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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第11章  新たな時代の文教施設を目指して
第2節  未来を拓く教育・研究環境の創造
2  教育・研究環境の高度化・多様化の推進


文部省では,国立学校施設を取り巻く様々な課題に適切に対応するため,前述の調査研究協力者会議の提言を踏まえ,次のような観点で高度な機能を備えた多様性のある教育研究基盤の改善・充実のための施策を推進している。


(1) 高度な教育研究基盤の整備
1) 大学改革への対応整備

教育・研究の高度化・多様化,情報化,国際化の進展,生涯学習ニーズの高まりなど大学を取り巻く環境の著しい変化を踏まえ,各大学においては,自らの教育理念,目的に基づき,特色ある発展を遂げるため,独立研究科をはじめとする多様な形態の大学院の新設,4年一貫のカリキュラム編成や従来の学問分野にとらわれない学際的,総合的な学部,学科の改組,新設などの大学改革が進められている。

これらの改革に伴い,既存の組織や学問分野の垣根を越えた学際的,総合的分野における教育研究活動に対応した施設の複合化や学内共同利用スペースの確保を図るなど施設に弾力性・流動性を備えることによって,教育・研究内容の変化,新たな機構・組織に対応した施設整備を進めるとともに,学内LAN等の整備を進め,高度な教育・研究活動を積極的に展開するための施設づくりを進めている。

また,高等専門学校については,技術の進歩,産業構造の変化を背景とした社会的要請を受け,専攻科の設置や学科の新設・改組が進められており,これらに伴う施設整備を進めている。

学科改組等大学改革への対応(大阪大学医学部保健学科校舎)

大学院重点化等大学改革への対応(愛媛大学工学部1号館)


2) 独創的・先端的な学術研究の基盤整備等

我が国が世界に貢献し,国際的な責任を果たしていくためには,国際的評価に耐え得るような基礎的研究を推進するとともに,研究内容の多様化,複合化等の学術研究の新たな展開及び発展に積極的に貢献していくことが強く期待されている。

これらの基盤となる施設として,基礎研究推進のための施設,最先端の学術研究を推進する卓越した研究拠点(COE)施設,ベンチャービジネスの萌芽を促す独創的な研究開発の推進と創造的な人材養成を目的としたベンチャー・ビジネス・ラボラトリー及び地域の産業界との緊密な連携を図り,地域産業界との共同研究を進めるための地域共同研究センターの整備を進めており,これらの施設におけるプロジェクト型教育研究活動を支援し弾力的・流動的に使用できるスペースの確保などに努めている。

また,近年の学術研究の高度化,多様化の進展から学術研究の国際性が強く認識され,国際協力・交流の必要性と重要性が増加しつつあり,このため,我が国の国際交流促進の観点から,外国人留学生や外国人研究者の増加に対応できるよう,国際交流会館等の整備を着実に進めている。


(2) 高度化・多様化する教育研

究に対応する施設への再生我が国の国立学校は,平成11年5月現在約2,300万m↑2↑に及ぶ建築面積の施設を保有している。これらの建物のうち,一般的に改修等が必要とされる建築後20年以上を経過した建物が全体の約57%を占めており,老朽化や機能の劣化が進行している。

学術研究基盤の整備(東京大学宇宙線研究所)

卓越した研究拠点の整備(鳥取大学乾燥地研究センター実験施設)

図2-11-3 国立学校建物経年別保有・改修済面積

また,高等教育の進展に伴う大学院生や留学生の増加,各種研究設備の増加,大型化等に伴う施設の狭隘化が進行している。平成8年7月に閣議決定された科学技術基本計画においては,国立大学等の老朽・狭隘化した施設を計画的に改善していく必要があると述べられている。

文部省では,施設の老朽・狭隘化を解消し,高度化・多様化する教育研究にふさわしい機能を備え,人間性,文化性にも配慮したゆとりと潤いのある施設に再生するため,使用形(改修前)

既存施設のリニューアル(九州工業大学附属図書館)

既存施設のリニューアル(北海道大学薬学部管理・研究棟)

態の見直しや既存施設のリニューアルと増築を組み合わせた一体的な整備等を進めるとともに,将来にわたる教育研究の変化へ柔軟に対応できる施設計画とするなど,長期間施設を有効活用できる施設の整備を図っている。

また,安全性を確保する観点から,施設の耐震診断,耐震補強等を行い,耐震性の確保に努めている。

さらに,高度化・多様化する教育・研究に必要なスペースを確保するため「施設基準面積」の改定【用語解説】を行っている。


(3) 先端医療に対応した大学病院の整備

国立大学の附属病院は,先進医療のパイオニアであるとともに,臨床医学の教育研究の場,地域における医療の中核としての役割を果たしてきた。

しかしながら,近年の医学の進歩に伴う医療の専門化・高度化に施設機能の対応が困難に-用語解説-


〈「

施設基準面積

」の改定〉国立学校の施設基準面積は,教育研究環境の一定の水準を確保するために定められている。この施設基準面積を,社会の要請や教育・研究の進展に対応するため,平成6年度より,大学や高等専門学校の校舎,附置研究所・附属研究施設,研究者交流施設等について,順次改定を行っている。

なるとともに,医用機器の増大,社会の変化に伴う患者数の増加によりその施設は狭隘となり,教育・研究,医療活動,病院の管理運営に支障をきたしている。

また,戦前若しくは昭和30〜40年代に建築された施設が多く,老朽化や機能の劣化が進行している。

これらの老朽・狭隘化した大学病院を,最新の教育・研究・医療の実態及び進展を踏まえ,21世紀を見通した先進医療を行うことができる病院とするとともに,患者にとって快適な病院に再生するため,16大学において再開発整備を進めている。

附属病院の再開発(名古屋大学附属病院病棟)


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