学校ニ於テ特ニ教員ノ職ニ適スル教育ヲ受ケテ卒業シタル者

 五 中学校又ハ高等女学校ヲ卒業シタル者

 六 公立私立学校認定ニ関スル規則ニ依リ認定セラレタル学校ノ卒業者、専門学校入学者検定規程ニ依リ試験検定ニ合格シタル者及一般ノ専門学校入学ニ関シ無試験検定ヲ受クル資格ヲ有スル者

 七 其ノ他地方長官ニ於テ特ニ適任ト認メタル者

 前項第五号及第六号ニ該当スル者ニ対シ本科訓導ノ検定ヲ行フ場合ハ卒業後二年以上国民学校教育ニ従事シタル者又ハ高等女学校ノ高等科、専攻科若ハ修業年限一年以上ノ補習科ニ於テ国民学校訓導ニ適スル教育ヲ受ケテ卒業シタル者ニ限ル

 第九十八条 本科訓導ノ試験検定ノ科目及其ノ程度ハ男子ニ在リテハ師範学校本科男生徒、女子ニ在リテハ師範学校本科女生徒ニ課スル学科目及其ノ程度ニ準ズ但シ農業、工業、商業及外国語ノ一科目若ハ数科目ハ之ヲ欠クコトヲ得

 第九十九条 本科准訓導ノ試験検定ノ科目ハ本科訓導ノ試験検定ノ科目トシ其ノ程度ハ本科訓導ノ試験検定ノ程度ニ準ジ之ヲ斟酌スベシ

 第百条 専科訓導ノ試験検定ノ科目ハ体操、武道、音楽、習字、図画、工作、裁縫、家事、農業、工業、商業、水産、外国語ノ一科目若ハ数科目トス

 地方長官ハ文部大臣ノ認可ヲ受ケ前項試験検定ノ科目ノ外必要ナル科目ニ付試験ヲ行フコトヲ得

 各科目ノ試験ハ教育ノ大要及受験科目ノ授業法ヲ附帯セシメ之ヲ行フ

 試験検定ノ科目ノ程度ハ男子ニ在リテハ師範学校本科男生徒、女子ニ在リテハ師範学校本科女生徒ニ課スル各学科目ノ程度ニ準ズ但シ第二項ノ試験検定ノ科目ニ在リテハ文部大臣ノ認可ヲ受ヶ地方長官ノ定ムル所ニ依ル

 専科訓導ノ試験検定ハ国民学校教員検定委員会ニ於テ修身、国語、国史、数学ニ関シ普通ノ学力ヲ有スト認メタル者ニ非ザレバ之ヲ行ハズ

 第百一条 初等科訓導ノ試験検定ノ科目ハ本科訓導ノ試験検定ノ科目トシ其ノ程度ハ本科訓導ノ試験検定ノ程度ニ準ジ之ヲ斟酌スベシ但シ実業、家事、外国語ノ試験ハ之ヲ欠ク

 第百二条 初等科准訓導ノ試験検定ノ科目ハ前条ノ規定ニ依リ其ノ程度ハ初等科訓導ノ試験検定ノ程度ニ準ジ之ヲ斟酌スベシ

 第百三条 略

 第百四条 養護訓導ノ無試験検定ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニ付之ヲ行フ

 一 文部大臣ノ指定シタル学校又ハ養成所ヲ卒業シタル者

 二 着護婦免状ヲ有シ国民学校訓導免許状ヲ有スル者

 第百五条 養護訓導ノ試験検定ハ着護婦免状ヲ有シ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニ付之ヲ行フ

