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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第11章  新たな時代の文教施設を目指して
第1節  快適で豊かな文教施設づくり
2  特色ある文教施設づくり



(1) 学校施設整備指針等の策定

学校施設は,子どもたちが生き生きと学習や生活を行うことのできる豊かな施設環境を確保し,教育内容・方法の多様化への対応など学校教育を行う上で必要な施設機能を備えることが必要である。

文部省では,このような施設の整備を推進するため,各学校種別ごとに,学校施設整備指針を策定し,基本的な整備の方針や校舎,体育施設,屋外環境など学校施設全般にわたる計画・設計上の基本的な留意事項を示している。

また,この学校施設整備指針に加え,具体的な教育内容等の変化に対応した施設整備の方策や留意点をまとめた手引書として,「生活科のための施設・環境づくり」,「外国語教育のための施設・環境づくり」,「学校開放のための施設・環境づくり」を発刊している。

なお,平成11年度からは,学習指導要領の改訂による新しい教育課程への移行に対応するため,順次,学校施設整備指針の改訂に取り組んでいる。

地域社会の拠点として複合的に整備された学校施設―市民センター(社会教育施設)との複合化―青森県青森市立古川小学校(平成8年1月完成)

1階 平面図



(2) 文教施設のインテリジェント化の推進

「インテリジェント・スクール」は,臨時教育審議会の答申において提言された構想で,高度の情報通信機能と快適な学習・生活空間を備え,かつ地域の学習・情報活動の拠点として,その機能を最大限有効に活用できるよう整備された文教施設のことである。

文部省では,今後の文教施設の整備方策について取りまとめた報告書「文教施設のインテリジェント化について」(平成2年3月)に基づき,具体的な整備の企画・構想を策定するパイロット・モデル研究を地方公共団体等に委嘱して実施するなど,その推進に努めている。

さらに,平成8年7月,中央教育審議会の第一次答申において,学校,家庭,地域社会における教育環境の充実と相互の連携の必要性等が提言されたことを受け,9年度からは,これらの課題に対応したパイロット・モデル研究を実施している。


(3) 学校施設の複合化及び地域との連携

学校施設の複合化とは,1)地域における総合的な生涯学習基盤の整備,2)学校教育の活性化を促すための学校教育環境の質的な向上,を目的として学校と他の施設とを複合的に整備することである。

近年の都市化の進展に伴う市街地密度の高まりの中で,学校と福祉施設等様々な地域施設との複合化や学校施設の高層化が進行していることを受け,文部省では,これら都市化に伴う諸課題に関する調査研究を実施し,平成9年10月1「合化及び高層化に伴う学校施設の計画・設計上の配慮について」を取りまとめた。また,同年6月,中央教育審議会第二次答申において,高齢社会に対応する教育を推進することが提言されたことを受け,高齢者との連携に対応する学校施設の在り方について調査研究を実施し,11年6月「高齢者との連携を進める学校施設の整備について―世代を越えたコミュニティの拠点づくりを目指して-」を取りまとめた。この中で,今後の学校施設の整備について,地域の高齢者との円滑な交流を進めるために必要な計画・設計の基本方針を示すとともに,日常的な交流を前提とした高齢者福祉施設等との複合化についても積極的に推進することとしている。


(4) 余裕教室の活用

近年,少子化による児童生徒数の減少等に伴い,都市部を中心に余裕教室が生じてきており,平成10年5月1日現在で,全公立小・中学校の普通教室の9.6%に当たる約4万7,000教室が余裕教室となっている。

この余裕教室については,これまで学校になかった“ゆとり”のスペースとして,特別教室や心の教室などの児童生徒のためのスペースや地域への学校開放などのスペースとして活用されるほか,各地域の実情に応じ,社会教育施設,防災備蓄倉庫,老人デイサービスセンターなど学校以外の施設への転用が図られている。

文部省では,平成5年4月に「余裕教室活用指針」を策定したほか,9年11月に,余裕教室等を学校以外の施設に転用する場合の財産処分手続を改正し,簡素化・明確化を図った。

また,平成9・10年度に学校施設の有効活用に関する調査研究を実施し,学校教育以外の施設への転用の実態の調査,転用に関する留意事項及び転用事例を取りまとめ発刊したほか,10年3月には厚生省と連携して,余裕教室の社会福祉施設等への転用事例のパンフレットを,11年1月には余裕教室を新たな学校施設への活用を図るためのパンフレットを作成し,全国の教育委員会等に配布し,周知を図るなど,各設置者における積極的な取組を促している。


(5) 学校施設の情報化

文部省では,近年の急速な情報化の進展に対応した文教施設の整備を推進するため,次のような施策を実施している。


1) 小・中・高等学校における情報化

小・中・高等学校にコンピュータ学習スペースを整備するための参考資料として「コンピュータ学習スペース設計資料」,「コンピュータ学習用家具の手引」を作成し,都道府県教育委員会等に通知している。

また,公立小・中学校のコンピュータ教室の整備については,従来から補助を行っているが,平成9年度からは,児童生徒の情報活用能力を一層育成するため,モデル的整備としてコンピュータ教室以外の特別教室や普通教室にコンピュータを分散配置する場合についても補助対象としている。


2) 国立学校におけるネットワーク

国立大学等においては,ATMネットワークシステム( 第6章第5節1参照 )の導入を進めており,平成10年度までに76大学等に整備した。

国立大学病院については,従来から医療事務の電子化を進めてきたが,さらに,最近の医療の高度化に対処するため,平成7年度から医療情報ネットワークの高度化を推進することとし,10年度までに,名古屋大学附属病院をはじめ29大学の附属病院で整備を行っている。

また,近年の情報通信・情報処理技術の著しい発展に伴い,教育や学術の分野においてもマルチメディアの利用推進が求められていることに対応するため,調査研究協力者会議が「高度情報化に対応した国立文教施設の在り方についてーマルチメディアへの対応-(報告)」を取りまとめ国立学校等へ送付した。この報告書では,施設整備におけるマルチメディアへの対応に関する基本的な考え方,施設の質的水準及び施設の整備に関する留意点を示している。

保護者、地域住民との交流

多様な学習に活用されるコンピューター学習スペース


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