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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第8章  文化立国を目指して
第7節  文化財を後世に伝えるために
5  史跡・名勝・天然記念物の保存整備・活用



(1) 指定
北村昭斎氏「華菱文玳瑁螺鈿箱」平成10年 文化庁所蔵

重要無形民俗文化財 「等覚寺の松会」

文化財保護法では,貝塚・古墳・城跡等の遺跡,庭園・峡谷・海浜等の名勝地及び動物・植物・地質鉱物等のうち,歴史上,学術上,芸術上又は鑑賞上価値の高いものを総称して記念物と定義している。国は,記念物のうち重要なものを史跡,名勝又は天然記念物に指定し,そのうち特に重要なものを特別史跡,特別名勝又は特別天然記念物に指定し,その保護を図っている。

現在,史跡は新発見の遺跡,中世の城郭,産業・交通関係の遺跡を中心に,名勝は庭園や優れた景勝地を中心に,天然記念物は動植物の実態調査により保存すべきであるとされたものなどを中心に指定を進めている。また,明治以降の近代の遺跡については,平成7年1月の「近代の文化遺産の保存と活用に関する調査研究協力者会議」の報告を受け,所在調査を8年度から実施している。同調査の結果に基づいて,史跡に指定して保存する必要があるものについて選択し,条件の整ったものから順次指定していくこととしている。

また,名勝については,農村景観の優れた景勝地として初めて姨捨(田毎の月)(長野県)を平成11年5月に指定した。

なお,天然記念物についても,平成10年度から「天然記念物の保護体制に関する調査研究委員会」を開催し,指定の在り方等について検討を行っている。


(2) 史跡等の保存

史跡等に指定された地域等については,現状を変更し,あるいはその保存に影響を及ぼす行為をしようとする場合,文化財保護法により,文化庁長官の許可を要することとされている。文化財保護と開発事業等との調整が困難である場合には,国庫補助により対象の土地等を公有化することによって,史跡等の保護を図るとともに,所有者の経済的損失を補填している。


(3) 史跡等の整備・公開

史跡等を将来にわたって保存するとともに広く活用するため,文化庁では,ふるさとの歴史や文化と触れ合う場として歴史的建造物等の復元,ガイダンス施設等の建設を行う「ふるさと歴史の広場(史跡等活用特別事業)」や地方の拠点となる遺跡等を総合的・複合的に整備する「歴史ロマン再生事業(地方拠点史跡等総合整備事業)」を実施している。

また,平成10年度からは,史跡等に対して正しい理解と認識を深めるとともに,史跡等を「心の教育」の場として有効に活用するためのプログラムを研究開発し,モデル事業として地方公共団体に委嘱する「ふれあい歴史のさと事業」を実施している。

また,我が国の歴史を理解する上で重要な道や水路等のいわゆる「歴史の道」については,毎年5月を中心に全国各地で,歴史の道を歩き周辺の史跡等の文化財に親しむ「歩き・み・ふれる歴史の道事業」を文化庁の主唱で行っており,平成11年度は福島県で中央大会を実施した。なお,8年度からは,「歴史の道」を,地域の文化財をつなぐネットワークの軸線として交通関連遺跡等と一体的に整備・活用する「歴史の道整備活用推進事業」を実施している。

整備された雨の宮古墳群(平成9年石川県)

天然記念物については,野外観察施設や学習施設を設置し,その有効活用を図る「天然記念物整備活用事業」を実施している。平成11年度には,新たに「カモシカ」(静岡県水窪町)をテーマにした野外観察施設が開館したほか,10年度から引き続き「美郷のホタルおよびその発生地」(徳島県美郷村)等5件の整備を実施している。

なお,税制面での支援措置として,史跡等に指定された土地を国や地方公共団体等に譲渡した場合の所得税・法人税の軽減が図られている。


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