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第2部   文教施策の動向と展開
第1章  生涯学習社会の実現へ
第4節  生涯学習とボランティア活動
2  ボランティア活動の支援・推進方策


文部省では,生涯学習の振興の観点からボランティア活動の支援・推進を図るため,青少年から高齢者に至るあらゆる層の人々を対象に,各種の施策を実施していますが,「教育改革プログラム」においても,ボランティア活動の促進のための各種施策に積極的に取り組むこととしています。


(1) 学校におけるボランティア教育の推進

小・中・高等学校においては,他人を思いやる心を育てるとともに,生活体験が希薄化している子どもたちに勤労の尊さを認識させ,社会に奉仕する精神をはぐくむために,地域の清掃活動,高齢者福祉施設における奉仕活動などのボランティア活動が行われてきています。

新しい学習指導要領では,「総合的な学習の時間」や道徳,特別活動などの中で,ボランティア活動などの体験活動を行うことを明示し,学校教育におけるボランティア活動をより一層充実させる内容としています。また,高等学校においては,平成10年3月に関係省令を改正し,ボランティア活動などを含む学校外での多様な活動を,校長の判断により,単位として認定することができるようになりました。

このほか文部省では,平成12年度から,家庭や地域の協力を得て,ボランティア活動などの道徳性を養うための体験活動を行う「道徳教育体験活動推進事業」を実施しています。

大学については,(財)内外学生センターにおいて,ボランティア情報コーナーを開設してボランティア情報を提供するなど,学生ボランティア活動に対する支援を行うとともに,一部の国立大学においては,ボランティア養成カリキュラムの開発,講座などの開設及び情報提供・相談援助窓口の設置などの事業や,幼児・高齢者との交流や保育・介護の体験活動を行う「高校生等保育・介護体験総合推進事業」を実施しています。

また,平成11年3月に取りまとめられた「学生のボランティア活動の推進に関する調査研究協力者会議」の報告書では,(i)正課教育における評価の在り方,(ii)学内における情報提供・相談体制の整備,(iii)ボランティア養成講座などのプログラムの提供,(iv)大学と受入機関,ボランティア団体,地域行政との連携の強化など,大学における今後の推進方策が提言されています。


(2) 生涯学習ボランティア活動などの支援・推進

生涯学習振興の観点から,ボランティア活動の一層の支援・推進を図るため,平成12年度から,まだボランティア活動を始めていない人々を対象に,活動への参加を呼びかける「生涯学習ボランティア推進フォーラム」を開催しています。

また,国立婦人教育会館に「全国ボランティア情報提供・相談窓口」を開設し,これからボランティア活動を始めようとする人々に対し,電話やインターネットなどを利用した情報提供・相談事業を実施しています。

さらに,地域におけるボランティア活動を総合的に推進するため,新たに,ボランティア活動を希望する者の所有する資格や趣味,特技などを登録する制度を設けるとともに,地域におけるボランティア活動の推進拠点となる生涯学習ボランティアセンターを開設したり,ボランティアコーディネーターの資質向上を図るなど,ボランティア活動推進の中核的役割を果たすコーディネイトシステムの整備充実を図る事業を実施する都道府県に対し,助成を行っています。

また,国立オリンピック記念青少年総合センター,国立青年の家及び国立少年自然の家では,ボランティア活動に積極的に参加できる機会や場の整備などを図るとともに,ボランティア活動に対する関心を高めるため,指導者の養成や研究協議会を開催するなど青少年ボランティアを育成するための事業を実施しています。

そのほか,青少年などの理工系分野に対する興味・関心を喚起するため,大学・高等専門学校の教員,企業の研究者などの希望者についてサイエンス・ボランティアとして登録しその情報を科学系博物館や青少年教育施設などへ提供しています。

また,平成12年6月の生涯学習審議会中間まとめ「新しい情報通信技術を活用した生涯学習の推進方策について」においては,すべての人々が情報リテラシーを身に付けることが大切であり,そのために,情報ボランティアに活用することが必要であるとしています。具体的には,人材の登録を促進し,情報ボランティアを必要とする団体や施設などに対してその情報を提供するとともに,情報リテラシーに関する講座を多く設け,情報ボランティアの養成を図る必要があるとしています。

生涯学習審議会中間まとめの写真


(3) 生涯学習の成果を「ボランティア活動」に生かす

平成11年6月の生涯学習審議会答申「学習の成果を幅広く生かす」においては,ボランティア活動が生涯学習と密接に関連していることから,人々のあらゆる場における学習活動を振興することが必要であり,学習によって得た知識や技術などの成果を積極的にボランティア活動に生かすことができるような社会的なシステムを構築するなど,様々な施策を講じることが求められるとして,次のような方策を提言しています。

まず,ボランティア活動についての自己評価を促進するため,大学・高等学校の入学者選抜においては,例えば推薦入学におけるボランティア活動の積極的な評価を行うなど広くボランティア活動の経験を評価するよう求めています。企業においても,例えばボランティア活動の経験を評価して採用する枠を設けるなど積極的な評価が望まれます。

また,教員が学生のボランティア活動の現場に居合わせていないために学生のボランティア活動に対する評価が難しいという課題を解消し,高等学校,大学においてボランティア活動の単位認定を促進するため,受入団体の協力を得ながら学生の活動そのものについて評価する方法などを研究することが必要です。

さらに,ボランティア活動に参加する動機付けを促進し,希望に沿った活動に結び付ける機会を提供するための施策を推進する必要があるとしています。


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