 一 高等女学校ヲ卒業シタル者

 二 専門学校入学者検定規程ニ依リ試験検定ニ合格シタル者及一般ノ専門学校入学ニ関シ無試験検定ヲ受クル資格ヲ有スル者

 三 其ノ他地方長官ニ於テ特ニ適任ト認メタル者

 第百六条 養護訓導ノ試験検定ノ科目ハ修身、公民科、教育、学校衛生トシ修身、公民科、教育ノ試験検定ノ程度ハ師範学校本科第二部女生徒ニ課スル程度ニ準ズ

 前条第一号及第二号ニ該当スル者ニ対シテハ修身、公民科、教育ノ一科目又ハ数科目ノ試験ハ之ヲ欠クコトヲ得

 第百七条 試験検定ヲ受ケタル者ニシテ其ノ試験ニ合格セザルモ佳良ナル成績ヲ得タル科目アルトキハ地方長官ハ其ノ科目ノ成績ニ関シ証明書ヲ授与スルコトヲ得

 前項ノ証明書ヲ受ケタル者ニシテ更ニ試験検定ヲ出願スルトキハ其ノ証明書ニ記載シタル科目ノ試験ハ之ヲ欠ク

第五章 職員

 第百八条-第百十一条 略

第六章 授業料

 第百十二条 国民学校令第三十六条第二項ノ規定ニ依リ国民学校ニ於テ授業料ヲ徴収セントスルトキハ市又ハ市町村学校組合ニ在リテハ一月二十銭以下、町村又ハ町村学校組合ニ在リテハ一月十銭以下ニ於テ其ノ金額ヲ定ムベシ但シ第七十一条ノ規定ニ依リ入学スル児童ニ付テハ市又ハ市町村学校組合ニ在リテハ一月二十銭、町村又ハ町村学校組合ニ在リテハ一月十銭迄ヲ増スコトヲ得

 児童教育事務ヲ委託シタル市町村、市町村学校組合又ハ町村学校組合ヨリ入学スル児童ニ付テハ前項但書ノ規定ヲ適用セズ

 第百十三条 特別ノ事情アルトキハ市町村、市町村学校組合又ハ町村学校組合ニ於テ地方長官ノ認可ヲ受ヶ期間ヲ定メテ前条ノ制限ヲ超エタル授業料ヲ徴収スルコトヲ得

 第百十四条 国民学校特修科ノ授業料額ハ市町村、市町村学校組合又ハ町村学校組合ニ於テ之ヲ定ムベシ

 第百十五条 国民学校ニ於テハ学年ニ依リ授業料額ニ差等ヲ設クルコトヲ得ズ

 第百十六条 貧困ノ為授業料ヲ納ムルコト能ハズト認ムル者ニ対シテハ管理者ハ授業料額ノ全部又ハ一部ヲ免除スルコトヲ得

 一家ノ児童二人以上同時ニ国民学校ニ就学スルトキハ管理者ハ授業料額ヲ減ズルコトヲ得

 第百十七条 略

第七章 学務委員

 第百十八条 市町村、市町村学校組合及町村学校組合ノ学務委員ハ十人以下トス但シ特別ノ必要アルトキハ文部大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ数ヲ増スコトヲ得

 第百十九条 学務委員ハ左ニ掲グル事項ニ付市町村長、市町村学校組合管理者又ハ町村学校組合管理者ヲ補助シ又ハ其ノ諮問ニ応ジテ意見ヲ陳述ス

 一 就学督促ニ関スルコト

 二 就学義務ノ免除又ハ就学ノ猶余ニ関スルコト

 三 設備ニ関スルコト

 四 経費予算ノ調製ニ関スルコト

 五 授業料ニ関スルコト

 六 学校基本財産ニ関スルコト

 七 分教場ノ設備廃止ニ関スルコト

 八 前後二部ニ分ク授業ノ実施ニ関スルコト

 九 特修科ノ設置廃止ニ関スルコト

 第百二十条 公民ヨリ出ヅル学校委員ノ任期ハ四年トス

 補闕ニ依リ就任シタル者ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス

 第百二十一条 学務委員ニシテ其ノ資格ノ要件ヲ失ヒタル者ハ当然其ノ職ヲ失フ

第八章 雑則

 第百二十二条-第百二十五条 略

附則

 第百二十六条 本令ハ昭和十六年四月一日ヨリ之ヲ施行ス

 第百二十七条-第百三十七条 略

 表略

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学制百年史編集委員会

-- 登録:平成21年以前 --