三 青年師範学校の創設

青年師範学校の制度

 青年学校という勤労青少年のための定時制教育が制度化されたのは昭和十年であるが、そのために必要な教員養成機関としては、同年青年学校教員養成所の制度が設けられ、これを各府県の任意設置としていた。十四年青年学校教育の義務制が実施されたとき、全国に五三校の養成所があったが、その後青年学校教員の需要は増大し、養成所の充実が求められていた。十九年二月師範教育令中改正によって、青年学校教員養成所を官立の青年師範学校として発足させることとなった。官立青年師範学校は師範学校と同じように修業年限三年の専門学校程度の教育機関となり、男子部は職業科(農・工・商・水産の科を分ける。)を主とし、女子部は家事科を主とし、そのほかの学科目をあわせ課することとし、単独にもしくは師範学校と併置して設置された。十九年三月「青年師範学校規程」、同年四月「青年師範学校教授要目」が制定されたが、農業、工業、商業、水産などの職業科に関する学科目を中心とするほかは、師範学校と共通の点が多かった。しかし、官立青年師範学校の成立は戦時下であったため、その施設・設備や教授陣の充実はきわめて困難であった。

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