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2部   文教施策の動向と展開
第6章  学術研究の振興
第6節  基礎研究の重点的推進
2  加速器科学


物質の究極的な構成要素とその間に働く力の原理を明らかにする素粒子の研究には,加速器と呼ばれる巨大な実験装置が用いられる。

加速器は,原子を構成する陽子や電子などの素粒子を光速近くまで加速し,他の物質や素粒子に当て,あるいはそれらの加速された粒子同士を衝突させるなどして高エネルギー現象を起こさせるものであり,原子核物理学や高エネルギー物理学の実験装置として,先端技術を開発しながら,近年,急速な発展を遂げてきている。他方,加速器は,加速された粒子あるいは放出される光を用いて材料の分析や加工を行うなど応用範囲も極めて広く,化学,生物学,工学,医学等の分野でも,また,工業技術,産業,医療等の実用面でも最先端の装置として活躍している。

現在,欧米,旧ソ連において巨大加速器による実験研究が行われているが,我が国では,大学共同利用機関である高エネルギー物理学研究所を中心に,世界に伍する研究活動を展開している( 2-6-7 )。

同研究所では,電子,陽電子衝突型加速器「トリスタン」(周長約3km,衝突エネルギー600億電子ボルト)を用いて,素粒子に関する実験研究を行っている。

2-6-7  世界の主な加速器及び建設計画

また,同研究所の放射光実験施設は,電子加速器(エネルギー25億電子ボルト)から放射される紫外線,X線領域の波長の光により,分子や原子のミクロの世界を調べる世界最大規模・最先端の放射光専用光源として,大学における研究はもとより民間企業の研究開発にも広く利用されている。さらに,同研究所の陽子加速器は,陽子ビームによるがんの治療やその研究にも威力を発揮している。


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