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小学校令施行規則(抄)(明治三十三年八月二十一日文部省令第十四号)

 小学校令施行規則ヲ定ムルコト左ノ如シ

 小学校令施行規則

 第一章 教科及編制

 第一節 教則

 第二節 学年、休業日及式日

 第三節 編制

 第四節 補習科

 第五節 図書審査及採定

 第二章 設備準則

 第三章 就学

 第四章 教員検定及免許状

 第一節 教育ノ検定

 第二節 教員ノ免許状

 第五章 職員

 第一節 学校長及教員ノ進退

 第二節 学校長及教員ノ職務及服務

 第三節 懲戒処分、業務停止及免許状褫奪

 第四節 俸給、旅費及諸給与準則

 第五節 代用教員

 第六章 授業料

 第七章 学務委員

 第八章 代用私立小学校

 第九章 幼稚園及小学校ニ類スル各種学校

 第十章 附則

小学校令施行規則

第一章 教科及編制

第一節 教則

 第一条 小学校ニ於テハ小学校令第一条ノ旨趣ヲ遵守シテ児童ヲ教育スヘシ道徳教育及国民教育ニ関連セル事項ハ何レノ教科目ニ於テモ常ニ留意シテ教授センコトヲ要ス

 知識技能ハ常ニ生活ニ必須ナル事項ヲ選ヒテ之ヲ教授シ反覆練習シテ応用自在ナラシメンコトヲ務ムヘシ

 児童ノ身体ヲ健全ニ発達セシメンコトヲ期シ何レノ教科目ニ於テモ其ノ教授ハ児童ノ心身発達ノ程度ニ副ハシメンコトヲ要ス

 男女ノ特性及其ノ将来ノ生活ニ注意シテ各々適当ノ教育ヲ施サンコトヲ務ムヘシ

 各教科目ノ教授ハ其ノ目的及方法ヲ誤ルコトナク互ニ相連絡シテ補益センコトヲ要ス

 第二条 修身ハ教育ニ関スル勅語ノ旨趣ニ基キテ児童ノ徳性ヲ涵養シ道徳ノ実践ヲ指導スルヲ以テ要旨トス

 尋常小学校ニ於テハ初ハ孝悌、親愛、勤倹、恭敬、信実、義勇等ニ就キ実践ニ適切ナル近易ノ事項ヲ授ケ漸ク進ミテハ国家及社会ニ対スル責務ノ一班ニ及ホシ以テ品位ヲ高メ志操ヲ固クシ且進取ノ気象ヲ長シ公徳ヲ尚ハシメ忠君愛国ノ志気ヲ養ハソコトヲ務ムヘシ

 高等小学校ニ於テハ前項ノ旨趣ヲ拡メテ一層陶冶ノ功ヲ堅実ナラシメンコトヲ務ムヘシ

 女児ニ在リテハ特ニ貞淑ノ徳ヲ養ハンコトニ注意スヘシ

 修身ヲ授クルニハ嘉言善行及諺辞等ニ基キテ勧戒シ常ニ服膺セシメンコトヲ務ムヘシ

 第三条 国語ハ普通ノ言語、日常須知ノ文字及文章ヲ知ラシメ正確ニ思想ヲ表彰スルノ能ヲ養ヒ兼テ智徳ヲ啓発スルヲ以テ要旨トス

 尋常小学校ニ於テハ初ハ発音ヲ正シ仮名ノ読ミ方、書キ方、綴り方ヲ知ラシメ漸ク進ミテハ日常須知ノ文字及近易ナル普通文ニ及ホシ又言語ヲ練習セシムヘシ

 高等小学校ニ於テハ稍々進ミタル程度ニ於テ日常須知ノ文字及普通文ノ読ミ方、書キ方、綴リ方ヲ授ケ又言語ヲ練習セシムヘシ

 読ミ方、書キ方、綴リ方ハ各々其ノ主トスル所ニ依リ教授時間ヲ区別スルコトヲ得ルモ特ニ注意シテ相連絡セシメンコトヲ要ス

 読本ノ文章ハ平易ニシテ国語ノ模範ト為り且児童ノ心情ヲ快活純正ナラシムルモノヲ要シ其ノ材料ハ修身、歴史、地理、理科其ノ他生活ニ必須ナル事項ニ取リ趣味ニ富ムモノタルヘシ

