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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第3章  高等教育の多様な発展のために
1  日本育英会の育英奨学事業
(2)  学生の学ぶ意欲にこたえる事業の抜本的拡充


平成11年度予算においては,教育費負担の軽減を図り,学生が自立して学べるようにするため,有利子奨学金について,貸与人員を大幅増員し,事業費総額を約1,000億円増額するとともに,貸与月額の選択制の導入(大学,短期大学,専門学校の場合,3万円,5万円,8万円,10万円から選択)や,貸与に関する学力基準及び家計基準の緩和などを図った。

また,無利子奨学金についても,貸与月額の増額(大学院博士課程2,000円増,その他1,000円増)及び貸与人員の増員(大学院博士課程3,000人増,大学予約採用人員1,600人増(在学採用からの振替))などの充実を図った。

これにより,平成11年度においては,約65万人の学生・生徒に対し,総額3,781億円(対前年度比1,126億円,42.4%増)の奨学金を貸与することとしている( 表2-3-2 ,第1編第2部Q&A Q36参照)。

また,保護者の失職・死亡等の家計急変により,緊急に奨学金が必要となった者に対しては,これまでも,無利子奨学金の中で随時採用する「応急採用制度」を設けていたところであるが,平成11年度より,この制度の充実を図り,約1万人規模の「緊急採用奨学金制度」を創設した。これにより,不況などの原因により家計が急変した学生・生徒であって,勉学意欲のある者に対し随時貸付を行っている。


(3) 返還金の循環運用

日本育英会の奨学金は,制度発足以来,貸与制としている。これは,奨学生が卒業後,奨学金を返還し,この返還金を後進育成の資金として循環運用することによって,一人でも多くの学生・生徒に奨学金を支給しようとするためである。事業費総額に返還金が占める割合は高く,平成10年度においても,ほぼ50%が卒業奨学生からの返還金で賄われており,返還金が確実に回収されることが,育英奨学事業を実施していく上でますます重要となっている。

平成10年度末の滞納額は,267億円に上っている。このため,日本育英会では,督促の強化,口座振替への転換,返還意識の向上など,滞納の早急な解消に努めている。

2 地方公共団体、公益法人、学校法人等の育英奨学事業文部省が4年ごとに実施している育英奨学事業に関する実態調査によれば,平成7年3月現在,2,026の地方公共団体において育英奨学事業が実施されており,奨学生数は13万8,169人,奨学金支給総額は289億円となっている( 表2-3-3 )。

この事業は,教育基本法に規定されている地方公共団体の責務や人材育成を通じた地域振興等の観点から,多様な形態で実施されているが,今後一層の充実が期待される。

また,同調査によれば,平成7年3月現在,公益法人,学校法人など3,016の団体等によって育英奨学事業が実施されており,奨学生数は16万7,239人,奨学金支給総額は561億円となっている

表2-3-2  日本育英会の事業費総額 (平成11年度)

表2-3-3  地方公共団体,公益法人,学校法人等の育英奨学事業 (平成7年3月現在)

( 表2-3-3 )。

公益法人等による育英奨学事業は,各々が事業創設の目的に基づき,多様で特色ある事業を行っている。これらは,日本育英会及び地方公共団体の育英奨学事業とあいまって,我が国の育英奨学事業の発展にとって極めて有益なものとなっており,今後ともその発展,充実が望まれる。


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