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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第2章  初等中等教育の―層の充実のために
  第9節 魅力ある優れた教員の確保
2  教員養成,免許制度の改善


学校教育の直接の担い手である教員には,教育者としての使命感,人間の成長,発達についての深い理解,幼児,児童,生徒に対する教育的愛情,教科等に関する専門的知識,広く豊かな教養,そしてこれらを基盤とする実践的指導力が求められる。このような教員としての資質能力は,養成,採用,研修の各段階を通じて形成されていくものであり,それぞれの段階を通じた総合的な方策を図る必要がある。


(ア) 新たな時代に向けた教員養成の改善

我が国の教員養成は,いわゆる「開放性」の原則の下に,―般大学と教員養成大学とがそれぞれの特色を発揮しつつ行っている。平成10年3月に大学等を卒業し,免許状を取得した者は,約13万人(取得者実数)であり,また,このうち教員として就職した者は13.5%であった。

教員養成,免許制度を巡る近年の動向としては,教員の専門性の確保と実践的指導力の育成を図る観点から,昭和63年に教育職員免許法を改正し,すべての学校種における修士課程修了程度の専修免許状の創設,免許基準の引上げ,社会人の学校での活用を可能とする特別非常勤講師制度の創設などを行っている。

しかしながら,近年の我が国の学校教育については,個性を生かす教育の実現や社会の変化への対応,いじめや不登校等の児童生徒の問題行動への対処など,様々な課題が指摘されていることから,平成10年6月に教育職員免許法の―部改正を行い,教員の養成,免許制度の―層の改善を行った。

この改正では,使命感,得意分野,個性を持ち,学校教育の課題に適切に対応できる力量ある教員の養成を目的として,大学での教員養成カリキュラムの改善を行った。具体的には1)大学が,社会的要請を踏まえ主体的にカリキュラム編成を工夫できるよう,選択履修方式を導入した。また,2)教え方や子どもとの触れ合いを重視し,教諭の免許状取得において,学校教育活動の遂行に直接資する「教職に関する科目」の充実を図った。

この「教職に関する科目」の充実においては,1)教師としての在り方,生き方を学ぶための「教職の意義等に関する科目」,2)地球環境,高齢化と福祉等国内外の今日的課題を扱う「総合演習」を新たに必修としたほか,3)いじめ等の問題に対処するため,生徒指導及びカウンセリングを含む教育相談に関する内容を質,量ともに充実するとともに,4)特に生徒指導上の課題の多い中学校の教育実習期間の延長を行った。

この新カリキュラムは,法施行以降,準備の整った大学から順次適用され,平成12年度入学生から全面適用される。


(イ) 学校教育における社会人の活用,免許外教科担任の解消

優れた知識や技能を持つ社会人を学校教育において活用することは,学校教育の多様化や活性化を図る上で極めて重要である。免許状を持たない社会人が教科の―部等について非常勤講師となることができる特別非常勤講師制度は,主として高等学校で,看護,外国語会話,体育実技等の分野を中心に活用され,平成10年度には全国で延べ6,280人がこの制度により教壇に立っている。文部省では6年度から,公立中学校に特別非常勤講師を配置する事業に対し補助を行い,9年度にはこれを拡充するとともに新たに小学校についても対象とするなど,その活用の促進を図っている。

また,学校での社会人活用の―層の促進を図る観点から,10年に教育職員免許法の改正を行い,特別非常勤講師制度及び特別免許状の対象教科を小学校についても全教科に拡大するとともに,特別非常勤講師の手続きを許可から届出に簡素化した。

なお,教員が保有する免許状の教科以外を担任するいわゆる免許外教科担任については,その解消のため,教職員定数改善において配慮するほか,平成6年度からは,小規模中学校において免許を有する非常勤講師を配置する事業に対して補助を行っており,11年度にもこれを拡充した。これらの結果,同年度( 5月現在)の公立学校における免許外教科担任の許可件数は元年度の約4万6,000件に対し57%減,また前年度に比して約3%減の約2万件となっているが,引き続きその解消を促進する必要がある。


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