 女児ノ学級ニ用フル読本ニハ特ニ家事上ノ事項ヲ交フヘシ

 文章ノ綴リ方ハ読ミ方又ハ他ノ教科目ニ於テ授ケタル事項児童ノ日常見聞セル事項及処世ニ必須ナル事項ヲ記述セシメ其ノ行文ハ平易ニシテ旨趣明瞭ナランコトヲ要ス

 書キ方ニ用フル漢字ノ書体ハ楷書行書ノ一種若ハ二種トス

 国語ヲ授クル際ニハ常ニ其ノ意義ヲ明瞭ニシ且既修ノ文字ヲ以テ通常ノ人名、地名等ニ応用セシメ単語、短句、短文ヲ書取ラシメ若ハ改作セシメテ仮名及語句ノ用法ニ習熟セシメソコトヲ務ムヘシ

 他ノ教科目ヲ授クル際ニ於テモ常ニ言語ノ練習ニ注意シ又文字ヲ書カシムルトキハ其ノ字形及字行ヲ正シクセシメンコトヲ要ス

 第四条 算術ハ日常ノ計算ニ習熟セシメ生活上必須ナル知識ヲ与へ兼テ思考ヲ精確ナラシムルヲ以テ要旨トス

 尋常小学校ニ於テハ初ハ十以下ノ数ノ範囲内ニ於ケル数ヘ方、書キ方及加減乗除ヲ授ケ漸ク其ノ範囲ヲ拡メテ百以下ノ数ニ及ホシ更ニ進ミテ通常ノ加減乗除並ニ小数ノ呼ヒ方、書キ方及簡易ナル加減ヲ授ケ漸次本邦度量衡、貨幣及時ノ制ノ大要ヲ授クヘシ

 高等小学校ニ於テハ初ハ尋常小学校ニ於テ授ケタル事項ヲ拡メテ学習セシメ漸ク進ミテハ簡易ナル小数、分数及比例ヲ授ケ又学校ノ修業年限ニ応シ更ニ稍々複雑ナル比例及日常適切ノ百分算ニ及ホシ土地ノ情況ニ依リテハ簡易ナル求積若ハ日用簿記ノ大要ヲ授ケ又ハ之ヲ併セ授クヘシ

 算術ハ筆算ヲ用フヘシ土地ノ情況ニ依リテハ珠算ヲ併セ用フルコトヲ得算術ヲ授クルニハ理会ヲ精確ニシ運算ニ習熟シテ応用自在ナラシメンコトヲ務メ又運算ノ方法及理由ヲ正確ニ説明セシメ且暗算ニ習熟セシメンコトヲ要ス

