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第1部   文化立国に向けて
第4章  海外の文化行政
第2節  アメリカの文化行政
2  芸術文化の振興



(1) 米国芸術基金(NationalEndowmentfortheArts)

1965(昭和40)年に大統領直轄の独立した法人として設立された米国芸術基金は,そのプログラムを通じ芸術文化の振興,アメリカの芸術遺産の保持,国民への芸術機会の提供拡大を図ることを目的とし,芸術団体によって実施されるプロジェクトや芸術にかかわる地方政府機関などに助成金を支出しています。補助金の交付の審査に当たっては,行政に判断・評価をゆだねるのではなく,芸術分野における広範で専門的知識を有する民間の芸術家,専門家などにより,民意の反映が図られています。米国芸術基金の財源は,連邦政府の予算と民間からの寄附で賄われていますが,2000(平成12)年度の予算は9,760万ドル(105億4,080万円)となっており,その40%は州などの芸術協議会(アーツカウンシル)に配分されています。


(2) スミソニアン機構

スミソニアン機構(Smithsonian Institution)は,1926(昭和2)年にイギリス人ジェームズ・スミソンにより遺贈された資産により,アメリカ議会の立法に基づいて1946(昭和22)年に創設された独立の機関(Establishment)です。同機構は,人類の知識の増進と普及を目的として,16の博物館・美術館や国立動物園,研究所などで構成されており,美術,科学,歴史など幅広い分野の調査研究活動,展示,実演など公共サービス,収集などの活動を行っています。スミソニアンの歳入は連邦政府の拠出金と,その他民間からの寄附金,政府機関からの契約金などから構成されており,1996(平成8)年度における連邦政府からの拠出金は3億1,850万ドル(343億9,800万円)となっています。

ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(National Gallery of Arts)は,1937(昭和12)年に当時の資産家であったアンドリュー・ウイリアム・メロンによる資金とアートコレクションの寄贈により設立されました。スミソニアン機構の傘下ではありますが,独立の連邦政府機関として,連邦政府の直接の予算配分を受けており,内外の美術品の展示,芸術教育などを行っています。

このほか,連邦政府では,1996(平成8)年に設立された米国芸術・人文科学財団の独立組織である博物館・図書館援助機関(Institute of Museum and Library Services)が様々な博物館,美術館などに対して運営費などの支援を行っています。


(3) 民間による芸術助成

前述のとおり,アメリカの文化活動の大きな部分は民間からの寄附によって支えられています。アメリカの非営利団体である「American Association of Fundraising Counsel」の推計によると,1999年度の民間寄附の総額は1,902億ドル(19兆4,004億円)となっており,これは,アメリカのGDPの約2.1%に当たります。これらの寄附のうち,その約8割が個人からの寄附,約1割が財団からの寄附となっています( 図1-4-1 )。そのうち,芸術文化への寄附は,全体の5.8%である110.7億ドル(1兆1,291億円)となっています。


これらの寄附を奨励・助成するために,寄附を受ける芸術団体,芸術に寄附をする財団,企業及び個人の双方に各種の税制上の特例措置が講じられており,非営利芸術団体は原則として法人所得税,固定資産税,売上税などが免除されています。また,財団,企業,個人については寄附相当額を課税所得より控除することができます。


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