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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第5章  社会教育の新たな展開を目指して
第8節  社会教育の諸条件の整備
1  社会教育施設の活性化・高機能化


社会教育施設は,人々の学習活動の拠点となる施設であり,公民館をはじめ,図書館,博物館,青少年教育施設,婦人教育施設,視聴覚センター等がある(図2-5-3,図2-5-4)。また,最近は,生涯学習推進センター等の名称で各都道府県に総合的な社会教育施設を設けて,人々の学習ニーズにこたえている事例が増えている。

文部省では,平成9年度から,人々の多様で高度な学習ニーズに的確に対応するため,社会教育施設において質の高い学習活動が可能となるような設備の整備に必要な経費の一部を助成するとともに,地域の中核的施設としての社会教育施設の充実と活性化のため,社会教育施設の情報化・活性化に関する調査研究を実施している。

また,社会教育施設を中心に地域課題や学習ニーズ等に応じた新しい事業を独自に企画・開発し,地域における生涯学習の一層の活性化を図る「地域社会教育活動総合事業」に対して助成を行っている。


(1) 公民館

公民館は,身近な日常生活圏における社会教育活動の中心的な施設として重要な役割を果たしており,平成8年10月現在,全国の公民館数は1万7,819館となっている。また,市町村の公民館(建物面積330m↑2↑以上)の設置率を見ると,市(区)にあっては中学校区,町村にあっては小学校区ごとに整備するという整備目標に対し,市(区)が約88%,町村が約53%,全体では約67%となっている。

文部省では,公民館の機能の充実を図るため,設備の整備費に対する助成を行っている。

図2-5-3  社会教育施設数の推移

図2-5-4  社会教育施設利用者数の推移


(2) 図書館

図書館は住民の身近にあって,人々の学習に必要な図書や資料情報を収集・整理し,提供する施設である。平成8年10月現在の図書館数は,公立図書館が2,363館,私立図書館が33館となっている。なお,図2-5-5に示すとおり,図書館数,図書の貸出冊数及び利用者数については,着実な伸びを示している。

図2-5-5公共図書館の推移

文部省では,巡回文庫用自動車の整備,点字図書,拡大読書機等の設備の整備などに対し助成している。また,子どもの豊かな人間性を育成するため,子どもの読書・学習活動支援等のモデル事業を通じて「子どものつどう場」としての図書館の在り方について調査・研究を行っている。さらに,社会教育施設の情報化や施設相互の連携強化等を推進する先進的・モデル的な事業を委嘱しており,その中で「地域電子図書館構想」に取り組んでいるところがある。このほかにも公共図書館新任図書館長研修,図書館地区別研修等を実施するなど,図書館振興施策の一層の充実を図っている。


(3) 博物館

博物館は,実物資料を通して人々の学習活動を支援する社会教育施設として重要な役割を果たしている。平成8年10月現在,都道府県教育委員会の登録を受けた博物館(以下「登録博物館」という。)が715館,博物館に相当する施設として文部大臣又は都道府県教育委員会の指定を受けた施設が270館,博物館と類似の事業を行う施設が3,522館ある。近年,地方公共団体では,地域の特性を生かした各種の博物館の整備が進められているが,展示や教育普及活動の更なる充実を図っていく必要がある。

このため,文部省では,科学系博物館の機能の充実と有効活用の促進を図るため,博物館と学校,関係機関等が連携・協力して,多様な事業をモデル的に実施し,その成果を全国に普及する事業を行うとともに,博物館機能の充実を図るための設備の整備費に対する助成を行っている。

平成10年度からは,博物館施策の基礎資料とするため,諸外国及び我が国の博物館における様々な活動,特に青少年に対する学習機会の提供及び関係機関や地域との連携状況の実態等に関する国際比較調査を実施している。

私立博物館に対しては,その整備充実を図るため,日本開発銀行等による低利融資制度が設けられており,平成9年度からは,博物館類似施設(博物館法の適用を受けない施設)であって科学技術をテーマとするものについても融資対象が広げられた。さらに,9年度の税制改正において,青少年の学習機会提供の促進に寄与する,登録博物館の設置運営を主な目的とする民法法人が特定公益増進法人として税制上の優遇措置の対象とされた。

また,博物館の活動の充実を図るためには学芸員等博物館職員の資質の向上が重要であることから,博物館に勤務する学芸員を対象とした専門研修をはじめ様々な研修を実施している。平成9年度からは,博物館において指導的立場にある学芸員等専門職員を対象に,国内外の中核的な博物館における長期派遣研修を行う「博物館学芸員等専門研修」を実施しているほか,全国博物館館長会議を開催し,博物館活動の振興のための諸課題について協議している。

国立科学博物館は,我が国唯一の国立の総合科学系博物館として,自然史等に関する資料を収集・保管・展示するとともに,調査研究,教育普及活動などを行っている。

同館では,新館2期工事の整備を引き続き進めるとともに,3次元立体映像(3D)やバーチャル,リアリティー等の技術を活用した電子博物館の実現に向けてパイロット事業を開始し,所蔵の標本資料・研究情報のデータベース化と,それらを基盤とした総合的な博物館情報システムの構築を進めている。また,インターネットと結び,国内外の科学系博物館,関係機関との情報交流の活発化を図っている。教育普及事業については,青少年や家族等を対象に科学教室や野外観察会等を行うとともに,博物館職員を対象とした専門研修,学校教員等を対象とした標本製作,博物館利用講座等の研修事業を引き続き実施している。また,昭和61年度から教育ボランティア制度を導入し,教育ボランティアが教育普及活動や入館者の指導助言等に当たるなど活躍しており,同館ではこの一層の充実のため,教育ボランティアの資質向上を図る研修を積極的に実施している。


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