 算術ノ問題ハ他ノ教科目ニ於テ授ケタル事項及土地ノ情況ヲ斟酌シテ日常適切ナルモノヲ選フヘシ

 第五条-第二十四条 略

第二節 学年、休業日及式日

 第二十五条 小学校ノ学年ハ四月一日ニ始リ翌年三月三十一日ニ終ル

 小学校ノ学期ハ府県知事之ヲ定ムヘシ

 第二十六条 毎日ノ教授終始ノ時刻ハ府県知事之ヲ定ムヘシ

 第二十七条 小学校ノ休業日ハ左ノ如シ

 一 祝日、大祭日

 二 日曜日

 三 夏季休業日

 四 冬季休業日

 五 学年末休業日

 六 其ノ他府県知事ノ定ムル休業日

 前項第三号乃至第五号ノ休業日数ハ府県知事之ヲ定ムヘシ

 第二十八条 紀元節、天長節及一月一日ニ於テハ職員及児童、学校ニ参集シテ左ノ式ヲ行フヘシ

 一 職員及児童「君力代」ヲ合唱ス

 ニ 職員及児童ハ

 天皇陛下

 皇后陛下ノ御影ニ対シ奉リ最敬礼ヲ行フ

 三 学校長ハ教育ニ関スル勅語ヲ奉読ス

 四 学校長ハ教育ニ関スル勅語ニ基キ聖旨ノ在ル所ヲ誨告ス

 五 職員及児童ハ其ノ祝日ニ相当スル唱歌ヲ合唱ス

 御影ヲ拝戴セサル学校及特ニ府県知事ノ認可ヲ受ケ複写シタル御影若ハ府県知事ニ於テ適当ト認メタル御影ヲ奉蔵セサル学校ニ於テハ前項第二号ノ式ヲ闕ク又唱歌ヲ課セサル学校ニ於テハ第一号及第五号ノ式ヲ闕クコトヲ得

第三節 編制

 第二十九条 小学校ノ学級数ハ十二学級以下ト入

 特別ノ事情ニ依リ小学校ニ於テ分教場ヲ設クルトキハ一分教場ノ学級数ハ二学級以下トシ前項ノ制限外ト為スコトヲ得

 第三十条 一学級ノ児童数ハ尋常小学校ニ在リテハ七十人以下、高等小学校ニ在リテハ六十人以下トス

 特別ノ事情アルトキハ前項ノ制限ヲ超過シテ各々十人マテヲ増スコトヲ得

 第三十一条 尋常小学校若ハ其ノ分教場ニ於テ同一学年ノ女児ノ数一学級ヲ編制スルニ足ルトキハ男女ニ依リ該学年ノ学級ヲ別ツヘシ

 第一学年及第二学年ニ在リテハ前項ノ規定ニ依ラサルコトヲ得

 高等小学校若ハ其ノ分教場ニ於テ全校女児ノ数一学級ヲ編制スルニ足ルトキハ男女ニ依リ学級ヲ別ツヘシ

 第三十二条 正教科ノ児童ト補習科ノ児童トヲ合シテ学級ヲ編制スルコトヲ得ス但シ特別ノ事情アルトキハ此ノ限ニアラス

 第三十三条 修身、体操、唱歌、裁縫又ハ手工ハ数学級ノ全部又ハ一部ノ児童ヲ合シテ同時ニ之ヲ教授スルコトヲ得

 第三十四条 左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ尋常小学校若ハ其ノ分教場ニ於テハ児童ヲ二部ニ分チ其ノ一部ノ教授了リタル後他ノ一部ヲ教授スルコトヲ得

