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第3部   科学技術の振興に関して講じた施策
第1章  科学技術政策の展開
第2節  総合科学技術会議
[2]  総合科学技術会議の活動


 総合科学技術会議は,平成13年1月の設置以来,議長たる内閣総理大臣の出席の下,原則毎月1回開催(平成15年3月までに計26回開催)している。


(1) 科学技術に関する予算,人材等の資源配分の方針

第2期科学技術基本計画(以下「基本計画」という。)に示されているように,総合科学技術会議は,基本計画,分野別推進戦略等を踏まえて,次年度における科学技術に関する施策のうち,特に重点的に推進すべき事項等について内閣総理大臣に意見を述べ,その上で,次年度の重要な施策,資源配分に関する考え方を明らかにし,関係大臣に示すこととされている。さらに,総合科学技術会議において示された考え方を踏まえた資源配分が行われるよう,必要に応じて予算編成過程において財政当局との連携を図ることとされている。

(平成15年度の科学技術に関する予算,人材等の資源配分の方針の作成[平成14年6月19日])

 世界最高水準の科学技術創造立国の実現を目指し,基本計画を着実に実行するため,平成15年度においては,施策の継続性を考慮しつつ,平成14年度に引き続き,科学技術の戦略的重点化(科学技術関係予算において,基礎研究を推進するとともに,ライフサイエンス,情報通信,環境,ナノテクノロジー・材料分野等に重点化)と,研究開発の成果が社会へ一層還元されるよう,科学技術システムの改革(競争的研究資金の改革と拡充,大学の施設整備,産学官連携の推進,地域科学技術の振興,研究開発評価システムの改革等)を行うこととした。

 我が国の経済は,産業の空洞化等により低迷し,失業率が高い水準で推移する等依然厳しい状況にある。これを打開するためには,産業競争力の強化と経済の活性化が喫緊の課題であり,科学技術は,その最も重要な鍵である。平成15年度は,特に,経済の活性化と産業競争力の強化を政策的要請として重視することとした。

(予算編成過程における優先順位付け等)

 総合科学技術会議は,平成15年度予算編成に向けて,真に重要な施策に研究開発資源を重点的に配分した科学技術関係予算の確保を図るため,科学技術政策担当大臣及び有識者議員を中心に,関係府省が概算要求した科学技術関係施策のうち,主要なものについての優先順位受け(SABCの4段階)を行った(平成14年10月18日公表)。

 優先順位付けの結果は次のとおり。

S:90項目(29%)[特に重要な研究課題等であり,積極的に実施すべきもの]
A:129項目(41%)[重要な研究課題等であり,着実に実施すべきもの]
B:66項目(21%)[問題点等を解決し,効果的,効率的な実施が求められるもの]
C:27項目(9%)[研究内容,計画,推進体制等の見直しが求められるもの]

 また,「平成15年度科学技術関係予算の編成に向けて」として,科学技術創造立国実現のための科学技術関係予算の充実に努めること,予算編成及び施策の実施に向け配慮すべきことを取りまとめ,内閣総理大臣及び関係大臣に意見具申を行った(平成14年11月11日)。科学技術の重要性に鑑み,平成15年度予算においては,一般歳出が対前年比0.1%増となる中で,科学技術関係予算については,同1.3%の伸びとなった(うち科学技術振興費については,同3.9%増)。

(平成14年度補正予算〔科学技術関係〕)

 平成14年度補正予算における科学技術関係施策については,民間需要誘発効果や雇用創出効果が特に高く,現下の低迷する経済への即効性が認められるとともに,将来の科学技術の発展を通じて産業基盤の強化にもつながるものが対象とされ,各府省の科学技術関係補正予算総額は3,238億円となった。その取りまとめに当たっては,総合科学技術会議は,関係府省の要求内容を精査した。

(経済活性化のための研究開発プロジェクト)

 我が国の産業界・大学等の英知,技術力,資金力を結集し,府省の枠を超えた協力の下,世界に通用する技術革新を生み出し,それを産業競争力の強化につなげていくことが我が国の経済活性化,ひいては科学技術創造立国の実現の鍵である。

