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2 子どもの安全・安心な居場所づくりの支援 −地域の大人の力を合わせて−

 第1節や本節で先に述べた地域の教育力の低下などの問題を受け,心豊かでたくましい子どもたちを社会全体でははぐくむために,文部科学省では,平成16年度から3か年計画で緊急かつ計画的に,安全で安心して活動できる子どもたちの活動拠点を支援する「地域子ども教室推進事業」を展開しています。具体的には,地域の大人の協力を得て,放課後や週末を活用し,全国の学校・公民館・児童館などで,様々な体験活動や地域住民との交流活動などを行う“子どもの居場所づくり”を支援しています。
 本事業の開始初年度である平成16年度は全国約5,400か所(実施市町村数:約1,460)で実施され,17年度は全国約8,000か所(実施市町村数:約1,540)で実施されています。着実に広がりを見せる子どもの居場所ですが,更なる事業内容の充実,安全面の確保,そして各地域での今後の継続的な実施において必要不可欠なのは,“地域の大人の協力”です。

(1)地域の大人で支える子どもの居場所
 「地域子ども教室」には,PTA関係者,退職教員,大学生,青少年・社会教育団体関係者など,様々な地域の大人が指導員などとして配置されており,そこで繰り広げられる活動も全国各地で様々です。読み聞かせや読書,メンコや竹とんぼなどの昔遊び,野球・サッカーなどのスポーツ教室などがあります。自宅で一人,テレビゲームなどをして遊んでいた子どもたちが,「地域子ども教室」に参加することで,たくさんの仲間や近所の人たちと思い切り遊ぶことができ,知らず知らずのうちにたくましく成長しています。実際,「地域子ども教室」実施後は,参加者の子どもたちの表情は豊かになり,活発に活動する姿が多くなったという声が寄せられています。例えば,青森県子ども地域活動推進協議会が行った,スタッフとして活動する地域住民に対する調査では,「子どもの交友関係が地域子ども教室での活動を通して,広がっている」という項目に対し,8割以上の指導員が「そう思う」,「どちらかといえばそう思う」と回答しています。
 また,子ども同士だけでなく,そこに大人が加わることで,礼儀などの社会ルールが自然に身に付く効果が期待されます。参加する大人は,指導員といっても子どもたちに対して何かを教えるということに限りません。活動を通じて,自然に子どもたちと一緒に感動したり考えたりすることになり,こうした時間と空間を共有することは,子どもたちのみならず,大人にとっても大変有意義なものです。
 このように培われた子どもと大人の関係は「地域子ども教室」以外の場面においても変化をもたらしています。その一つの例が地域における日頃の“あいさつ”です。「地域子ども教室」が始まってからは,街中で会うと子どもの方から“あいさつ”をしてくれるようになったと好ましく感じている大人が増えています。

▲地域の大人と竹てっぽう作り(福島県田村市(旧大越町))

(2)地域で守る子どもたちの安全と安心
 「安全」と「安心」が確保されて初めて,子どもたちの居場所は地域に根付くことになります。文部科学省では,各学校でより具体的な安全確保の取組を推進するため,平成16年1月に「学校安全緊急アピール」を,また,17年3月には「学校安全のための方策の再点検等について―安全安心な学校づくりのための文部科学省プロジェクトチーム第一次報告―」をそれぞれ策定し,公表しています(参照:本章第4節4)。「地域子ども教室推進事業」においても,健康管理,不審者侵入対策,災害対策,施設周辺の危機管理の4点において留意点をまとめた,「地域子ども教室推進事業安全管理マニュアル(※子どもの居場所づくりホームページへリンク)を16年5月に作成しました(ホームページ参照)。なお,「地域子ども教室」は全国各地で実施場所や実施形態等が異なることから,本マニュアルでは事業を実施する上での基本的事項を中心に記述するにとどめることとし,これを参考に,各地域の実情に応じたマニュアルを作成するようお願いしています。
 このように「地域子ども教室」を実施するに当たって,安全対策に万全を期しつつ,地域の大人が子どもたちを見守る雰囲気が地域で醸成されることが重要です。「地域子ども教室」に参加することで,同じ地域に住んでいる子どもたちの顔や名前がわかるようになり,また,大人同士にも新たな“つながり”が生まれることで,地域の人々の輪が大きく広がっていくことが期待されます。そして,地域の大人の目が子どもたちにきめ細かく向けられることにより,子どもたちが犯罪などに巻き込まれることを未然に防ぐことにもなります。

▲作成された安全管理マニュアルの例

(3)未来を創(つく)る子どもたちのためにできること
 昨今,子どもたちが悲惨な事件の被害者に,そして,時として加害者になり,社会の耳目を集めるケースが続発しています。このような現状の下,未来の日本を創る子どもたちのために,私たちができることは何でしょうか。その答えを考える際には,まず,私たちにとって身近な社会である“地域”に目を向けることが必要です。私たち一人一人が地域に生きる者として,子どもたちが,のびのび,いきいき輝けるような環境を作っていくこと,そのためには特別な知識や技術は必要ありません。子どもたちのためにできることからまず第一歩を踏み出すこと,そのことが“今”求められているのです。

※「地域子ども教室推進事業」の事業内容や,安全管理マニュアルなどの資料については,「子どもの居場所づくり」ホームページ(※子どもの居場所づくりホームページへリンク)に掲載しています。

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