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2部   文教施策の動向と展開
第4章  高等教育の改善・充実
第3節  高等教育機関の整備
6  科学技術人材の養成



(1) 大学院に重点を置いた人材養成

理工系の大学院,学部や高等専門学校においては,優秀な技術者,研究者を数多く養成し,我が国の科学技術の水準の向上に寄与するとともに,産業の発展に大きく貢献している。

今後は,急速な技術革新に伴い,情報,バイオテクノロジー,材料などの先端技術分野における独創的で高度な教育研究が求められているため,特に大学院に重点を置いた人材の養成を進めていくこととしている。理工系の大学院については,特に国立大学が大きな役割を果たしており,平成5年度においても,3大学で3研究科を,また,16大学で23専攻を新たに設置した。

大学院における理工系教育に関しては,修士課程が入学定員を上回っているのに対し,博士課程が定員に満たない状況が続いているが,博士課程の定員の充足率も,特に国立大学を中心に年々改善されてきている。今後とも,大学における教育研究環境の整備充実,大学院学生に対する支援の推進に努めることとしているが,同時に,企業等における博士課程修了者に対する処遇の改善が期待されている。


(2) 若者の科学技術離れ

近年,いわゆる若者の科学技術離れの現象が指摘されている。その主なものとしては,若者の科学技術や技能労働に対する興味・関心が低下していること,理工系の学部への進学を志願する高校生の割合が低下していること,理工系の学部卒業者が製造業以外の業種に就職する傾向が一時顕著になったことなどが指摘されている。

理工系学部への入学者数自体は年々増加しているほか,製造業への就職者数も回復しつつあり,これらあ傾向は,直ちに憂慮すべき状況ではないが,長期的には我が国の科学技術や工業生産の水準を維持していく上で懸念される現象であることが産業界などから指摘されており,製造業を中心として企業等における研究開発職,技術職の処遇の改善が求められている。


(3) 理工系教育の改善充実

大学等における理工系教育についても,改善・充実を図っていくことが必要である。

平成3年の大学設置基準の大綱化を受けて,理工系教育についても,専門教育の基礎となる教育を1年次から導入するなど,一般教育と専門教育を有機的に関連させた教育課程を編成したり,総合的な判断力,ものの見方を養う学際的,総合的科目を開設するなどの改善が行われている。

文部省でも,昭和63年に工学教育の振興に関する調査研究会を設置して報告書「変革期の工学教育」をまとめ,博士,修士,学部の各課程ごとに明確な教育目標を設定し,それに基づく教育課程を編成することなど,工学教育の改善について提言し,各大学の取組を促している。

また,科学技術の高度化,学際化に対応した魅力ある教育研究体制を整備するため,国立大学の学科の新設・改組を進めており,平成5年度においても,8大学の工学部において学科の新設・改組を行った。

社会の高度技術化に伴い,あらゆる分野で理工系の人材が求められる状況は今後も続くことが予想される。一時,情報技術者を始めとして指摘された大幅な人材不足は緩和してきているものの,18歳人口の急減する今後においては,人材不足感の強い分野を的確に把握し,社会のニーズに一層対応した人材養成を進めることが課題となっている。


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