 一 児童ノ数七十人以上百四十人未満ニシテ本科正教員一人及准教員一人ヲ置クコト能ハサルトキ

 二 児童ヲ同時ニ容ルルニ足ルヘキ校舎ノ設ナキトキ

 前項ノ場合ニ於テハ毎日ノ教授時数ヲ各部三時以上トス但シ年少ノ部ニ在リテハ之ヲ二時ト為スコトヲ得

 第三十五条-第四十一条 略

第四節 補習科

 第四十二条 補習科ハ分テ尋常小学校補習科及高等小学校補習科トス

 尋常小学校補習科ハ尋常小学校ヲ卒業シタル者及之ト同等以上ノ学力ヲ有スル者ヲシテ尋常小学校ノ教科目ヲ補習セシムルヲ以テ目的トス

 高等小学校補習科ハ高等小学校ヲ卒業シタル者及之ト同等以上ノ学力ヲ有スル者ヲシテ高等小学校ノ教科目ヲ補習セシムルヲ以テ目的トス

 第四十三条 補習科ノ教科目ハ管理者又ハ設立者ニ於テ之ヲ定ムヘシ

 前項ノ規定ニ依リ定メタル教科目ハ管理者又ハ設立者ニ於テ之ヲ随意科目ト為スコトヲ得

 第四十四条 補習科ノ教科用図書ハ学校長ニ於テ之ヲ定ムヘシ

 第四十五条 補習科ノ教科ヲ授クルニハ其ノ土地ノ業務ニ適切ナル事項ヲ交フヘシ

 第四十六条 補習科ノ修業年限ハ二箇年以下トシ市町村町村学校組合又ハ設立者ニ於テ之ヲ定ムヘシ

 第四十七条 補習科ノ教授ハ一定ノ季節ヲ選ヒテ之ヲ為スコトヲ得

 第四十八条 補習科ノ教授日及教授時間ハ児童ノ便宜ヲ図リ管理者又ハ設立者ニ於テ之ヲ定ムヘシ

 補習科ノ毎週教授時数ハ三時以上十二時以下トス但シ裁縫ノ為ニハ尚毎週十二時以下ニ於テ教授時数ヲ増スコトヲ得

 第四十九条 高等小学校補習科ノ学級ハ男女ヲ合シテ之ヲ編制スルコトヲ得ス但シ其ノ教授時間ヲ正教科ノ教授時間内ニ定メタルトキハ此ノ限ニアラス

 第五十条-第五十二条 略

 第五節 図書審査及採定

 第五十三条 小学校図書審査委員会ノ開閉ハ府県知事之ヲ命ス

 第五十四条 小学校図書審査委員ハ職務上当然委員タル者ヲ除ク外小学校図書審査委員会開会毎ニ府県知事之ヲ命ス

 第五十五条 小学校図書審査委員会ニ会長ヲ置キ府県書記官ヲ以テ之ニ充ツ

 会長ハ会務ヲ整理シ審査ノ顛末ヲ府県知事ニ報告ス

 会長事故アルトキハ府県知事ノ指名シタル委員其ノ職務ヲ代理ス

 第五十六条-第五十七条 略

 第五十八条 委員ハ自己又ハ親族ノ著作、校閲、出版ニ係ル図書ノ審査ニ参与スルコトヲ得ス

 第五十九条 小学校図書審査委員会ハ其ノ地方ノ情況ニ適当スル図書ヲ選定スヘシ

 小学校教科用図書ハ学校ノ種類、男女ノ区別又ハ学校所在地ノ情況ニ依リ各別ニ之ヲ選定スルコトヲ得

 第六十条-第六十一条 略

 第六十二条 府県知事ニ於テ採定シタル小学校教科用図書ノ定価増加シタルトキハ其ノ採定ハ効力ヲ失フ

 第六十三条 小学校教科用図書ハ採定後四箇年ヲ経ルニアラサレハ之ヲ更定スルコトヲ得ス

 小学校教科用図書ヲ更定シタル場合ニ於テハ其ノ図書ハ最下学年ノ児童ヨリ用ヒシメ其ノ他ノ児童ニハ従来ノ教科用図書ヲ襲用セシムヘシ

 特別ノ事情アルトキハ府県知事ハ文部大臣ノ認可ヲ受ケ前二項ノ規定ニ依ラサルコトヲ得

第二章 設備準則

 第六十四条-第七十九条 略

第三章 就学

 第八十条-第九十七条 略

第四章教員検定及免許状

第一節 教員ノ検定

 第九十八条 小学校教員検定委員会ハ左ノ職員ヲ以テ之ヲ組織ス

 一 会長

 一 常任委員

 一 臨時委員

 第九十九条 会長ハ府県視学官ヲ以テ之ニ充ツ常任委員及臨時委員ハ府県知事之ヲ命ス

 臨時委員ハ試験施行ノ際之ヲ命ス

 第百条 会長ハ会務ヲ整理シ検定ノ成績ヲ府県知事ニ報告ス

 会長事故アルトキハ府県知事ノ指名シタル委員其ノ職務ヲ代理ス

 第百一条 常任委員ハ会長ノ指揮ヲ承ケ教員検定ニ関スル事ヲ掌ル

 臨時委員ハ会長ノ指揮ヲ承ケ試験検定ニ関スル事ヲ掌ル

 第百二条-第百四条 略

 第百五条 教員ノ検定ハ分テ無試験検定及試験検定トス

 第百六条 試験検定ハ毎年少クトモ一回之ヲ行ヒ無試験検定ハ随時之ヲ行フ

 第百七条 無試験検定ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニ就キ第百八条乃至第百十二条ノ規定ニ対照シテ之ヲ行フ

