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2部   文教施策の動向と展開
第11章  第11章文教施設の整備充実
第2節  文教施設の整備充実のための方策
1  文教施設のインテリジェント化の推進



(1) インテリジェント・スクール構想の概要

近年,所得水準の向上,自由時間の増大,高齢化の進行等社会の成熟化に伴い,人々の学習意欲は高まり,多様がっ高度な学習需要が増大してきている。学習需要の増大に対応するためには,適切がっ十分な学習機会を提供するとともに,学習環境を整備する必要がある。臨時教育審議会答申の「インテリジェント・スクール構想」においては,地域の教育,研究・文化・スポーツ施設を高度の情報通信機能と快適な学習・生活空間を備えた施設として再編,整備することにより,地域共通の生涯学習,情報活動の拠点とすべきことが提言されている。

文部省では,この提言を受け「文教施設のインテリジェント化に関する調査研究」を実施し,平成2年3月,今後の文教施設の在り方(1)人々の多様かつ高度な学習需要に対応するための施設の多機能化及び高機能化,2)文教施設の持つ様々な機能の高度化を図るための施設・環境の有機的な連携,3)情報化の進展に対応するための情報通信・処理機能等の導入,4)人間性,文化性及び自然との調和に配慮した,快適で豊がな環境の創造)等を示した「文教施設のインテリジェント化について」の報告を取りまとめた。


(2) パイロット・モデル研究の実施

文部省では,平成2年度から,文教施設のインテリジェント化の具体的な推進と実証的な検討を行うため,地方公共団体等にインテリジェント化に関するパイロット・モデル研究を委嘱し,1)地域学習環境総合整備計画,2)特色ある文教施設複合型整備計画,3)特色ある文教施設個別型整備計画,4)地域情報通信ネットワーク整備計画の具体的な策定研究を実施してきており,それぞれの地域の状況に応じた文教施設のインテリジェント化計画に関する研究報告が取りまとめられている(2-11-1 )。

2-11-1  文教施設のインテリジェント化に関するパイロット・モデル研究―覧


また,平成4年度から,パイロット・モデル研究校など先駆的な学校施設等についての紹介,学識経験者による講演等を通じて,文教施設の整備の方策について,情報提供,情報交換等を行うことを目的としたインテリジェント・スクールセミナーを開催している。平成4年度は,社会教育施設等のインテリジェント化をテーマとして,新潟県において開催した。平成5年度は,学校施設のインテリジェント化をテーマとして,沖縄県で開催する予定である。


(3) 文教施設の複合化

「文教施設のインテリジェント化について」の報告の中で文教施設の多機能化,高機能化を図るための一方策として提言された文教施設の複合化は,従来から臨時行政改革推進審議会の複合化の推進等に関する答申等を踏まえ,社会教育施設等を中心に進められてきていた。しかしながら,学校施設と他の文教施設との複合化については,現在のところまだその事例は少なく,また,解決すべき技術的課題も多いことから,平成2年度に,学識経験者等の協力を得て調査研究を実施し,この成果を平成3年3月,学校施設の複合化における施設計画,施設設計及び施設管理上の具体的な留意事項として都道府県教育委員会に通知した。

この通知において,学校施設の複合化は,1)地域における総合的な生涯学習基盤の整備の推進,2)学校教育の活性化に資するための学校教育環境の質的な向上の推進を目的とし,その計画に際しては,児童生徒や地域住民等の学習の場にふさわしい環境を確保する観点から,学校施設との機能的な連携や空間的な一体化が可能で,学習環境の高度化に寄与するものを複合化する対象施設として選択すべきであり,学習環境に障害又は悪影響を及ぼす施設との合築は避けることとしている。

近年,公共用地の取得難や学習需要の増大などに対応する上で,特に都心部等を中心に,文教施設の複合化が課題となっているが,今後,複合化の趣旨,目的等を十分踏まえ,学校及び地域の学習環境の高度化に寄与する適切な複合化計画が期待される。


(4) インテリジェント化への財政支援

学校施設の多機能化,高機能化の推進を図ることを目的として,平成4年度から,公立の小・中・高等学校及び特殊教育諸学校を対象に「学校施設のインテリジェント化推進事業」を実施している。

この事業は,インテリジェント化の推進に必要となる,多目的スペース,コンピュータ導入スペース等の整備や,室内の木仕上げ,二重床,空気調和設備の設置等の事業に対し補助金を加算する制度である。

また,従来から,社会教育施設,文化施設等と他の文教施設等とを複合化する場合,その整備が円滑に進められるよう補助金運用上所要の配慮を行ってきているが,平成5年度からは,学校施設と他の文教施設との複合化に伴い必要となる玄関ホール,階段等の整備に要する経費に対して補助を行うこととしている。


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