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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第8章  文化立国を目指して
第8節  国立文化施設の整備
3  国立博物館・美術館の整備・充実


国立博物館,美術館は,我が国を代表する文化施設として,優れた美術品等を収集・保管・展示するとともに,これに関連する高度な調査研究を行っている。今後は,新たな社会的要請等に応じた施設の新設も含め,収蔵品の充実や施設及び設備の整備をはじめとする展示機能・研究機能・情報機能の充実を図るとともに,地方の博物館・美術館等との連携活動や来館者サービスの充実などより魅力的なものとなるよう,その振興を図っていく必要がある。

施設の新設については,平成11年3月に東京国立博物館の「平成館」及び「法隆寺宝物館」が完成し,展示施設等の充実が図られた。11年度は,情報提供機能等の充実のための東京国立近代美術館本館増改築工事及び日本初の全面地下式美術館となる国立国際美術館の移転新営工事(大阪市北区中之島へ移転)を引き続き進めるほか,京都国立博物館の「百年記念館(仮称)」新営のための実施設計等に着手することとしている。

また,平成7年度からは,文化庁,国立博物館・国立美術館及び国立文化財研究所が所有する所蔵品や文化財に関する情報をデータベース化し,インターネットを利用して情報を広く国民に提供する「文化財情報システム・美術情報システム」の構築を進めている。

新国立劇場主催公演 オペラ「こうもり」(c)三枝近志

東京国立博物館「平成館」

国立国際美術館新館完成イメージ図(断面図)

国立文化施設の地震災害への対応について

平成7年の阪神・淡路大震災以来,国立博物館・美術館においては,施設をはじめ様々な設備について,来館者の安全確保や美術作品の保全のために地震災害の措置をとってきた。

国立西洋美術館においては,フランス人建築家ル・コルビュジエ氏の設計により建築された歴史的建造物である本館のオリジナルデザインを継承しつつ,地震に強い建物として再生するため,日本で初めてリ官の基礎部分に免震装置を取り付けるという「レトロフィット工法」により工事を行い,平成10年3月に竣工した。これにより,阪神・淡路大震災規模の地震時の揺れを4分の1以下に低減させ,来館者の安全,美術作品の保護,美術館の機能確保が図られることになった。また,同館の前庭に展示されていた8点の大型彫刻のうち「地獄の門」(ロダン作)においても,本館同様,彫刻の下に免震台と免震装置を設置するという「レトロフィット工法」を応用して工事を行い,11年5月完成した。これにより阪神・淡路大震災規模の地震時の揺れを8分の1以下に低減させることとなった。なお,残る7点の彫刻についても同様の免震工事を行うこととしている。

東京国立博物館では,地震時の転倒による展示作品の破損や観覧者の安全確保を図るため,平成10年度までに,本館及び東洋館の既設の陳列ケース及びステージ下部に免震装置を約300か所設置した。また,平成館において,免震装置付陳列ケースの設置を進めているところである。

奈良国立博物館では,東新館において,すべての展示ケースに免震対策をとっている。ここでは,移動可能なアンドン型と壁面固定式の壁付型を採用しているが,いずれのタイプについても展示効果を損なわないために,免震装置の存在が気にならないよう工夫し,コンパクトがっ高性能な免震機能を確保している。

なお,京都国立博物館においては,現在実施設計等を行っている百年記念館(仮称)についても,耐震,免震対策を考慮に入れた設計等が行われているところである。

国立西洋美術館ロダン 地獄の門」((c)上野則宏)


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