 一 師範学校、中学校、高等女学校教員免許状ヲ有スル者

 二 他ノ府県ニ於テ授与シタル小学校教員免許状ヲ有スル者

 三 文部省直轄学校ニ於テ某科目ニ関シ特ニ教員ノ職ニ適スル教育ヲ受ケテ卒業シタル者

 四 中学校又ハ明治三十二年文部省令第三十四号ニ依り文部大臣ニ於テ中学校ト同等以上ト認メタル学校ヲ卒業シタル者

 五 高等女学校ヲ卒業シタル者

 六 其ノ他府県知事ニ於テ特ニ適任ト認メタル者

 第百八条 小学校本科正教員ノ試験科目及其ノ程度ハ男子ニ在リテハ師範学校男生徒、女子ニ在リテハ師範学校女生待ニ課スル学科程度ニ準ス但シ図画、音楽、手工、農業、商業、英語ノ一科目若ハ数科目ハ之ヲ闕キ女子ノ為ニハ尚体操ヲ闕クコトヲ得

 本条ニ小学校本科正教員トアルハ尋常小学校及高等小学校ニ於テ本科正教員タルコトヲ得ヘキ者ヲ謂フ

 第百九条 小学校准教員ノ試験科目及其ノ程度ハ左ノ如シ但シ裁縫ハ女子ニ限ル

 修身 道徳ノ要旨

 教育 教授法ノ大要

 国語 普通文及小学校教科用読本ノ講読並ニ作文、習字

 算術 正数、分数及少数ノ加減乗除、比例、百分算

 歴史 日本歴史ノ大要

 地理 日本地理及外国地理ノ大要

 理科 博物、物理、化学ノ大要

 図画 自在画及簡易ナル幾何画

 唱歌 単音唱歌

 体操 普通体操及兵式体操ノ初歩

 裁縫 通常ノ衣類ノ裁チ方、縫ヒ方、繕ヒ方

 図画 唱歌ノ一科目若ハ二科目ハ之ヲ闕キ女子ノ為ニハ尚体操ヲ闕クコトヲ得

 本条ニ小学校准教員トアルハ尋常小学校及高等小学校ニ於テ准教員タルコトヲ得ヘキ者ヲ謂フ

 第百十条~第百十一条 略

 第百十二条 尋常小学校准教員ノ試験科目及其ノ程度ハ左ノ如シ

 修身 道徳ノ要旨

 教育 教授法ノ大要

 国語 小学校教科用読本ノ講読並ニ作文、習字

 算術 整数、分数及小数ノ加減乗除、単比例

 歴史、地理 日本歴史及日本地理ノ大要

 理科 博物、物理、化学ノ初歩

 図画 簡易ナル自在画

 唱歌 単音唱歌

 体操 普通体操

 理科、図画、唱歌ノ一科目若ハ数科目ハ之ヲ

 闕キ女子ノ為ニハ尚体操ヲ闕クコトヲ得

 第百十三条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニ就キ試験検定ヲ行フトキハ小学校教員検定委員会ニ於テ第百八条乃至第百十二条ノ規定ニ対照シテ某科目ニ関シ同等以上ノ学力アリト認メタル等ニ対シテハ其ノ科目ノ試験ヲ闕クコトヲ得