 このため,研究開発で日本の構造改革を進めるべく,今後5年間程度を集中期間として「比較的短期間で実用化が期待されるもの」または「実用化まで比較的長期間を要するものであっても,次代の産業基盤の構築に資することが期待されるもの」について,経済活性化のための研究開発プロジェクトを戦略的かつ同時並行的に立ち上げた。

 平成14年度補正予算及び平成15年度の政府予算で新規に立ち上げた経済活性化のための研究開発プロジェクトの総額は1,327億円となった。


(2) 平成14年度における総合科学技術会議の主な取組

(重点分野における推進方策の検討)

 平成13年度において,基本計画が定める重点化戦略に基づき,ライフサイエンス,情報通信,環境,ナノテクノロジー・材料,エネルギー,製造技術,社会基盤及びフロンティアの8分野について「分野別推進戦略」を作成した( 第3-1-4図 )。この分野別推進戦略を踏まえ,平成14年度において主に取り組んだ事項は以下のとおりである( 第3部第2章第2節 を参照)。

第3-1-4図 分野別推進戦略のポイント(平成13年9月21日)

{1}BT研究開発の推進
 「BT研究開発の推進について」(平成14年12月25日意見具申)
 重点分野推進戦略専門調査会にBT研究開発プロジェクトチームを設置し,バイオテクノロジー(BT)による国民生活の向上や産業競争力の強化を目指す上で,その基盤となる科学技術の推進方策について集中的に調査・検討を行い,関係大臣に意見具申した。また,平成14年12月にBT戦略会議において取りまとめた「バイオテクノロジー戦略大綱」に反映させた。
{2}情報通信研究開発の推進
 重点分野推進戦略専門調査会に情報通信研究開発推進プロジェクトチームを設置し,情報通信による国民生活の向上や産業競争力の強化を目指す上で,その基盤となる科学技術の推進に係る方策について集中的に調査・検討を行っている。
{3}温暖化対策技術に関する研究戦略
 重点分野推進戦略専門調査会に温暖化対策技術プロジェクトチームを設置し,「地球温暖化対策推進大綱」(3月19日地球温暖化対策推進本部決定)で列挙された温室効果ガス削減対策技術に関する研究戦略等について集中的に調査・検討を行っている。
{4}ナノテクノロジー・材料研究開発の推進
 重点分野推進戦略専門調査会に,「ナノテクノロジー・材料研究開発推進プロジェクトチーム」を設け,その研究開発及び産業化推進に向けた環境整備等に関する具体的な方策について調査・検討を行っている。

(評価)

{1}「大規模新規研究開発の評価」(平成14年12月25日意見具申)

 平成15年度に新たに実施が予定されている大規模新規研究開発3課題(再生医療の実現化プロジェクト,準天頂衛星システム,イネ・ゲノム機能解析研究)について,総合科学技術会議が自ら評価を実施した。

{2}「総額約10億円以上の研究開発の評価」(平成14年11月11日決定)

 平成13年9月から平成14年8月までに府省で評価が実施された総額10億円以上の研究開発164課題について,総合科学技術会議が自ら評価を実施した。

{3}「国際熱核融合実験炉(ITER)計画について」(平成14年5月29日意見具申)

 ITER計画が国家的に重要な研究開発であることに鑑み,政府全体でこれを推進するとともに,国内誘致を視野に,政府において最適なサイト候補地を選定し,ITER政府間協議に臨むことが適当と意見具申した。これを受けて,「国内誘致を視野に入れ,協議のために青森県上北郡六ヶ所村を国内候補地として提示して政府間協議に臨むこと」を閣議了解した(平成14年5月30日)。

 ( 第3部第2章第2節5.エネルギー分野(1)原子力の研究,開発及び利用 についてを参照。)

(科学技術システムの改革)

{1}競争的資金制度改革

 「競争的研究資金制度改革について 中間まとめ(意見)」(平成14年6月19日意見具申)

