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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第9章  教育・文化・スポーツの国際化に向けて
第4節  相互理解を進める国際交流
4  文化の国際交流・協力


文化の国際交流・協力は,我が国の文化の発展に役立つのみならず,諸外国との相互理解を深めるためにも極めて重要である。特に近年,世界の人々の日本文化に対する関心が高まってきており,日本に対する理解の増進を図るとともに,日本が文化面でも世界に貢献するために,国際的な文化交流を積極的に進めることが必要である。このため文化庁では次のような事業を行っている。


(1) 芸術文化交流

芸術家の交流については,「芸術フェローシップ」を実施している。舞台芸術交流については国際芸術交流推進事業として,海外フェスティバルへの参加等の海外公演の推進や,国際フェスティバルの開催への支援などの事業により,国際的な芸術活動の推進に努めている。

また,芸術祭の一環として,アジアから現代舞台芸術団体などを招へいして,我が国の芸術団体と共演する「アジア・アート・フェスティバル」を国際交流基金と共催で平成8年度から実施している。青少年及びアマチュアの国際交流については,「国民文化国際交流事業」として,地域文化の振興を目的としたアマチュア文化団体や高校生などの相互交流を実施している( 第8章第2節参照)。


(2) 文化財保護に関する国際交流・協力
1) 在外日本古美術品の修復

従来から,外務省等と協力して,スミソニアン研究機構・フリーア美術館をはじめとするアメリカの美術館所蔵の日本絵画について,文化庁に設置された在外日本古美術品保存修復協力委員会の指導の下に修復協力を進めてきている。

平成8年度からは,ヨーロッパの日本古美術品を対象とした修復事業を行っているほか,9年度からは,絵画に加え,新たに工芸品も対象とし,修復事業を展開している。


2) 海外の文化遺産の保護への協力

文化庁では,平成2年度から,アジア・太平洋地域の文化財建造物の保存・修復に対する技術協力を実施しており,11年度は,ベトナムの町並み保存,ブータンの歴史的建造物の台帳作成作業,インドネシアの伝統的な木造建築物の基礎調査等に対する技術援助を行うとともに,相手国の技術者等を招へいしての研修を行う。

東京国立文化財研究所では,中国の敦煤における文化遺産の保存修復に関する研究協力のほか,文化財の保存修復技術に関する共同研究や国際シンポジウム・セミナー等を行うとともに,平成11年度は漆についての国際修復研修事業を行う。

奈良国立文化財研究所では,カンボジアのアンコール文化遺産の保護に関する研究協力として,カンボジア人の研究者を日本に招へいして保存修復・環境整備等を中心とする共同研究を行っているほか,アジアにおける古代都城遺跡の保存に関する研究を行っている。

さらに,我が国は,政府間国際機関である文化財保存修復研究国際センター(IC-CROM)に加盟し,国際的な研究事業等に協力を行っている。

また,平成10年7月に取りまとめられた,アジア太平洋地域の世界文化遺産の保護に関する国際協力の在り方に関する調査研究の報告を踏まえ,11年度からはアジア太平洋地域の世界遺産等の文化財保護に関する国際協力の充実強化を図るため,奈良県及び奈良市の協力を得て,(財)ユネスコ・アジア文化センターに文化遺産保護協力事務所を設置した。この事務所においては,世界遺産をはじめとする遺跡等の保護を主な対象とし,データベースの構築等の海外への情報発信,アジア太平洋地域の文化財保護担当者の研修,国際会議の実施を主な目的としている。


3) 海外展

文化庁は,従来から諸外国において,日本の歴史や文化に対する理解を深めるため,国宝・重要文化財を含む大規模な展覧会を開催しており,平成11年度は,1)ケルン東洋美術館(ケルン)において,「大仏の光の中で;奈良・東大寺の宝物」展,2)メトロポリタン美術館(マニラ)において「現代日本の伝統工芸」展をそれぞれ開催する。

また,平成5年度から我が国と諸外国の博物館・美術館との交流を活発にするため,それぞれが所蔵する日本古美術品・東洋美術品を中心とする「博物館等海外交流古美術展」を実施している。11年度は中国の香港芸術館の所蔵品の展覧会を東京国立博物館で開催し,12年度は東京国立博物館の所蔵品の展覧会を中国の香港芸術館で開催する。


4) 国際民俗芸能フェスティバル

平成8年度から,国内の民俗芸能と外国(主にアジア)の民俗芸能が一堂に集まって公演する「国際民俗芸能フェスティバル」を行っている。11年度は,青森県と山梨県の2か所で開催した。


5) 地方公共団体における国際交流の支援

文化庁では,平成8年度から,自治省及び(財)自治体国際化協会が行う「自治体職員協力交流事業」に協力し,地方公共団体が受け入れる諸外国の文化財保護行政担当者,遺跡発掘技術者,博物館・美術館の専門職員等に対する研修を行っている。


(3) 世界遺産
世界遺産「東大寺」

「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(いわゆる世界遺産条約)は,文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として,損傷,破壊等の脅威から保護し,保存するために,国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的として,昭和47年の第17回ユネスコ総会において採択された。我が国は平成4年に同条約を締結し,11年7月現在,締約国は157か国となっている。

世界遺産条約に基づき,ユネスコに設置される世界遺産委員会(締約国から選出された21か国で構成)が,自己の定めた基準に照らして顕著な普遍的価値を有すると認められる文化遺産及び自然遺産を世界遺産一覧表に記載するとともに,世界遺産の保全状況の審査や世界遺産基金による国際的援助の審査などを行う。10年12月現在,世界遺産一覧表に記載されている遺産の数は,582件(文化遺産445件,自然遺産117件,両者に該当するもの20件)であり,我が国の世界遺産は表( 第1編第2部Q& AQ51参照 )のとおりである。

我が国は,平成5年から世界遺産委員会の構成国を務め,10年11月30日から12月5日に京都市で開催された第22回世界遺産委員会では議長国に選出された。

現在,我が国から「日光の社寺」と「琉球王国のグスク及び関連遺産群」を世界遺産に推薦しており,「日光の社寺」は平成11年12月にモロッコ(マラケシュ)で開催される第23回世界遺産委員会で,また「琉球王国のグスク及び関連遺産群」は翌年の世界遺産委員会(開催地未定)で登録の可否が決定される予定である。

世界遺産「平城宮跡」

世界遺産「春日山原始林」


(4) 著作権に関する国際協力

我が国では,世界知的所有権機関(WIPO)等における新条約策定作業等へ積極的に参画するとともに,途上国を対象とした協力事業として「アジア地域著作権制度普及促進事業(APACEプログラム)」,「アジア地域著作権専門家招致事業」,「アジア・太平洋著作権・著作隣接権セミナー」,「権利の執行に関する協力事業」,「JICA研修コース(著作権制度整備)」等の事業を展開している。


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