四 教員の資格・待遇

教員の資格

 昭和十六年の国民学校令に、国民学校には学校長および訓導を置き、教頭、養護訓導および准訓導を置きうるものと定めた。十八年八月の改正によって養護訓導を必ず置くこととしたが、養護訓導の制度は国民学校令のもとではじめて取り入れたものであった。同年三月「国民学校教員検定委員会官制」が制定され、府県の検定委員会が発足することとなった。国民学校令施行規則には免許状および検定について規定し、無試験検定と試験検定の該当者をそれぞれ定めているが、同年六月および八月には養護訓導の試験検定標準に関する件、さらに同年八月に国民学校教員免許状授与標準の件を詳細に定めた。

 中等学校教員に関しては、従前の教員検定に関する規程が七年八月、師範学校・中学校・高等女学校教員検定規程と改められたが、この規程は、十八年中等学校令の制定、師範学校の専門学校程度への昇格に伴って、中学校・高等女学校教員検定規程と改められ、あわせて検定学科目も改正された。

 十九年二月、国民学校・青年学校および中等学校の教員の検定および資格に関する臨時特例を定めて、軍人あるいは官吏等を委嘱することによって教員不足に対処しようとした。

教員の待遇等

 昭和十八年義務教育費国庫負担法および関係法規を改正し、特に同年八月公立学校職員俸給令の改正によって、国民学校教員の俸給を公立中学校教員と同等に取り扱うこととしたのである。

 そのほか、八年四月の恩給法の改正、九年十一月の学校職員・表彰規程の制定、そして一連の恩給法等の改正にも、戦時体制のもとでの教員優遇策の性格をみることができる。また十三年には教員保養所創設費ならびに経費補助規程が制定されて府県における教員保養所の設置が図られ、十六年には教職員共済組合令が制定され教職員の福利厚生がうながされたことなどは、注目すべき施策であった。

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