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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第2章  初等中等教育の―層の充実のために
  第9節 魅力ある優れた教員の確保
3  教員の採用と現職研修の改革


教員の資質能力の向上は,教員の生涯にわたって図られるべきものであり,教員の養成段階において,最低限取得すべき能力を確保した上で,採用の段階で教員としてふさわしい資質能力を備えた優秀な人材を確保するとともに,教員自身が絶えず研修に努めることが重要である。


(1) 教員採用の改善

教員採用については,採用の段階で教員としてふさわしい資質能力を備えた優秀な人材を確保するため,各都道府県,指定都市において選考方法の多様化や採用スケジュールの早期化等様々な工夫,改善がなされている。

文部省においては,教員採用に関する調査研究協力者会議の「審議のまとめ」(平成8年4月)を踏まえ,各都道府県,指定都市教育委員会あてに通知を出し,筆記試験の成績を重視するよりも人物評価重視の方向に教員採用選考の在り方を―層移行させ,選考方法の多様化,選考尺度の多元化を図っていくように指導している。

これを受け,各教育委員会では,面接官への民間人の起用,模擬授業や指導案の作成の実施などにより,面接方法を改善,充実したり,受験年齢の上限を緩和,民間企業経1験や教職経験などの様々な社会体験を評価する定員を区分した選考の実施などにより,優れた知識,技能を有する社会人を活用するなど,積極的に教員採用等の改善に取り組んでいる。文部省では,平成8年度から毎年4月に新たな取組や特色ある事例を取りまとめて情報提供を行うなど,各教育委員会における教員採用の改善促進に努めている。


(2) 初任者研修

昭和63年に創設され,平成4年度から完全実施された初任者研修は,現職研修の第―歩として極めて重要な位置を占めており,11年度には,国公立の小,中,高等学校,盲学校,聾学校及び養護学校の全新任教員約1万2,500人が対象となっている。新任教員は,採用された日から―年間にわたって,学級や教科などを担当しながら,校内において,ベテランの指導教員が中心となり,授業研修や学級経営,生徒指導に関する内容など教員の職務全体にわたる実践的な研修を受けているほか,校外においても,各都道府県等の教育センターなどにおいて,講義,実習,実技指導,企業体験等の様々な研修を受けている。また,文部省では,この初任者研修の―環として,地域や学校種を越えた相互交流を図り,教員としての使命感を養うため,新任教員の―部を対象に,洋上研修(平成11年度:9日間,4団,計2,000人)を行っている。


(3) 初任者研修以後の研修の充実

各都道府県,指定都市においては,初任者研修以後も,校長,教頭,教務主任などの職能に応じた研修,教職経験5年,10年,20年などの全教員を対象とした「教職経、験者研修」,教科指導,生徒指導などに関する専門的な研修を行っている。文部省はこれらの研修に対し支援などを行っているほか,平成11年度からは,国立教育会館を拠点として各都道府県等の教育センターなどを結ぶエルネット(衛星通信ネットワーク)を活用し,情報教育,カウンセリングといった喫緊の学校教育の課題に対応した研修プログラムなどを配信することとしている。

さらに,文部省では,各地方において指導的役割を果たすことが期待される校長,教頭,中堅教員を対象とした教職員等中央研修講座(平成11年度受講者1,800人)や教員海外派遣研修(11年度受講者3,105人)などを直接に実施している。

また,近年の動向として,教員の社会的視野を広げ,学校教育の改善を図るために,教員を民間企業,社会福祉施設等の学校外の施設などに長期にわたり派遣して行う社会体験研修が注目されている。各都道府県,指定都市において,この長期社会体験研修に取り組むところが近年急速に増えつつあり,実際に派遣された教員からは,対人関係能力の向上,学校経営参画への意識の向上など,様々な成果が報告されている。


(4) 大学院を活用した現職教員の再教育

従来より,各都道府県教育委員会などにおいては,教員養成系の大学院等に教員を長期にわたり派遣して行う研修が行われているが,対象となる教員数は限定されていた。

このような中,平成10年10月の教育職員養成審議会の第2次答申においては,教員の資質能力の高度化を図る観点から,大学院修士課程を活用した研修の推進が提言されており,文部省としては,この答申を受け,可能な限り多くの現職教員が多様な形態で大学院修士レベルの教育を受けることができるよう,新たな研修休業制度の創設を始め様々な条件整備を進めていくこととしている。


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