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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第2章  初等中等教育の―層の充実のために
第1節  自ら学び自ら者える教育を鹸横しで
3  豊かな心を育む―道徳教育,ボランティア教育の充実―



(1) 道徳教育の重要性

道徳教育は,児童生徒が人間としての在り方を自覚し,人生をより良く生きるための基盤となる道徳性を育成するものであり,学校教育の基本にかかわるものと言える。

しかし近年,社会の変化等に伴い基本的なしつけや倫理観,社会性の育成などにかかる教育機能の低下が指摘されている。学校での道徳の授業も高学年になるにつれ,テレビの視聴や読み物資料に頼りすぎる指導になりがちであり,学校内外における様々な体験を生かした,児童生徒の内面に働き掛けていく指導が十分になされていない等の状況が指摘されている。

また,文部省が行った調査においても,子どもたちの「生活体験],「お手伝い」,「自然体験」をしていることと,「道徳観,正義感」が身に付いていることとの間には高い相関の傾向がみられた( 第1編第2部Q&AQ6参照 )。

このような背景や,平成10年6月の中央教育審議会答申及び同年7月の教育課程審議会答申を踏まえ,同年12月に告示した新しい学習指導要領においては,

1) 体験活動等を生かした心に響く道徳教育の実施
2) 家庭や地域の人々の協力による道徳教育の充実
3) 未来に向けて自らが課題に取り組み,共に考える道徳教育の推進,

を基本的な方針として,目標及び内容等を改善したところである。


(2) 道徳教育の充実のための施策

文部省では,新しい学習指導要領の趣旨を生かし,道徳教育の―層の充実を図るため,次のような様々な施策を進めている。

1) 学校の道徳教育活動に地域の人材等の協力を積極的に求め,学校,家庭,地域を通じた道徳性を培う学習を―層活発に展開する『地域の人材を活用した道徳教育推進事業』
2) 道徳の授業を子どもたちの心に響くものにするために教材を工夫し,しつけ,道徳の内容を分かりやすく取り上げた小学校低学年,幼稚園向けのアニメビデオを作成し,配布する『道徳用ビデオの作成配布事業』
3) 道徳教育の指導力向上を図るため,指導主事,小,中学校の校長,教頭,教諭並びにPT′A関係者を―堂に集めた研修を開催する『道徳教育連携,推進講座』
4) 各地域の特色を生かし,体験活動やデイベートなどの実践的な学習ができるような教材の研究開発を都道府県に委嘱する『道徳教育推進資料の作成事業』
5) 学校に伝統芸能や伝統工芸,産業の技術者を招いて,ふるさとの文化と伝統に対する理解を深め,継承,発展させる態度を育成する『伝統文化教育推進事業』

(3) ボランティア教育の推進について
1) ボランティア教育の意義

近年,高齢化の進展等に対応し,福祉の重要性や高齢者,障害者に対する認識と理解を深めることや,他の人々に対する思いやりの心や公共のために尽くす心を養うこと,また,都市化,少子化,核家族化が進む中で生活体験の希薄化している児童生徒が,体験を通じて勤労の尊さや社会に奉仕する精神を養うことなどが,これまで以上に重要となってきている。


2) ボランティア教育の推進のための施策

学校教育では,小,中,高等学校を通じ,主としてクラブ活動や勤労生産,奉仕的行事の中で,地域の清掃,高齢者福祉施設での奉仕などのボランティア活動が行われている。

また,学習指導要領では,道徳,社会科,家庭科でもボランティア活動が取り上げられている。このほか文部省では,児童生徒に地域の教育力を生かしつつ,ボランティア体験活動など様々な体験活動,学習機会を与える「ボランティア体験モデル推進事業」の実施,ボランティア教育の在り方等に関する研究協議会の開催など各種の施策を実施している。

また,高等学校については,平成10年3月に,ボランティア活動等を含む学校外での多様な活動を,校長の判断により単位として認定することができる道をひらくため,関係省令を改正したところである。

新学習指導要領(小,中学校は平成14年度から,高等学校は15年度から実施)においては,学習指導要領上,総則等に「ボランティア活動」の文言を盛り込むとともに,特別活動,道徳等の中でボランティア活動などの体験活動を行うこととするなど,学校教育におけるボランティア活動を更に進める内容としている。


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