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2部   文教施策の動向と展開
第9章  国際化の進展と教育・文化・スポーツ
第5節  海外子女・帰国子女教育の充実
1  海外子女教育の充実



(1) 海外子女教育の現状

我が国の国際的活動の進展に伴い,海外に長期間滞在する義務教育段階の子どもの数も平成5年度現在約5万1,000人に達している(2-9-4 , 5 )。

国内と全く異なる教育環境に置かれたこのような子どもに対し,日本国民にふさわしい教育を行うために,現地の日本人会等が設置主体となって日本人学校,補習授業校が設置されている。

日本人学校は,義務教育段階の教育を行うことを目的とする全日制の教育施設で,平成5年度現在88校が設置されている。また,補習授業校は,現地校等に通学している子どもに対し,土曜日等に国語その他の一部の教科について授業を行う教育施設で,平成5年度現在165校が設置されている(2-9-4 )。

2-9-4  海外の子どもの数等の推移

2-9-5  海外の子ども(学齢段階)の地域別就学状況(平成5年5月1日現在)

また,日本人学校,補習授業校以外の私立在外教育施設等(小・中・高等学校段階)が平成5年度現在15校(ヨーロッパ地域10校,北米地域2校,中南米・アジア・大洋州地域各1校)設置されている。特に近年,国際化の観点や外国政府・自治体の誘致などにより,国内の学校法人等が海外に教育施設を設置する例が増加している。


(2) 海外子女教育の施策

海外子女教育は,我が国の主権が及ばない外国において展開されるものではあるが,国内とは異なる環境に置かれた子どもに対し,日本国民にふさわしい教育を行うとともに,併せて国際性を培うことを目的とするものである。文部省は,在留邦人の福利の増進を所掌する外務省との連携を図りつつ,海外子女教育振興のための施策を講じている。

第一に,日本人学校・補習授業校について,その教育水準の維持向上を図るため,毎年度国内の国公私立の義務教育諸学校の教員を派遣している。これは,海外子女教育に関する施策の中で最も大きな役割を果たしているものであり,平成5年度現在の派遣教員定数は1,276人に達している。また,派遣教員に優秀な人材を得る必要があることから,派遣教員候補者(管理職及び教諭の一部)の登録を派遣の1年3か月前に行うとともに,基礎研修及び派遣前研修等を実施している。

第二に,海外子女教育の教育内容の充実を図るため,海外子女教育研究指定校の指定,校長研修会の開催などを実施するとともに,義務教育教科書の無償配布,日本人学校・補習授業校の教材整備事業,通信教育事業の推進などの施策を講じている。また,補習授業校については,その教育水準の向上を図るため,国内の教員を派遣しての巡回指導や在外教育施設派遣教員による巡回指導等を実施している。

このほか,国内関係機関と在外教育施設との間のパソコン通信による情報ネットワークの整備を進めており,平成5年度においても4年度に引き続き必要なデータベースの開発等を実施している。

第三に,日本人学校や私立在外教育施設等で国内の学校と同等の教育課程を有するものについて,文部大臣の認定を行っている。認定を得た教育施設の生徒には高等学校又は大学の入学資格等を付与し,教職員についても教育免許状等の取扱いを国内の学校の教職員と同様とすることとしている。


(3) 国際理解に関する教育活動の推進

日本人学校等における教育については,海外における教育という特性を生かし,国際性豊かな日本人の育成に積極的に寄与する特色ある教育活動を展開する必要がある。このため,所在国の実情を踏まえて,できる限り現地で得られる経験を積ませるとともに,現地の子どもを受け入れるなど日本人学校等を国際的に開かれたものとする必要がある。さらに現地社会との教育・文化交流活動を積極的に進め,異文化への理解を深めることで国際性豊かな日本人の育成を図っていくことが期待されている。

現在,日本人学校等においては,それぞれの所在国の言語や歴史,地理などの現地の事情にかかわる指導を取り入れたり,現地校等との協力の下に,運動会,音楽会等の諸活動を通じて現地の子どもとの交流の促進に努めている。また,日本人学校の中には,日本語講座や国際学級を設けるなどして外国人の子どもを受け入れているところもある。

これらの教育活動及び日本人学校等を拠点とした国際交流等を一層推進するため,文部省においては,日本人学校等を国際教育・文化交流推進校(平成5年度は9校)に指定し,その中核的な役割を果たす専任の職員として国際交流ディレクターを派遣している。


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