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2部   文教施策の動向と展開
第7章  社会教育の振興
第6節  社会教育の諸条件の整備
1  社会教育施設の整備


社会教育施設には,公民館を始め,図書館,博物館,青少年教育施設,婦人教育施設,視聴覚センター等がある。近年これらの施設の整備が進められるとともに,それぞれの目的に応じた各種の学習活動が活発に展開されている。また,最近,生涯学習推進センター等の名称で県立の総合的な社会教育施設を設けて,県民の学習需要にこたえている例が増大しつつある。

文部省では,公立社会教育施設の整備を行う地方公共団体に対し,施設整備に必要な建設費の一部を助成している。さらに,平成4年度からは,社会教育施設を中心に地域課題や学習需要等に応じた新しい事業を独自に企画・開発し,地域における生涯学習の一層の活性化を図るー「社会教育施設活性化支援事業」に対して補助を行っている。

生涯学習推進センター等については第2部第2章で,青少年教育施設,婦人教育施設,視聴覚センターについては本章の関係のところで述べているので,以下においては,公民館,図書館,博物館について述べる( 2-7-2 , 3 )。


(1) 公民館

公民館は,戦後,我が国独自の社会教育施設として提唱され,整備が進められてきたもので,身近な日常生活圏域における社会教育活動の中心的な施設であり,地域住民の学習活動の拠点として重要な役割を果たしている。全国の公民館数は平成2年10月現在で1万7,347館となっている。なお,市町村の公民館の設置率を見ると,市(区)が83%,町村が48%,全体では61%となっている。

2-7-2  社会教育施設利用者数の推移

文部省では,公民館の整備・充実を図るため,公民館施設の整備費に対する補助を行っているが,近年では,特に市町村の生涯学習推進体制を整備するという観点から,市町村全域を視野に入れた,地域の生涯学習推進の中核施設として,様々な施設機能を持つ生涯学習センターとしての大型公民館の整備を図っている。

2-7-3  社会教育施設数の推移


(2) 図書館

図書館は,住民の身近にあって,人々の学習に必要な図書や資料,情報を収集・整理し,提供する施設であり,一般には公共図書館と呼ばれている。

平成2年10月現在の公共図書館数は,地方公共団体が設置する公立図書館が1,917館,法人等が設置する私立図書館が33館となっている。なお,市町村の図書館設置率は,市が91%,町が25%,村が8%,全体では36%となっている。また,年間貸出冊数は,平成元年度において,国民一人当たり約2冊に当たる2億7,000万冊の図書が貸し出されている。公共図書館は逐年整備・充実が図られており,最近の15年間では図書館数は1,066館から1,950館と1.8倍,図書の貸出冊数は3.5倍と着実な伸びを示している( 2-7-4 )。

最近では,CD(コンパクトディスク)やビデオテープ,ビデオディスクなどの新しい種類の資料を収集し,利用者のニーズに応じたサービスを提供するところも増えている。また,コンピュータが約42%の図書館で導入されており,図書の検索や貸出・返却などに利用され,さらには本館と分館,県立図書館と市町村立図書館などのオンライン化や相互貸借を円滑にするためのネットワークシステムの構築が進められるなど,利用者へのサービスの向上に活用されている。

なお,人々の生活時間に対応して日曜開館や夜間開館を行うなど,弾力的な運営に取り組んでいる図書館が年々増加しており,平成元年度において,日曜開館を実施している図書館は88%,18時以降も開館している図書館は40%となっている。

2-7-4  公共図書館の推移

文部省では,公立図書館の整備充実を図るため,図書館施設の整備費を補助しているほか,巡回文庫用自動車の整備,点字図書・拡大読書機等の整備事業などを行う市町村等に補助している。

また,今後の公立図書館の在り方について検討を進めてきた生涯学習審議会に設けられた図書館専門委員会は平成4年6月,「公立図書館の設置及び運営に関する基準について(報告)」を取りまとめた。文部省では,これを今後の図書館行政の参考とし,公立図書館の一層の整備・充実に努めるよう地方公共団体の格段の配慮を求めている。さらに平成5年度から文部省では,公共図書館新任館長研修,地区別公共図書館研究協議会等を実施し,公共図書館の一層の振興を図ることとしている。


(3) 博物館

博物館は,歴史,芸術,民俗,自然科学などに関する資料を収集,保管,展示し,これらの資料による実物教育を中心として,人々の知識を啓発し,情操を豊かに創造力を養うための学習の場として重要な役割を果たしている。

平成2年10月現在で都道府県教育委員会の登録を受けた博物館が562館,博物館に相当する施設として文部大臣または都道府県の指定を受けた施設が237館あり,また,このほかに博物館と同種の事業を行う施設が2,169館ある。博物館には,国が設置する博物館,地方公共団体が設置する博物館,民法第34条の法人等が設置する私立博物館があり,また,館種としては,科学博物館,歴史博物館,美術博物館,水族館などがある。


1) 国立科学博物館

国立科学博物館は,我が国唯一の国立の自然史系博物館として,自然史等に関する資料を収集・保管・展示するとともに,調査研究,教育普及活動を行い,あわせて自然史研究の指導・連絡及び促進を図っている。

展示活動については,たんけん館やサイエンスシアターの創設など教育的視点に基づく展示内容の刷新に努めている。教育普及事業としては,青少年に対する科学の興味・関心を高めるとともに学校週5日制に対応した事業として,青少年科学活動,親子博物館実習教室等を行っている。また,教育普及活動の指導助言に当たる教育ボランティアを養成し活動の促進を図っている。

なお,筑波実験植物園(茨城県つくば市)においては,植物分類学及びその関連分野の実験研究に必要な内外の植物の収集・育成・調査研究を行い,これらの成果を公開するとともに教育普及活動を行っている。

さらに,附属自然教育園(東京都港区)においては,都心に残る自然そのものを公開して,自然の研究,観察及び学習に関する指導を行うほか,自然保護に関する調査研究等を行っている。


2) 公立博物館

博物館が人々の学習活動を支援する上で極めて大きい可能性を有していることから,地方公共団体においては,地域の特性を生かした各種の博物館の整備を進めている。

文部省では,博物館の整備充実を図るため,博物館施設の整備に対する助成を行っている。

また,私立博物館の整備充実に資するため,平成3年度から日本開発銀行等の博物館整備の低利融資制度の活用を導入した。

これからの博物館は人々の多様な学習ニーズにこたえる社会教育施設として,資料の整備充実,展示の内容・方法の開発,利用者のニーズに対応した多様な教育普及活動の充実,さらには,博物館施設の整備充実,情報ネットワークの形成,職員資質の向上などに必要な博物館活動の振興のための基盤の整備を図っていく必要がある。


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