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第2編   文教施策の動向と展開 第2編 文教施設
第2章  初等中等教育の―層の充実のために
第1節  自ら学び自ら者える教育を鹸横しで
1  学習指導要領の改訂



(1) 学習指導要領の改訂

初等中等教育の教育課程の基準については,これまで,社会の変化や教育課程の実施の経験などを考慮し,およそ10年ごとに改訂してきている。

文部省では,平成10年7月の教育課程審議会答申「幼稚園,小学校,中学校,盲学校,聾学校及び養護学校の教育課程の基準の改善について」を受けて,各学校段階ごと,各教科ごとに学識経験者や教員などの協力を得ながら検討を行い,同年12月に幼稚園教育要領,小学校及び中学校の学習指導要領を,11年3月に高等学校学習指導要領,盲学校,聾学校及び養護学校の学習指導要領等を改訂した。

学習指導要領は,平成14年度から実施される完全学校週5日制の下,ゆとりの中で特色ある教育を展開し,子どもたちに豊かな人間性や自ら学び自ら考える力などの[生きる力]を育成することを基本的なねらいとして,次の四つの方針に基づいて改訂を行った。

1) 豊かな人間性や社会性,国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること
2) 自ら学び,自ら考える力を育成すること
3) ゆとりのある教育を展開する中で,基礎,基本の確実な定着を図り,個性を生かす教育を充実すること
4) 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育,特色ある学校づくりを進めることこれらの方針に基づき,次のような改善を図っている。

〈教育内容の厳選〉

, 小学校及び中学校において,児童生徒にとって高度になりがちな内容などを削減したり,上級学校に移行統合したりなどして,授業時数の縮減以上に教育内容を厳選したこと。


〈道徳教育の充実〉

, 幼稚園や小学校低学年では,基本的なしつけや善悪の判断などについて繰り返し指導し徹底を図るとともに,ボランティア体験や自然体験などの体験活動を生かした学習を充実したこと。


〈国際化への対応〉

, 中学校及び高等学校で外国語を必修とし,話す聞く教育に重点を置いたこと。小学校でも総合的な学習の時間などにおいて外国語会話などを実施できるようにしたこと。


〈情報化への対応〉

, 中学校の技術,家庭科で情報に関する基礎的な内容を必修としたこと。高等学校で教科「情報」を新設し必修としたこと。

, 小,中,高等学校を通じて,総合的な学習の時間や各教科等においてコンピュータや情報通信ネットワークを活用するようにしたこと。


〈体育,健康教育〉

, 生涯にわたって運動に親しみ基礎的体力を高めることを重視したこと。心の健康,望ましい食習慣の形成,生活習慣病の予防,薬物乱用防止などの課題に適切に対応するよう内容を構成したこと。


〈総合的な学習の時間の創設〉

, 各学校が創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開し,国際理解,情報,環境,福祉,健康など横断的,総合的な学習などを実施する総合的な学習の時間を創設したこと。

〈選択学習の幅の拡大〉, 中学校における選択教科に充てる授業時数の拡大や,高等学校における必修科目の最低合計単位数の縮減(38単位(普通科)-31単位)など選択学習の幅を―層拡大し,個性の伸長を図ることとしたこと。


〈授業時数の縮減〉

, 年間授業時数は,現行より年間70単位時間(週当たり2単位時間)削減したこと。


〈高等学校の卒業単位数の縮減〉

, 高等学校の卒業に必要な修得総単位数は現行の80単位以上を74単位以上に縮減したこと。


〈各学校の創意工夫を生かした教育の推進〉
, 理科の実験の授業は60分で行うなど授業の1単位時間は各学校が定めることとしたこと。
, コンピュータの授業は第1学期に集中して行うなど特定の期間に授業を行うことができるようにしたこと。
, 小学校及び中学校において,教科の特質に応じ目標や内容を複数学年まとめて示し,2学年間を見通した弾力的な指導が行われるようにしたこと。
, 高等学校において,学習指導要領で定める教科,科目以外にも,各学校で独自に学校設定教科,科目を開設できるようにしたこと。

新学習指導要領は,幼稚園については平成12年度,小学校及び中学校については14年度から全面実施し,高等学校については15年度から学年進行で実施することとしている。また,盲学校,聾学校及び養護学校については幼稚園,小学校,中学校,高等学校の各学校段階に準じて実施することとしている。


(2) 新学習指導要領への移行措置

文部省では,現行の学習指導要領等から新学習指導要領等に移行するために必要な措置(移行措置)として,平成11年6月,学校教育法施行規則等を改正するとともに現行の学習指導要領の特例を定め告示した。今回の移行措置は,学習指導要領の趣旨をできるだけ早く生かす観点から,12年度から新学習指導要領が適用されるまでの期間とし,具体的には,小学校及び中学校は12年度及び13年度の2年間,高等学校は12年度から新学習指導要領が適用されるまでの間,盲学校,聾学校及び養護学校は各学校段階ごとにそれぞれ新学習指導要領が適用されるまでの間とした。

今回の移行措置の基本的な考え方は,次のとおりである。

1) 新学習指導要領の趣旨や内容をできるだけ早い段階から実施するために必要な措置を行うこと。

このため,次のような措置をとっている。

(ア)授業の1単位時間の弾力化や個に応じた指導などの総則事項,道徳や特別活動は新学習指導要領によること。
(イ)教科によっては全部又は―部を新学習指導要領によることができること。
(ウ)総合的な学習の時間を実施できるようにすること。

2) 小学校及び中学校において,現行学習指導要領から新学習指導要領に移行する際に,必要な内容が欠落したり不必要な重複をしたりすることがないよう最小限必要な措置を行うこと。

今回の改訂において内容を上学年又は下学年に移行したことにより,新学習指導要領を実施した場合に重複又は欠落することになる内容については,移行期間中に削除したり,付加したりしている。また,新学習指導要領において削除した内容は移行期間中からできるだけ削除することとしている。


(3) 新学習指導要領の趣旨の普及

新学習指導要領の趣旨を実現するためには,教育関係者,保護者,社会教育関係者,企業関係者を始め広く国民の理解と協力が得られるよう趣旨の普及を図ることが大切である。

このため,文部省では,平成11年度中に学習指導要領等の改善の趣旨や内容を解説した解説書を刊行することとしている。また,各都道府県教育委員会等の指導主事,教員を対象に,新学習指導要領の趣旨や内容等の説明を行う「新教育課程説明会」を10年度から開催しており,新学習指導要領の実施の前年度まで計画的に開催することとしている。

これらのほか,保護者や地域住民の新学習指導要領への理解を深めるため,新学習指導要領の趣旨を分かりやすく解説したパンフレットを平成11年4月に作成し配布するとともに,11年度から保護者,社会教育関係者,企業関係者などが集うフォーラムを開催している。

また,平成11年度から教員養成系大学と協力して,大学の教官,地元の教員などの教育関係者を対象に,新学習指導要領の趣旨の周知を図る研究協議会を開催している。


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