 第2期科学技術基本計画中に競争的資金を倍増し,併せて,運用面や制度の在り方について改革を行うことが必要である。このため,科学技術システム専門調査会に競争的資金制度改革プロジェクトを設置し競争的資金の在り方について検討を行い,公正で透明性の高い評価システムの確立とそのためのプログラムオフィサー等の配置,若手研究者向け資金の拡充,間接経費の拡充等の提言を行い,関係大臣に意見具申するとともに,さらなる改革について,引き続き検討が行われている。

 ( 第3部第3章第1節 を参照。)

{2}産学官連携の推進

 「産学官連携の基本的考え方と推進方策」(平成14年6月19日意見具申)

 科学技術システム改革専門調査会に産学官連携プロジェクトチームを設置し,産学官連携の推進に関する制度改革・規制緩和等を含む具体的方策を調査・検討を行い,関係大臣に意見具申した。

 ( 第3部第3章第2節 を参照。)

{3}研究開発型ベンチャー創出・育成

 科学技術システム改革専門調査会に研究開発型ベンチャープロジェクトチームを設置し,企業,大学等,公的研究機関での研究開発の成果の実用化,事業化を効果的に推進するための具体的な方策について,調査・検討を行っている。

{4}知的財産戦略

 「知的財産戦略について」(平成14年12月25日意見具申)

 我が国全体として,研究開発投資の拡充に対応した成果の創出と確保を図り,国際競争力の強化に結びつけるため,知的財産の保護と活用に関する総合的な戦略について検討を行い,関係大臣に意見具申。また,6月に取りまとめた「知的財産戦略について(中間まとめ)」を知的財産戦略会議に報告し,その内容を「知的財産戦略大綱」に反映させた。

 ( 第3部第3章第6節4.知的財産権制度の充実と標準化への積極的対応 を参照。)

(生命倫理への対応)

 生命倫理専門調査会において,「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」附則第2条に基づき,ヒト受精胚の人の生命の萌芽としての取扱いの在り方について,調査・検討を進めていく。

 ( 第3部第2章第2節1.ライフサイエンス分野(2)生命倫理・安全に対する取組 を参照。)

(宇宙開発利用の推進)

 「今後の宇宙開発利用に関する取組みの基本について」(平成14年6月19日意見具申)

 我が国宇宙産業の国際競争力の強化を図るとともに,宇宙の利用を通じて国民生活の質の向上等に資するため,今後の宇宙開発利用に対する取組の基本等について調査・検討を行い,関係大臣に意見具申した。

 ( 第3部第2章第2節8.フロンティア分野(1)宇宙開発 を参照。)

(日本学術会議の在り方の検討)

 「日本学術会議の在り方について」(平成15年2月26日意見具申)

 中央省庁等改革基本法第17条第9号に基づき,日本学術会議の在り方に関し調査・検討を行い,関係大臣に意見具申した。

 ( 第3部第3章第1節2.主要な研究機関における研究開発の推進と改革 を参照。)

(「知的特区」について)

 平成14年5月の総合科学技術会議において,小泉総理から「知的特区」としての実現を検討するよう指示を受け,地方公共団体からの要望聴取等を行って検討を進め,7月の本会議で,大学,病院,研究機関等に係る硬直的な規制の壁を破るための「知的特区」に関する考え方を取りまとめた。

 また,この議論を受けて,地方自治体の国立大学,国立研究機関への寄付禁止の緩和等,地方財政再建促進特別措置法に関する規制緩和措置が平成14年11月に行われた。

(科学技術振興調整費について)

 総合科学技術会議が,我が国の科学技術に関する施策全体を俯瞰した上で,特に科学技術システム改革に資する施策を重視し,科学技術に関する各府省の施策の先鞭となるもの,各府省ごとの施策では対応できていない境界的・融合的なもの等で,政策誘導効果の高いものに活用する。配分方針の作成等を総合科学技術会議が行い,研究課題の審査・評価等の具体的な配分事務は文部科学省が行う。

(月例科学技術報告)

 科学技術に関する最新情勢を内閣総理大臣に報告し,機動的かつ的確な科学技術政策運営に資するため,「月例科学技術報告」を実施している。具体的には,世界的に注目を集める研究トピックス,主要国の科学技術政策動向等を適時・的確に報告することとしている。


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