 一 師範学校、中学校、高等女学校教員免許状ヲ有スル者

 二 他ノ府県ニ於テ授与シタル小学校教員免許状ヲ有スル者

 三 文部省直轄学校ニ於テ某科目ニ関シ特ニ教員ノ職ニ適スル教育ヲ受ケテ卒業シタル者

 四 小学校教員免許状又ハ小学師範学科卒業証書ヲ有シ其ノ有効期間満チタル者

 五 小学校教員講習科ヲ卒リタル者

 六 中学校又ハ明治三十二年文部省令第三十四号ニ依リ文部大臣ニ於テ中学校ト同等以上ト認メタル学校ヲ卒業シタル者

 七 高等女学校ヲ卒業シタル者

 第百十四条 試験検定ヲ受ケタル者ニシテ其ノ試験ニ合格セサルモ某科目ニ関シ成績佳良ナルトキハ府県知事ハ某科目ノ成績ニ関シ証明書ヲ授与スルコトヲ得

 前項ノ証明書ヲ受ケタル者ニシテ三箇年以内ニ更ニ試験検定ヲ出願スルトキハ其ノ証明書ニ記載シタル科目ノ試験ヲ闕ク

 第百十五条 府県知事ハ検定手数料ヲ徴収スルコトヲ得

第二節 教員ノ免許状

 第百十六条-第百二十一条 略

第五章 職員

第一節 学校長及教員ノ進退

 第百二十二条-第百三十二条 略

第二節 学校長及教員ノ職務及服務

 第百三十三条-第百三十八条 略

第三節 懲戒処分、業務停止免許状褫奪

 第百三十九条-第百四十七条 略

第四節 俸給、旅費及諸給与準則

 第百四十八条-第百六十七条 略

第五節 代用教員

 第百六十八条-第百七十三条 略

第六章 授業料

 第百七十四条 尋常小学校ニ於テ授業料ヲ徴収セソトスルトキハ市ニ在リテハ一箇月二十銭以下、町村又ハ町村学校組合ニ在リテハ一箇月十銭以下ニ於テ其ノ金額ヲ定メ府県知事ノ認可ヲ受クヘシ

 第百七十五条 高等小学校ニ於テ徴収スル授業料ハ市ニ在リテハ一箇月六十銭以下町村又ハ町村学校組合ニ在リテハ一箇月三十銭以下ニ於テ其ノ金額ヲ定メ監督官庁ノ認可ヲ受クヘシ

 第百七十六条 特別ノ事情アル市町村又ハ町村学校組合ニ於テハ文部大臣ノ認可ヲ受ケ期限ヲ定メテ前二条ノ制限ヲ超エタル授業料ヲ徴収スルコトヲ得

 第百七十七条 小学校補習科ノ授業料額ハ市町村又ハ町村学校組合ニ於テ之ヲ定ムヘシ

 第百七十八条 小学校ニ於テハ学年ニ依リ授業料額ニ差等ヲ設クルコトヲ得ス

 第百七十九条 他ノ小学校設置負担ノ区域ヨリ入学スル児童ニ就キテハ第百七十四条及第百七十五条ノ制限以内ニ於テ授業料額ヲ増スコトヲ得但シ児童教育事務ヲ委託シタル市町村、町村学校組合又ハ区ヨリ入学スル児童ニ就キテハ此ノ限ニアラス

