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1部   心と体の健康とスポーツ
第1章   これからの健康とスポーツ
第3節   生涯にわたるスポーツライフの実現
1   生涯スポーツの意義


既に述べたように、スポーツは多様な意義を有しているが、特に、近年、都市化、生活の利便化などの影響を受けて運動不足に陥りやすい生活環境となっていることから、スポーツにより意識的に身体を動かすことが日常の生活に不可欠である。

現代の青少年には、体力・運動能力の低下、心の荒れなど様々な問題が指摘されている。特にテレビゲームなどによる室内遊びの増加、屋外の遊び場の減少など青少年を取り巻く生活環境は大きく変化し、社会性を身に付ける機会が不足しているとも言われる。このような状況の中で、青少年がスポーツを行うことは体力・運動能力の向上、体の健康のみならず、身体を動かすことによる爽快感など心の健康にも役立つものである。また、スポーツはルールに基づいて行うものであるから、青少年に社会性の基本とも言えるルールを尊重する精神を根付かせるとともに、他者との協同は他人への思いやりをはぐくむ重要な機会でもある。先進各国においても、このようなスポーツの教育効果に注目し、青少年を対象とした各種のスポーツ振興施策が積極的に行われている( コラム参照)。

また、スポーツは生きがいづくりといった面も持っている。高齢社会では、高齢者が生きがいを持ち、老後をいかに豊かに過ごしていくかということが重要となるが、このような観点からもスポーツは大きな役割を果たすものと思われる。高齢者がゲートボールなどのスポーツに関心を持ち、それを通じて地域の人との交流が活発に行われ、充実した日々を送っているということはよく聞く話である。

〔コラム〕 海外の青少年スポーツプログラムの例

オーストラリアでは「オージースポーツ(Aussie Sport)」という名の3歳から19歳までの青少年を対象としたスポーツ振興プログラムを実施している。このプログラムは、スポーツの楽しさ、フェア・プレーの精神、公平な参加などを重視し、青少年がスポーツを一生続けて行えるよう、素晴らしいスポーツ体験を紹介することによって青少年の生活をより豊かなものにすることを目的としたものである。1986(昭和61)年に開始して以来約200万人が参加していると報告されている。また、96%の学校が正課カリキュラムもしくは教科外活動として採用しているなど、学校との緊密な連携が図られている。

ニュージーランドにおいても、「キウイスポーツ」という名の小学生を対象とした同様のプログラムを行っている。

さらに、スポーツは共に楽しむ人々の連帯を醸成し、仲間づくりに役立つものであり、ひいては地域コミュニティの形成にも役立つものである。都市化は地域の人間関係の希薄化を招き、地域コミュニティの崩壊が各地で問題となっていると言われているが、このような状況にあって、スポーツの役割はますます重要なものとなっていくと思われる。

このような多様な意義を持つスポーツは、欧米諸国などでは人々の生活の中に溶け込んでおり、多くの人が生涯を通じてスポーツを楽しんでいる。今後、生活の質が求められる時代にあってスポーツが果たす役割はますます増していくものであり、我が国においてもスポーツを気軽に楽しめるような社会、すなわちだれもが、どこでも、いつでもスポーツに親しめる社会にしていくことが必要である。生涯スポーツ社会とは、そのような社会のことである。

1-1-1 豊かなスポーツライフの指針(参考案)

1-1-2 体力つくりのための運動指針(参考案)

生涯スポーツ社会においては、国民が生涯の各時期の特性に応じて、運動・スポーツを主体的・継続的に実践することが重要である。このような観点から、平成9年9月の保健体育審議会の答申においては、国民の各ライフステージに応じた望ましいスポーツとのかかわり方とスポーツ参加促進のための方策等について提言するとともに、国民が各ライフステージでどのような運動・スポーツに親しむべきかについて参考となる指針等が示された(1-1-1 1-1-2 )。


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