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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第3章  高等教育の多様な発展のために
第1節  21世紀の大学像と今後の改革方策
2  学部段階の教育の充実と改革



(1) 学部教育の再構築

21世紀において,我が国が創造性と活力ある国家として発展を続け,国際社会において主要な役割を果たしていくためには,「主体的に変化に対応し,自ら将来の課題を探求し,その課題に対して幅広い視野から柔軟かつ総合的な判断を下すことのできる力」(課題探求能力)の育成を重視しつつ,学部教育の質の向上を図ることが必要である。さらに,学生の多様な能力,適性や学習意欲に柔軟にこたえていくため,学生の選択の幅や,流動性を拡大することも重要である。

このような観点から,平成10年10月の大学審議会答申においては,学部教育の再構築に向けた具体的な改革方策として次のような多岐にわたる提言を行ったところである。


1) 教育内容の在り方―課題探求能力の育成―
, 教養教育の重視,教養教育と専門教育の有機的連携の確保
, 専門教育における基礎,基本の重視
, 高等学校教育から学部教育への円滑な移行
, 国際舞台で活躍できる能力の育成

2) 教育方法等の改善―責任ある授業運営と厳格な成績評価の実施―
, 授業の事前学習の支持の徹底などによる責任ある授業運営
, 成績評価基準の明示と厳格な成績評価
, 学生の履修科目登録単位数に上限設定
,  FD(ファカルテイ,ディベロップメント)を大学の責任として明確化
, 学生や外部者の意見聴取などによる,教育活動の評価の実施

3) 多様な学習需要に対応した制度の柔軟化,弾力化―学生の主体的学習意欲とその成果の積極的評価―
,  4年未満の在学で学部を卒業できる例外措置の導入
, 秋期(9月)人学の拡大
, 単位互換及び大学以外の教育施設等における学修の単位認定の拡大

なお,平成11年5月の学校教育法等の改正により,4年未満の在学での学部卒業を可能とする例外措置が導入されたところ(施行は平成12年4月)であり,また,同年3月の学校教育法施行規則等の改正により,秋期(9月)入学の拡大並びに単位互換及び大学以外の教育施設等における学修の単位認定の拡大が図られた。


(2) 多様な学習ニーズへの対応

今後,大学には,多様な世代の学習ニーズにこたえることのできる生涯学習機関としての機能を強化していくことが求められている。このためには,大学への入学機会をより多様化するとともに,多様な学生に配慮した履修形態の柔軟化,多様な学習成果に対する評価の工夫等を図り,開かれた大学づくりを推進していく必要がある。


1) 入学機会の多様化

平成3年6月の大学設置基準の改正により,従来は欠員が生じた際に受け入れていた短期大学,高等専門学校からの編入学について,各大学があらかじめ編入学定員を設定できるようにした。このことを受けて,編入学者は,10年度には計1万6,856人と,3年当時に比べ,2.5倍以上増加している。また,社会人のための特別選抜を実施する大学も増加しており,10年度においては,約5割の大学で実施されている。


2) 履修形態の柔軟化

多様な学生の要請にこたえる,学生の都合に合わせて昼間,夜間の両方に授業を行う昼夜開講制の大学が増加するとともに(平成11年度現在,60大学87学部),専ら夜間に教育を行う学部の設置が進む(11年度までに50大学106学部)など,大学での履修形態もより柔軟なものとなってきている。

また,平成9年度現在,全体の8割を超える515大学で,特定の授業科目やコースを履修し単位を取得できる科目等履修生制度が導入され,1万人以上がこの制度により大学で学習している。


3) 多様な学習成果に対する評価の工夫

平成3年7月に学位授与機構を創設し,短期大学や高等専門学校の卒業生,各省庁の大学校の卒業生など,大学の卒業生以外の人に対しても学位取得の道を開いた。10年度においては,「学士」が2,325人に,「修士」が90人に,「博士」が17人に,それぞれ授与されている。

さらに,学生の学修選択の幅を広げる観点から,大学以外の教育施設等における学修について大学が単位認定できる範囲を拡大し,TOEFL及びTOEICにおける成果に関する学修及び―定の要件を備えた知識及び技能に関する審査でTOEFL及びTOEICと同等以上の社会的評価を有するものにおける成果に係る学修についても,大学の判断により単位を認定することができるようになった。


(3) 地域社会や産業界との連携,交流の推進

大学と地域社会や産業界の連携,交流の強化を図ることは,大学がその知的資源をもって積極的に社会の発展に貢献するために極めて重要である。このような観点から,平成10年10月の大学審議会答申においては,

1) リフレッシュ教育の実施や,共同研究の実施,受託研究や寄附講座の受入れなど産学連携の推進を図っていく必要があること
2) 大学と企業が共同した教育プログラムの開発や,本校以外の教育研究の場の認定などを通じて,社会人が企業と大学を往復して学習するための環境の整備を図っていくことが必要であること
3) インターンシップ制度の積極的な導入や,学生のボランティア活動等地域社会に貢献する活動の促進に積極的に取り組むことが重要であること

などが提言された。同答申を踏まえ,地域社会や産業界との連携,交流のための各大学の積極的な取組が期待される。


(ア) リフレッシュ教育の推進

近年,技術革新の進展や産業構造の変化の中,職業人が大学などの高等教育機関において継続的な教育(リフレッシュ教育)を受け,生涯にわたり最新かつ高度の知識,技術を修得することが重要になってきている。

また,生涯学習社会が進展する中,リフレッシュ教育を推進することは,大学等の社会的責務であるとともに,教育研究の多様化,活性化など高等教育の改革を進める上でも重要な課題である。

平成10年度における社会人の大学への入学者数は,5,243人であり,増加する傾向にある。

各大学では,社会人受入れを促進するために,1)社会人を対象とした特別選抜制度の導入,2)科目等履修生の制度の活用,3)昼夜開講制の採用など弾力化された大学制度の活用を図りつつ,色々な試みが実施されており,今後とも積極的な取組が期待される。


(イ) インターンシップの推進

学生が在学中に自らの専攻,将来のキャリアに関連した就業体.験を行うインターンシップは,教育の改善,充実及び学生の学習意欲の喚起,高い職業意識の育成などの意義を有するものである。

平成9年度におけるインターンシップ実施学校数は,大学107校,短期大学39校,高等専門学校35校であり,実施学生数は,大学1万3,398人,短期大学2,757人,高等専門学校3,422人となっている。

文部省では,インターンシップに取り組む大学等に対する財政的支援を行うとともに,ガイドブックの作成,配布など,インターンシップの積極的な推進を図っている。

また,インターンシップの拡大に伴い,受入先の確保が重要な課題となっていることから,政府機関や地方公共団体など公的機関へ積極的な受入れを要請するとともに,労働省,通商産業省等の関係省庁と連携して,企業等の受入先の確保に努めることとしている。


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