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第1部   これからの日本に求められる科学技術人材
第2章  科学技術人材をめぐる内外の動向
第1節  統計データから見る我が国の科学技術人材
[1]  科学技術人材のストックとフロー


(我が国における現状)

 我が国における科学技術人材の現状を見てみる。

 まず,「国勢調査」における職業分類別の就業者数の推移を見ると,研究者や技術者といった科学技術人材のほとんどは職業分類上「専門的・技術的職業従事者」に該当するが,この数は一貫して伸び続けており,また,就業者総数に占める割合も拡大傾向で推移してきていることが分かる( 第1-2-1図 )。

第1-2-1図 職業分類別就業者数の推移

 このように科学技術人材は増えてきているにもかかわらず,厚生労働省「労働経済動向調査」による,製造業の労働者の過不足感の推移を職種別に見ると,最近の経済情勢を反映して全体的に労働者が過剰と回答している職種が多い中で,科学技術人材が含まれる「専門・技術」職については景気の変動の影響が少なく,不足感が継続して高い状態にあり,科学技術人材の需要が高い状況がうかがえる( 第1-2-2図 )。

第1-2-2図 製造業における職種別過不足指数(D.I.)の推移

 我が国の科学技術人材について,ストックとフローの面からさらに詳しく,また,米国を中心として諸外国との比較をしながら見てみる。

(科学技術人材のストック)

 まず,ストックデータである国勢調査による専門的・技術的職業従事者についての詳細なデータである職業分類(中分類)ごとの産業別就業者数を見ると,専門的・技術的職業従事者の中では技術者(約266万人)が最も多く,次いで医師等の保健医療従事者(約235万人),さらには教員(約137万人,うち大学教員が約17万人)が続いている。また,科学研究者( )には約16万人が就業している。産業別に見るといずれの職種においても教育や保健医療サービスなどが含まれるサービス業に就業している割合が最も高くなっており,全体で約4分の3を占めている( 第1-2-3表 )。

第1-2-3表 専門的・技術的職業従事者の産業別就業者数(平成12年)


■注 「国勢調査」における科学研究者(16万1,300人)と従来から本白書で使用している「科学技術研究調査」の研究者(平成13年度で75万6,336人)の数値が異なるのは,次のとおり定義が異なることによる。

 「国勢調査」の科学研究者…「研究所,試験場,研究室などの研究施設において,自然科学・人文・社会科学に関する基礎的・理論的研究,試験,検定,分析,鑑定,調査などの専門的,科学的な仕事に従事するもの。ただし,大学の研究室で講義のかたわら研究等に従事しているものは教員に分類される。」と定義されており,研究という行為ではなく,研究に従事する場所で区分されている。

 「科学技術研究調査」の研究者…「企業,研究機関,大学等において,大学(短期大学を除く)又はこれと同等以上の専門知識を有するもので,特定のテーマをもって研究を行っている者。」と定義されており,従事する場所(=機関)に関係なく,研究という従事内容で区分している。このため,国勢調査における「技術者」,「教員」(特に大学教員)の一部もここに含まれていると考えられる。

(研究者のストック)

 科学技術人材の中でも,特に知の創造の源泉となる研究者について,総務省の「科学技術研究調査」をもとに見ると,我が国は研究者数では主要国の中では米国に次ぐ位置を占めており,人口及び労働者人口1万人当たりの研究者数では主要国中最も多く,量的には世界最高水準にある( 第1-2-4表 )。

第1-2-4表 主要国における科学技術人材

 科学技術人材のストックを主要国間で比較すると,我が国の場合,研究関係従事者については研究者と同様,人口及び労働力人口1万人当たりの数が最も多く,量的に充実している一方で,技術者等を含む「専門的・技術的職業従事者」の就業者総数に占める割合では,同じ国際職業分類を用いている米国と比較しても低くなっている。

(科学技術人材のフロー)

 次にフローのデータとして,科学技術人材の中でも特に高度な知識・技術を有する研究者・技術者等の科学技術人材の養成機関である大学(自然科学系)の卒業者数について見ると,我が国の平成14年3月の学部・大学院卒業者数は約22万人となっており,米国と比べると半数であるものの,人口1万人当たりの卒業者数で見るとほぼ同じである。しかしながら,我が国の場合は米国と比較すると修士以上の割合が低くなっており,米国の方が高学歴化が進んでいる( 第1-2-5表 )。

第1-2-5表 大学卒業者数の日米比較

 我が国の自然科学系の大学・大学院卒業生の産業別就職先を見ると,学士卒業者の就職先としては,近年,製造業からサービス業に移行してきており,一方,修士の場合には工学を中心として依然として製造業に多数が就職している。なお,博士課程卒業者ではサービス業(教育,特に大学教員)が多くなっている( 第1-2-6表 )。

第1-2-6表 学位別卒業者の産業別就職者数(日本)

 また,職業別就職者数についてはおおよその日米比較が可能となるが,研究者・技術者への就職について,我が国の専門的・技術的職業従事者のうち研究者・技術者・大学教員になっている割合と米国において科学者・技術者になっている割合を見ると,学士・修士ともに我が国の方が研究者・技術者に就く割合が米国より高くなっている。米国では,特に学士レベルでは管理,販売,マーケティング等の科学技術に直接関連しない職種にも幅広く就業している。一方,博士になると研究者・技術者に就く割合は逆転し,米国のほうが高くなっている( 第1-2-7表 )。

第1-2-7表 学位別卒業者の職業別就職者数(日米比較)


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