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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第7章  心と体の健康とスポーツ
第1節  健康教育の充実
2  食に関する指導の充実



(1) 食に関する指導の充実
1) 教科等における指導

最近の児童生徒の心の健康問題の深刻化の背景には,朝食欠食率の増加,カルシウム不足や脂肪の過剰摂取等の偏った栄養摂取など,食に起因する健康問題もあるとの指摘がされている。

学校における食に関する指導は,学校の教育活動全体を通して行う健康教育の一環として,児童生徒に食に関する知識を教えるだけではなく,知識を望ましい食習慣の形成に結び付けられるような実践的な態度を育成することが必要である。

新学習指導要領においては,食に関する指導について,教科「体育,保健体育」はもちろん,教科「家庭,技術・家庭」などの各教科,「特別活動」及び「総合的な学習の時間」を含めた学校教育活動全体を通じて充実を図った。

また,食に関する専門家である学校栄養職員の積極的な参画・協力を得て,学校栄養職員と担当教諭がティームを組んで指導を行ったり,特別非常勤講師として学校栄養職員が食に関する指導を行うなど創意工夫を加え,効果的な指導を行うことを推進している。


2) モデル的な取組の推進

文部省では,学校内での食に関する指導の推進体制づくりや家庭・地域との連携についての実践的研究を行うためのモデル事業や学校給食調理場等にコンピュータを設置し,その実践成果を栄養教育カリキュラムの開発に反映させるための研究を実施している。

また,モデル事業により得られた成果を基に,教員や学校栄養職員等が食に関する指導に取り組むための指針となるよう「栄養教育カリキュラム開発のための調査研究」を実施し,平成11年度に食に関する指導参考資料(小学校編)を作成することとしている。


(2) 学校給食の充実
1) 学校給食の現状

学校給食は,栄養のバランスのとれた食事を提供することにより,正しい食習慣の形成を図るとともに,教職員と児童生徒のコミュニケーションや児童生徒間の好ましい人間関係の育成の場として,児童生徒の心身の健全な発達を図る上で大きな教育的意義を有している。平成10年5月現在,全国で約1,136万人の幼児・児童,生徒が学校給食を受けている( 表2-7-1 )。


2) 米飯給食
表2-7-1  学校給食実施率

米飯給食は,食事内容の多様化を図るとともに,児童生徒が日本人の伝統的食生活の根幹である米飯の正しい食習慣を身に付けさせ,日本の農業に対する理解を深めさせるなどの教育的意義がある。平成10年度の平均実施回数は,週2.7回に達している。

なお,平成9年6月の閣議決定で,学校給食用米穀値引措置については廃止の方向で見直すことが決定され,11年度末で同措置が廃止されることとなっている。


3) 食事内容の充実等

各学校では,近年,食事の内容や方法の多様化が図られている。例えば,郷土や姉妹都市の料理を給食の献立に活用したり,児童生徒が複数の食品や料理の中から栄養のバランスを考え,自分の身体に応じて適切に食品や料理を選ぶカフェテリア方式等による選択給食の導入などが見られる。さらに,食事内容にふさわしい食器其の使用や学校食堂・ランチルームの整備など,食事環境の整備・充実が推進されている。


4) 学校給食における衛生管理体制の充実

近年,学校における食中毒の原因として,腸管出血性大腸菌〇157やサルモネラなどの食中毒細菌が主流となってきており,従来にも増して衛生管理の徹底が求められるようになってきている。そのため,新たな食中毒細菌に対応するため,調査研究協力者会議を設置し,学校給食の衛生管理の徹底を図るための対応策を検討している。平成10年度には,衛生管理の専門家を学校給食調理場に派遣し,施設設備や調理過程等の問題点の指摘や改善方法の指導を行う衛生管理推進指導者派遣・巡回指導事業を行い,それらの事業で見られた問題点等を整理し,平成11年3月に報告を取りまとめた。

また,床を乾いた状態で使用して高温多湿による雑菌等の発生を抑制する調理システムであるドライシステムの導入など,施設面の改善充実と学校栄養職員に対する研修の充実等を図るとともに,従来の衛生管理推進のための研究地域の指定,学校給食調理員等に対する研修などに衛生管理の徹底を図っている。


5) ポリカーボネート製食器問題について

内分泌かく乱物質(いわゆる環境ホルモン)の一つとして疑われているビスフェノールAが,学校給食でも使用されているポリカーボネート製食器から溶出し,何らかの影響を与えるのではないかと一部から不安の声がある。食器の安全性については,食品衛生法において基準が定められており,どのような食器を使用するかについては,当該基準を満たしているものについて,学校給食の実施者である市町村が地域の実情などに応じ判断している。

文部省では,平成11年度には学校設置者の判断に資するよう,学校給食に使用されているポリカーボネート製食器のビスフェノールAの溶出試験及び「内分泌かく乱物質」に関する情報の収集及びインターネット上のホームページ(http://www.hokcnkai.orjp/EDC/)による提供を行うこととしている。

なお,平成11年5月現在,約33%の小・中学校でポリカーボネート製食器を使用している。


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