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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第9章  教育・文化・スポーツの国際化に向けて
第1節  国際化に対応した文教施策


インターネットの世界的普及をはじめとする情報通信革命や移動手段のますますの発達等によって,世界は実質的に一段と狭くなってきており,また,国際社会における人・物・情報の流れはその速度と密度を増している。さらに,環境問題をはじめとする地球的規模の課題に各国が一致協力して取り組むことの重要性がますます高まっている。このように,世界が急激に国際化するとともに国境を越えた相互依存の様相を強める一方で,大競争時代と呼ばれるように,世界経済における競争や摩擦が激化するなど,我が国を取り巻く国際環境には厳しいものがある。国民一人一人のレベルにおいても,諸外国の人々や文物との直接的・間接的な接触の機会が一段と増大し,外国の異なる文化がより身近な存在になりつつある。

このような国際化の時代にあって,世界各国と共生しつつ我が国の経済・社会の一層の発展・成熟を期するとともに,国民が各国の人々と物質的のみならず精神的にも豊がな生活を分かち合うためには,以下に述べる三つの課題への取組を強化し,国際化に対応した文教施策の展開を図っていく必要がある。

第一の課題は,日本人としての自覚とともに国際的な視野と経験を身に付け,21世紀の国際社会の中で主体的に生きる日本人を育成していくための諸施策を充実することである。平成8年7月の中央教育審議会第―次答申は,第3部第2章「国際化と教育」において,以下のような点に特に留意して教育を進める必要があると提言している。

1) 広い視野を持ち,異文化を理解するとともに,これを尊重する態度や異なる文化を持った人々と共に生きていく資質や能力の育成を図ること
2) 国際理解のためにも,日本人として,また,個人としての自己の確立を図ること
3) 国際社会において,相手の立場を尊重しつつ,自分の考えや意思を表現できる基礎的な力を育成する観点から,外国語能力の基礎や表現力等のコミュニケーション能力の育成を図ること

第二の課題は,諸外国の人々とお互いの文化,習慣,価値観等を理解し合い,信頼関係を築いていくために,教育・学術・文化・スポーツの分野での国際交流を一層推進することである。これらの分野における国際交流は,国,地方公共団体,民間団体等により,様々な形態で行われている。政府レベルでは,既に50か国近い国との間で文化協定,文化取極等が交わされており,留学生交流,相手国言語教育の普及,研究者交流,スポーツ・文化交流等の促進が図られてきている。

第三の課題は,我が国の国力と国際社会における地位にふさわしい国際貢献を行い,諸外国の我が国への期待にこたえていくとの観点から,人づくり等に貢献する国際協力を積極的に推進していくことである。また,ユネスコ,OECD,APEC,EU,国連大学等の国際機関等を通じた国際協力,多国間協力も近年ますます重要になってきており,教育の分野で高い国際評価を受けている我が国の積極的な取組が求められている。

なお,国連においては,「児童の権利に関する条約」等の国際条約の採択,「人権教育のための国連10年」等の国際年・国際日の制定,「社会開発サミット」等の国際会議の開催を通じて,教育や文化にも関連した様々な活動を行ってきており,文部省では,これらの国際的な動きをも踏まえ,関連施策の一層の充実を図っている。

また,平成11年6月のケルン・サミットでは,教育が主要テーマの―つとして取り上げられたが,今後は,教育はもはや内政問題であるのみではなく,国際的な問題でもあるという認識を持って,諸外国との更なる協力・連携を進めていかねばならない。

以下,第2節においては平成11年のケルン・サミットについて説明し,第3節から第5節においては,上記の三つの課題それぞれに対応した諸施策の展開に関し,順次詳述することとする。


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