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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第3章  高等教育の多様な発展のために
第1節  21世紀の大学像と今後の改革方策
4  組織運営体制の整備



(1) 国立大学の組織運営体制の改革

国立大学における意思決定については,21世紀に向けて大学として―体的に取り組むべき教育研究上の課題に直面している中で,1)意思決定の責任の主体が不明確であり,学部自治の名の下に,学問の進展や社会の変化に対応した改革への取組や学部の枠を越えた円滑な合意形成が進んでいない,2)社会に対して閉鎖的な面が見られ,学外の声を積極的に取り入れ,教育研究の成果を社会に対して発信していく取組が不十分,といった問題点が指摘されている。

平成10年10月の大学審議会答申にあいては,これに対する改革方策が示され,それを踏まえて関係法令が改正された。

具体的には,1)国立大学の責任ある組織運営を確立するため,(7)学部教授会は学部の教育研究に関する重要事項を,評議会は大学の運営に関する重要事項をそれぞれ審議するという役割分担を具体的に規定することにより,明確化する,(イ)学長,学部長は評議会,教授会の議長として会議を主宰することとするなど責任ある会議運営の基本的な枠組みを規定する,(ウ)国立大学は,学部その他の組織の―体的な運営によって総合的に機能を発揮しなければならない旨の運営の基準を規定する,(ニ)教員選考に当たって学部長は全学の教員人事の方針を踏まえ意見を述べることができる旨規定し,教員人事における学部長の役割を明確化するなど,国立大学の組織運営の基本的な枠組みを定めた。また,2)社会に開かれた国立大学を実現するため,(7)大学の将来計画や自己評価その他大学運営に関する重要事項について外部有識者の意見を取り入れるための運営諮問会議の設置,(イ)教育研究及び組織運営の状況の公表の義務付けなどを定めた。


(2) 大学情報の積極的な提供

これまでも各大学において,広報誌の発行やホームページの開設など,情報公開に取り組んでいるが,近年,大学の教育研究活動について正確な情報を知りたいという社会的な関心は急速に高まっている。

このため,大学審議会答申においては,「大学の教育研究活動に関する情報を社会に対して提供することは,大学の社会的な責務」とした上で,大学の提供するサービスを直接利用する者や国民―般にとって関心が高いと考えられる教育研究目標,計画(例えば,将来計画など),大学への入学や学習機会に関する情報,学生の知識,能力の修得水準に関する情報(成績評価方針,基準等),卒業生の進路状況に関する情報,大学での研究課題に関する情報を広く国民に対して提供することを制度上位置付けることなどが提言され,これを踏まえて大学設置基準の改正が行われた。なお,それとともに国立大学については,前述のように教育研究及び組織運営に関する情報を自発的,積極的に公表することを法律上義務付けている。


(3) 大学の主体的,機動的な運営を可能とするための措置

大学が,学術研究や社会の変化に積極的に対応し,機動的な教育研究を実施することが求められているが,この点について大学審議会答申では,自律的かつ機動的な運営のために,大学の教育研究組織の柔軟な設計,行財政の弾力性の向上などを進め,大学自らが定めた教育研究目標を自らの主体的な取組によって実現し得る道を拡大することが必要であるとされている。

具体的には,国立大学については,講座,学科目編成の柔軟化などにより教育研究組織の柔軟な設計を可能にするとともに,人事,会計,財務の柔軟性の向上を図ることなどが提言されており,今後必要な法令改正を行うこととしている。また,公,私立大学については,学科設置等の審査の弾力化と手続き等の簡素化が提言され,平成11年3月に省令改正等の措置を行ったところである。


(4) 国立大学の独立行政法人化について

国立大学の独立行政法人化については,平成11年4月の閣議決定により,「大学の自主性を尊重しつつ大学改革の―環として検討し,15年までに結論を得る」とされたところであり,文部省では,文部大臣のいわゆる私的懇談会として,「今後の国立大学等の在り方に関する懇談会」を開催し,有識者から幅広い観点から意見を聴きながら,検討を進めるとともに,11年9月の「国立大学長,大学共同利用機関長等会議」において,国立大学の独立行政法人化の検討を行う際の基本的な方向を示したところである。

5 多元的な評価システムの確立21世紀に向け,我が国の大学が教育研究の質の向上を図るためには,自己点検,評価の充実を図るとともに,第三者評価の導入などを通じて,大学の教育研究の内容,方法の改善につなげる多元的な評価システムを確立することが必要である。

以上のような観点から,平成10年10月の大学審議会答申においては,

1) 自己点検,評価の実施及びその結果の公表を各大学の義務として位置付けることや,学外者による検証を大学の努力義務として位置付けること
2) 第三者機関を設置し,主に国立大学を対象として高い第三者評価を実施することなどが提言された。

(1) 自己点検,評価の充実

平成3年の大学設置基準の改正以降,各大学における自己点検,評価の取組が進み,10年10月現在,自己点検,評価を実施した大学は,533大学(国立98大学,公立44大学,私立391大学)であり,このうち412大学(国立98大学,公立39大学,私立275大学)において,その結果を公表している。

―方,自己点検,評価は形式的な評価に陥り教育研究活動の改善に十分結び付いていない,外部への情報発信が足りないとの指摘もなされている。

このような指摘を踏まえ,平成11年9月の大学設置基準の改正により,自己点検,評価の実施と結果公表の義務化を図り,自己点検,評価の結果について学外者による検証の努力義務化を図った。


(2) 第三者評価システムの導入

大学審議会答申で提言されている第三者機関は,第三者評価を行うとともに,大学評価情報の収集提供,評価の有効性等の調査研究を推進することとされている。

第三者機関による評価は,その結果が各大学にフィードバックされることにより,教育研究活動の個性化や質的充実に向けた各大学の主体的な取組を支援,促進することなどを目的としている。この第三者機関による評価の内容,方法については,

1) 各大学の個性や特色が十二分に発揮できるよう,複数の評価手法に基づき多面的な評価を行うこと
2) 評価の結果については,国民に対して分かりやすい形で公表されること
3) 被評価者に対して評価の結果及び理由が示され,それに対して意見を提出する機会が設けられること

が適当である。

平成11年度においては,このような第三者機関の創設に向けての調査,準備が進められているところである。


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