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2部   文教施策の動向と展開
第8章  体育・スポーツ及び健康教育の振興
第4節  競技スポーツの振興
2  競技スポーツの振興



(1) 選手強化事業の充実

我が国のスポーツを振興する上で,民間スポーツ団体の果たす役割には極めて大きなものがあるが,(財)日本体育協会が主として国民スポーツの振興を,(財)日本オリンピック委員会(JOC)が国際競技力の向上をそれぞれ担当している。文部省では,この両団体及び各中央競技団体が行う競技スポーツの振興のための事業の充実を図るため,両団体に対して国庫補助を行っている。具体的には,(財)日本オリンピック委員会の行う選手強化事業や国際交流事業などの事業,(財)日本体育協会の行う社会体育指導者の養成,ジュニア育成事業,海外スポーツ技術協力事業(ODA)などの事業に対して国庫補助を行っている。

また,スポーツ振興基金においても,各競技団体等やトップレベルの選手・指導者に対し,競技力の向上のための援助を行っており,国による援助と合わせて,我が国スポーツの振興のため大きな役割を果たしている。


(2) 都道府県における競技力向上施策に対する援助

素質のある選手を早期に発掘し,中・長期的な視点に立った指導・養成を行うため,各都道府県が都道府県体育協会等の協カを得て,中・高校生を対象とする強化合宿やコーチの配置を行う競技力向上ジュニア対策事業に対し補助を行っている。

また,我が国の体育・スポーツの向上と振興に特に顕著な功績のあった者をスポーツ功労特別指導委員として委嘱し,都道府県の主催する体育・スポーツ事業における指導等に派遣している(平成5年度予定14競技26名)。


(3) 文部省スポーツアドバイザーの設置及び指導者の資質向上

競技力向上施策の推進に当たっては,選手を始めとする現場の意見を反映させることが極めて重要である。

このため,オリンピック競技大会や世界選手権大会等で優秀な成績を収めた者で,現役引退後,後進の指導に意欲的に取り組んでいる新進の指導者を,文部省スポーツアドバイザーとして委嘱している。

一―方,競技力の向上を図るためには,資質の高い指導者の養成・確保も重要な課題である。このため,平成5年6月現在,陸上競技など29競技において,競技団体等が実施している競技力向上指導者(上級・中級・級)の養成事業を文部省が認定している。

さらに,選手の育成・強化に当たるコーチ,スポーツ医・科学の研究者及び都道府県の行政担当者等が,研究協議や情報交換を行うとともに,相互の理解を深め,有機的な連携に基づく強化指導体制の確立を目指すため,スポーツコーチ国内サミットを開催している。


(4) スポーツ医・科学の研究体制と強化拠点となる施設の整備

近年の世界の競技水準の著しい向上に対抗するためには,科学的・体系的・組織的な選手強化が必要である。このため,臨時教育審議会,スポーツの振興に関する懇談会(内閣総理大臣の懇談会)等においても,我が国におけるスポーツ医・科学の研究の遅れを指摘した上で,その推進により競技力の向上を図るため,スポーツ医・科学研究所とナショナルトレーニングセンターの設置が急務であると提言している。

このような提言等を踏まえ,文部省では,現在,「国立スポーツ科学センター」(仮称)を設置するための準備を進めている。このセンターは,我が国の競技力向上を図るため,スポーツ科学の研究等を行うことを目的とする施設であり,特殊法人日本体育・学校健康センターの機関として設置される予定である。

なお,運動場,コート,体育館,水泳プールなどの各種のスポーツ施設及び宿泊施設を配置した各競技用のトレーニング施設を備えた総合的なナショナルトレーニングセンターの構想については,長期的な目標として検討を進めることとしている。


(5) 国民体育大会の開催

国民体育大会(国体)は,各都道府県対抗による我が国の総合的な競技大会であり,「国民スポーツの祭典」として,我が国におけるスポーツの振興に大きな役割を果たしている。

国体は,昭和63年の第43回大会(冬季=群馬・手,夏・秋季=京都)から二巡目に入り,その二巡目以降の在り方については,(財)日本体育協会を中心に検討され,広く国民各層を対象とした国体を目指す方針が打ち出され,運営の合理化,採点方法の簡略化等の変更が行われた。

文部省としては,平成2年6月に(財)日本体育協会及び関係都道府県の代表と協議する場を設け,主催者間の連絡を一層密にしている。


(6) 国際競技大会に対する支援

オリンピック競技大会等の国際競技大会を我が国で開催することは,我が国のスポーツの振興,国際的友好親善等に大きな意義を有するものである。

我が国では,平成6年に広島アジア競技大会,平成7年にユニバーシアード福岡大会,平成10年に長野オリンピック冬季競技大会が,開催されることとなっている。政府では,これらの国際競技大会の開催が大きな意義を有することから,それぞれ閣議了解を行い,必要な協力を行うこととしている。

特に,長野オリンピック冬季競技大会組織委員会の準備に対する支援としては,平成3年11月に設立された(財)長野オリンピック冬季競技大会の組織委員に内閣官房長官及び文部大臣が就任し,運営に協力しているほか,平成4年2月に,総理府に内閣官房長官を会長とし関係各省庁の事務次官等で構成する「長野オリンピック冬季競技大会準備対策協議会」を設置し,同大会の準備に関し政府施策に関連する事項についての連絡調整を図っている。さらに,平成4年5月に,「長野オリンピック冬季競技大会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律」が公布・施行され,寄附金付き郵便切手等の発行,国家公務員及び地方公務員の組織委員会への派遣などについて,関係法律の特例が設けられた。なお,平成5年度予算においては,競技施設の整備に対する補助金として66億1,500万円を計上している。

また,広島アジア競技大会,ユニバーシアード福岡大会については,各組織委員会の委員に文部事務次官が就任するなど,その運営に協力している。


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