 第百八十条貧窮ノ為授業料ヲ納ムルコト能ハサル者ニ対シテハ管理者ハ授業料ノ全部又ハ一部ヲ免除スヘシ

 一家ノ児童二人以上同時ニ小学校ニ就学スルトキハ管理者ハ授業料額ヲ減スルコトヲ得

 第百八十一条 本章ノ規定ハ私立小学校ニ関シ之ヲ適用セス

第七章 学務委員

 第百八十二条市町村、町村学校組合並ニ区ノ学務委員ハ十人以下トス但シ東京市ニ在リテハ十五人マテニ増スコトヲ得

 第百八十三条 学務委員ハ左ニ掲クル事項ニ就キ市長、、市参事会、町村長、町村学校組合長、区長並ニ其ノ代理者ヲ補助シ又ハ其ノ諮問ニ応シテ意見ヲ陳述ス

 一 就学督促ニ関スルコト

 二 家庭又ハ其ノ他ニ於テ尋常小学校ノ教科ヲ修ムル者ノ認可ニ関スルコト

 三 就学義務ノ免除又ハ就学ノ猶余ニ関スルコト

 四 設備ニ関スルコト

 五 経費予算ノ調製ニ関スルコト

 六 授業料ニ関スルコト

 七 学校基本財産ニ関スルコト

 八 教科目ノ加除ニ関スルコト

 九 修業年限ニ関スルコト

 十 補習科ノ設置廃止ニ関スルコト

 十一 私立尋常小学校代用ニ関スルコト

 第百八十四条 公民中ヨリ選挙セラレタル学務委員ノ任期ハ四箇年トス

 補闕選挙ニ依リ就任シタル者ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス

 第百八十五条 学務委員ニシテ資格ノ要件ヲ失ヒタル者ハ当然其ノ職ヲ失フ

第八章 代用私立小学校

 第百八十六条-第百九十四条 略

第九章 幼稚園及小学校ニ類スル各種学校

 第百九十五条 幼稚園ハ満三歳ヨリ尋常小学校ニ入学スルマテノ幼児ヲ保育スルヲ以テ目的トス

 第百九十六条 幼児ヲ保育スルニハ其ノ心身ヲ健全ニ発達セシメ善良ナル習慣ヲ得シメ以テ家庭教育ヲ補ハンコトヲ要ス

 幼児ノ保育ハ其ノ心身発達ノ程度ニ副ハシムヘク其ノ会得シ難キ事項ヲ授ケ又ハ過度ノ業ヲ為サシムルコトヲ得ス

 常ニ幼児ノ心情及行儀ニ注意シテ之ヲ正シクセシメ又常ニ善良ナル事例ヲ示シテ之ニ傚ハシメムコトヲ務ムヘシ

 第百九十七条 幼児保育ノ項目ハ遊戯、唱歌、談話及手技トス

 第百九十八条-第二百一条 略

 第二百二条 保育ノ時数ハ一日五時以下トス前項ノ時数ニハ食事時間ヲ包含ス

 第二百三条 幼稚園ニ園長ヲ置クコトヲ得

 第二百四条 幼稚園ニ於テ幼児ヲ保育スル者ヲ保姆下ス

 保姆ハ女子ニシテ尋常小学校本科正教員又ハ准教員タルヘキ資格ヲ有スル者又ハ府県知事ノ免許ヲ得タル者タルヘシ

 第二百五条 幼稚園長及保姆ノ採用、解職ハ市町村立幼稚園ニ在リテハ府県知事之ヲ行ヒ私立幼稚園ニ在リテハ設立者ニ於テ府県知事ニ届出ツヘシ

 第二百六条 幼稚園ノ幼児数ハ百人以下トス但シ特別ノ事情アルトキハ百五十人マテニ増スコトヲ得

 第二百七条 保姆一人ノ保育スル幼児数ハ四十人以下トス

 第二百八条 略

 第二百九条 盲唖学校其ノ他小学校ニ類スル各種学校ニハ学校長ヲ置クコトヲ得

 第二百十条 盲唖学校其ノ他小学校ニ類スル各種学校教員ハ小学校教員タルヘキ資格ヲ有スル者又ハ府県知事ノ免許ヲ得タル者タルヘシ

 第二百十一条 盲唖学校其ノ他小学校ニ類スル各種学校ノ学校長及教員ノ採用、解職ニ関シテハ第二百五条ノ規定ヲ準用ス

第十章 附則

 第二百十二条 本令ハ明治三十三年九月一日ヨリ施行ス但シ第一章中第一節乃至第四節、第五章中第四節及第五節、第六章、第八章ノ規定ハ明治三十四年四月一日ヨリ施行ス

 第二百十三条-第二百二十三条 略

 表略

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学制百年史編集委員会

-- 登録:平成21年以前 --