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2部   文教施策の動向と展開
第2章   生涯学習社会の構築を目指して
第3節   学習機会の拡充
2   生涯学習時代に向けた大学改革-高等教育へのアクセスの拡大-


現在進められている大学改革においては、社会に開かれた高等教育機関を目指して、社会人の学習機会の一層の拡大・充実に努めることなどを内容とする生涯学習への対応が重要な位置を占めている。

また、近年の技術革新の著しい進展や産業構造の変化などに対応して、学校での社会人再教育を行う リカレント教育 【用語解説】へのニーズが高まってきているが、特に職業人を対象として高等教育機関が実施する職業指向の教育(リカレント教育の中でも、このようなものはリフレッシュ教育と呼ばれる)の拡充について、大学等に寄せられる期待は大きい。

このような背景の下に、以下のような施策が推進されている。


<リカレント教育>

「リカレント教育」とは、「学校教育」を、人々の生涯にわたって、分散させようとする理念であり、その本来の意味は、「職業上必要な知識・技術」を修得するために、フルタイムの就学と、フルタイムの就職を繰り返すことである(日本では、長期雇用の慣行から、本来の意味での「リカレント教育」が行われることはまれ)。我が国では、一般的に、「リカレント教育」を諸外国より広くとらえ、働きながら学ぶ場合、心の豊かさや生きがいのために学ぶ場合、学校以外の場で学ぶ場合もこれに含めている(この意味では成人の学習活動の全体に近い)。なお、「リフレッシュ教育」は、「リカレント教育」のうち、

1) 職業人を対象とした、
2) 職業志向の教育で、
3) 高等教育機関で実施されるもの

であり、むしろ諸外国での「リカレント教育」に近い概念である。


(1) 社会人特別選抜

多くの大学では、社会人を対象とする特別選抜制度が実施されている。平成6年度には、207大学(うち国立大学は28大学)において実施されており、これによる入学者は4,199人(うち国立大学は534人)となっている。


(2) 編入学

短期大学や高等専門学校を卒業した人で、4年制大学への編入学を希望する人が増加しているのを受け、平成3年の大学設置基準の改正により、編入学のための定員枠を設定しやすいものとした。7年度には、短期大学・高等専門学校からの編入学者数は1万2,348人(うち国立大学は2,427人)となっている。


(3) 夜間部・昼夜開講制

学習者の時間的制約に対応するため、多くの大学では夜間部の設置や昼夜開講制の実施が行われている。

平成6年度には、夜間の学部・学科は、152の大学・短期大学(うち国立大学は37)に置かれており、在学者数は14万4,975人(うち国立大学は1万7,891人)となっている。また、職業に就いているなどのため昼間の学習が困難な社会人の高度な学習ニーズに対応して、専ら夜間に教育を行う夜間大学院も、6年度現在、10大学(うち国立大学は2)に設置されている。

また、学生の都合に合わせて、昼間・夜間の両方の授業を受けることができる昼夜開講制を実施している大学は、平成6年度現在、27大学(うち国立は22)であり、大学院についても、92大学(うち国立は60)において実施されている。


(4) 科目等履修生

社会人等に対し、パートタイムの学習機会を拡充し、その学習に適切な評価を与えるため、平成3年の大学設置基準の改正により科目等履修生制度が設けられた。これにより、大学における授業科目の一部を履修して単位を修得することができるようになった。

平成5年度において、科目等履修生を受け入れている大学は、253大学(うち国立は53)、科目等履修生の数は5,431人(うち国立は1,510人)となっている。


(5) 聴講生・研究生

聴講生・研究生は、正規の学生や科目等履修生とは異なり、法令上の根拠はなく、各大学の規定によって受け入れられてきたものである。平成6年度現在、聴講生・研究生の総数は、約3万人である。


(6) 通信教育

平成6年度に通信教育課程を設置している大学・短期大学の数は25(放送大学を含む。)であり、在学者数は合計約24万人(うち放送大学が約5万人)である。また、学校教育としての通信教育課程以外に、文部省認定社会通信教育を実施している大学が4校ある。


(7) リカレント教育推進事業

文部省では、産業構造・就業構造の変化や技術革新に対応する組織的な学習機会を提供するため、リカレント教育推進事業を実施している。これは、高等教育機関、地方公共団体、産業界等の関係者で構成する、地域リカレント教育推進協議会が実施主体となり、

1) 社会人・職業人の学習ニーズなど情報の収集・提供、
2) 学習プログラムの研究開発、
3) 学習コースの開設、

などの事業を総合的に実施するものである。平成7年度においては、北海道、山形、千葉、京都の4地域で実施されている。


(8) 大学の公開講座

大学公開講座は、大学における教育・研究の成果を直接社会に開放し、地域住民等に高度な学習機会を提供するものである。平成5年度には、国公私立を合わせて4,590講座が開設され、受講者も約54万人に上っている。講座の内容は、職業人を対象とした専門的・技術的なもの、いわゆる現代的課題に関するもの、語学、スポーツなど、極めて多岐にわたっている。


(9) 大学入学資格検定制度

大学入学資格検定制度は、高等学校教育を受けられなかった人などに対して、能力に応じて広く大学教育の機会を提供するための制度であり、この資格検定を受け一定の科目に合格した場合に、大学入学資格が与えられる。平成6年度は、受検者数約1万7,700人、合格者数約5,200人となっている。


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