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2部   文教施策の動向と展開
第11章  第11章文教施設の整備充実
第2節  文教施設の整備充実のための方策
3  高等教育施設の整備充実



(1) 高等教育施設の現状

我が国の高等教育施設は,戦後の復旧と新制大学の発足に伴う応急的な整備を経て,昭和30年代後半以降,木造から鉄筋コンクリート造への改築,理工系学部を始めとする学生増募,工業高等専門学校の創設等によって急速な量的拡大を遂げた。昭和40年代以降になると,高等教育に対する新たな要求に対応するため,筑波研究学園都市における文部省関係機関の整備,新設医科大学や新構想大学(技術科学大学,新教育大学)の創設,大学共同利用機関の創設等に伴う施設整備が進められ,一方,公私立大学においても,大学の新増設や学部学科増が相次いだことにより,高等教育施設の規模は一層拡大することになった。

平成4年5月現在,高等教育施設の延べ面積は,国立約1,752万m2公立約278万m2,私立等約2,847万m2高等教育全体では約4,877万m2となっており,この10年間でそれぞれ13%,38%,42%,全体では30%増加している。

このような量的整備が進む一方,近年,施設の老朽化・狭隘化の進行に伴い,国立大学協会を始めとする関係諸団体の提言及び各種審議会の答申等において施設の改善の必要性についての指摘が相次いでおり,その対応が大きな課題となっている。

国立学校施設については,建築後20年以上を経過した建物が全体の約49%を占めており(2-11-1 ),改築もしくは大規模な改修を必要とする建物が増加している。このように老朽化が進んだ要因としては,昭和30年代後半以降に大量に建設された施設が一斉に改修時期にさしかかっていることや,昭和55年度以降,施設整備費が減少を続けた中で,新設大学や大規模事業推進のためかなりの施設整備費を要したことから,既設学部における各種施設整備が滞る事態となったことなどが考えられる。

また,老朽化に加えて施設の狭隘化も年々深刻になりつつある。これは,大学院の充実に伴う大学院生の増加,留学生10万人受入れ計画を契機とした留学生数の大幅な増加,教育研究の高度化等による各種実験研究設備の増加及び大型化,研究室内の情報機器や図書資料の増加等によるものと考えられる。

2-11-1  国立学校施設の経年別保有面積(平成5年5月1日)


(2) 国立の高等教育施設整備方策

今後の国立の高等教育施設整備に当たっては,時代の変化に対応し教育研究基盤の整備充実を図る見地から,教育・学術の振興,社会の国際化・情報化の進展,大学の教育機能の地域への開放等の各種施策の遂行に伴う施設の整備や,老朽化・狭隘化に対応するための改築及び改修整備等の多くの課題に適切に対応する必要がある。文部省では,このような諸課題に対処するため,高度な機能を備えるとともにゆとりと潤いのあるキャンパスづくりを目指し,いわゆるインテリジェントキャンパスの整備を推進するとともに,次のような施策に取り組むこととしている。

第一は老朽化・狭隘化した施設の計画的な改善である。建築後長い年月を経過した施設を今日の教育研究に必要な諸機能を備えた施設に高度化することが必要であり,このため老朽施設の改築及び改修整備を計画的に進めている。また,大学院生や留学生の増加,実験機器の大型化,情報機器の導入等による教育研究用スペースの狭隘化に対する改善策を講じることとしている。

第二は教育研究の新たなニーズに対応した施設整備の推進である。大学審議会答申及びこれに基づく大学設置基準の大綱化等を契機として,大学院重点化構想やカリキュラム編成の多様化等の高等教育の改革が進められており,このような変化に対応した新たな施設整備を推進していくことが必要であり,施設計画面においても,新たな施設整備需要に適切に対応することが必要である。

平成5年度においては,これらの需要に対応するため,国立学校施設整備に関する経費として対前年度比6%増の約1,089億円を計上している。この中には,重点的施策として,特に老朽化・狭隘化が著しい施設について緊急かつ計画的に整備を行うための特別施設整備事業(平成4年度から)を含んでいる。同事業は,国立学校特別会計に国立学校用地の移転跡地の処分収入等を財源として創設された特別施設整備資金を活用して整備を行うもので,平成5年度は200億円を計上した。

このほか,平成5年4月に決定された新総合経済対策において,社会資本整備の新たな展開を図ることとして「大学,研究所等の老朽化した施設等の改善,教育,研究の高度化,情報化に対応した各種施設,システム等の整備を推進する」ことが特に盛り込まれ,その一環としての平成5年度補正予算においては,国立学校等の老朽化した施設等の改善充実を図ることとしている。


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