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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第6章  学術研究の振興
第10節  学術研究に関する国民理解の増進
2  理解増進のための施策


人類の知的共有財産である学術研究の成果は,より多くの人々に享受されるとともに,更なる発展に向けて継承されなければならない。そのためには,学術・科学技術について多様な学習機会が全国民に提供されるとともに,児童・生徒・学生の関心や学習意欲を高めるよう,学校の理科教育・技術教育の充実や,社会教育における科学技術に対する理解の増進が図られなければならない。


(1) 学校教育における理科教育・技術教育の充実

我が国のこれまでの社会経済の発展は,科学技術に支えられてきたところが大きいが,その中で理科教育及び技術教育の果たしてきた役割は極めて大きく,その一層の充実に努める必要がある。

理科教育については,観察・実験を通して自然に対する科学的な見方や考え方,関心・態度などを育成することを重視するとともに,主体的な探求活動,問題解決的な学習の充実に努めてきた。また,理科教育の一層の充実を図るため,講習会の開催やモデル地域の指定に加え,理科教育設備基準に基づき,学校や教育センターにおける実験用機器をはじめとした理科教育設備の計画的な整備・充実,児童生徒の科学的な体験学習活動を促進するための科学学習センターの整備を進めている。

一方,技術教育についても,実践的・体験的な学習の―層の充実を図るとともに,産業教育の進展等に伴う教育内容の変化に適切に対応する観点から高等学校の産業教育施設・設備の基準を改訂し,計画的な整備・充実を進めている。

また・都道府県が研究者や技術者などで教員免許状を持たない者を特別非常勤講師として公立小,中学校に配置する事業に対し補助を行い,児童生徒が専門家から直接学習する機会の拡充を図っている。


(2) 科学に親しむ多様な機会の提供

科学技術の急速な進展,高度化に伴い,人々が絶えず新しい知識,技術を習得することが必要であり,このような学習機会の拡大を図ることが重要となっている。

このため,文部省では,科学系博物館の機能の充実と有効活用の促進を図るため,博物館と学校,関係機関等が連携,協力して,様々な事業をモデル的に実施し,その成果を全国に普及させる事業を平成9年度から実施している。また,従来から,学芸員等博物館職員の資質向上を図るため,自然科学系博物館等に勤務する学芸員等を対象とした専門研修を実施するとともに,博物館や少年自然の家等が持つ専門的機能や立地条件等を活用した,青少年に対する科学教室等の事業の研究開発を行っている。

今後は,この成果を踏まえ,全国の公民館,教室開放を行っている学校の施設,科学博物館等において,科学・ものづくり教室を実施し,大学等においては,科学技術に関する公開講座の開設や,科学技術に関する授業を開講している放送大学の整備・充実を図り,青少年や一般社会人を対象として最新の研究動向等を普及啓発するシンポジウムや学術講演会の開催に対する助成を行っていく予定である。

国立科学博物館においては,青少年や家族等を対象に科学教室や野外観察会を行うなど,科学技術等についての理解や自然への関心を深める教育普及活動を行っている。また,青少年の科学への興味を育てる参加体験型展示を整備し,平成11年4月に「たんけん広場発見の森」と「たんけん広場身近な科学」を開設した。

また,青少年をはじめ,社会の各方面に対して理工系分野の魅力を積極的に情報発信していくため,大学・高等専門学校において体験入学事業を実施している。さらに,科学技術展等の各種事業の主催者等の依頼に応じ,青少年等を対象として,講演・実験等を行う講師等の協力者を「サイエンス・ボランティア」として登録するための名簿の作成及び提供を行っている。

さらに,大学等の学術研究の成果を社会に還元すると同時に,国民に身近なものとしていくため,1)科学研究費補助金等による研究成果を幅広く社会の各方面に公開・発表する「大学と科学」公開シンポジウムの開催や,2)学会や民間学術研究団体が青少年や一般社会人を対象として行う学術講演会等の開催に必要な経費の助成を行っている。平成11年度から新たに,大学等の研究者グループが中・高校生を対象として,最新の研究動向・研究内容を実験等を通じて体験する機会を提供し,学術研究の普及・啓発を行うため,必要な経費を助成している。なお,この事業については,「ふれあいサイエンスプログラム」として日本学術振興会が全体の企画・調整・広報を行い,実施するものである。また,研究施設を―般市民に公開し,研究活動の紹介や講演会などを実施する大学の研究所や大学共同利用機関が多くなっている。例えば,国立天文台においては,青少年を含む一般市民を対象に,直径50cmの社会教育用望遠鏡を用いた「天文観望会」を毎月2回開催している。また,東京大学生産技術研究所では,一般公開の中で中・高校生を対象とした見学コースや産学研究交流の展示を設けるなど,一般公開や展示等に各機関が工夫を凝らし,社会に開かれた大学・研究所づくりを推進している。


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