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2部   文教施策の動向と展開
第4章  高等教育の改善・充実
第3節  高等教育機関の整備
2  大学院の充実


今日,我が国には,先駆的な基礎研究を通じた世界的な貢献やこれを支える優れた研究者の養成が強く求められるようになっている。また,激しい技術革新や社会経済の進展等に伴い,高度な専門的知識・能力を持つ人材の養成,社会人の再教育等の需要も大きくなってきている。これらのニーズにこたえる上で,大学院の重要性が増大しており,その整備充実は大きな政策課題となっている。

このような観点から,文部省では平成3年に大学院制度面で所要の改正を行うとともに,平成4年度から,予算面で大学院の充実と教育研究の一層の高度化を図る措置を講じた。


(1) 大学院の拡充
1) 国立大学大学院の整備

国立大学の大学院については,学術研究の動向や社会的要請に対応して先端的,学際的分野等の教育研究を進めるため,学部とは独立の組織としての大学院の整備を始め,留学生の受入体制の整備,活発な研究を行っている学外の研究所等との組織的連携の推進等を図っている。平成5年度は,情報科学研究科,バイオシステム研究科,地球環境科学研究科,国際文化研究科や,教育学研究科,地域政策科学研究科,経済科学研究科など12大学に13研究科を設置した。また,遺伝子科学専攻,物質工学専攻,言語情報科学専攻など26大学に42専攻を設置した。さらに,理工系分野を中心として各省庁の研究所等との連携体制の下に教育研究を行う筑波大学,電気通信大学の大学院についてその体制の一層の整備を図った。


2) 公・私立大学大学院の新増設の動向

一方,公・私立大学の大学院の整備においても,それぞれの地域の実情や建学の精神を踏まえつつ,特色ある大学院の新増設が行われている。平成5年度においては,人間科学研究科,国際学研究科,経営情報学研究科などから成る大学院の新設(25大学29研究科),生物産業学研究科,国際協力研究科など研究科の増設(18大学20研究科),海洋生物科学専攻,生命科学専攻,社会福祉学専攻,システム工学専攻など専攻の増設(39大学65専攻)が行われた。


(2) 大学院の教育研究の高度化

我が国の学術研究面や人材育成面で,大学院の果たしている役割の重要性にかんがみ,その教育研究基盤の充実を図るとともに,世界的水準の教育研究拠点の育成を図ることが課題となっている。

平成3年5月の大学審議会答申においても,同様の観点から,世界の第一線に伍した水準の高い教育研究を積極的に展開していくためには,卓越した教育研究実績を上げることが期待される大学院や教育研究上の新しい試みに意欲的に取り組もうとしている大学院に対して,重点的な財政措置を講じる必要がある旨提言されている。

文部省では,このような課題に対応するため,平成5年度予算においては,各大学の個々の改革構想を踏まえ,大学院を中心とした教育研究組織の重点的な整備を行うとともに,次のような措置を講じた。

1) 優れた大学院を中心とした教育研究条件の整備やティーチング・アシスタント制度の導入などに必要な経費である「高度化推進特別経費」の増額
2) 優れた教育研究実績を上げている大学院研究科に対する「大学院最先端設備費」の増額
3) 日本育英会の育英奨学事業について大学院博士後期課程の貸与月額の増額や若手研究者を支援するための制度である日本学術振興会の「特別研究員制度」の採用人員の増員と研究奨励金の増額

(3) 大学院制度の弾力化の取組

大学院の入学資格や教育方法については,平成元年に大学院設置基準等を改正して新たな弾力化・改善を図った。現在,これを受けた各大学院の積極的な工夫・改善が見られるようになっている。


1) 夜間大学院・昼夜開講制の実施

専ら夜間に教育を行う夜間大学院(修士課程)が,平成5年度現在,筑波大学経営・政策科学研究科など7大学11研究科14専攻設置されている。また,昼夜開講制を実施しているものが,国公私立を通じて72大学106研究科302専攻に及んでいる。


2) 入学資格の弾力化の取組

優れた能力,資質を有する者が,早期に大学院教育を受ける機会を開くため,大学3年次から大学院へ入学を認める措置を,平成4年度現在,大阪大学基礎工学研究科,同志社大学法学研究科など31研究科で実施し,75人が入学した。また,学部卒業後,研究所等で2年以上研究に従事した者に博士後期課程への入学を認める措置を,平成4年度現在,宇都宮大学工学研究科,東京大学工学系研究科など21大学23研究科で実施し,84人が入学した。


3) 大学院の短期修了等

博士課程の修業年限は標準5年であるが,優秀な学生は最短3年で修了可能であり,平成2年度末にこれにより早期に課程修了し,学位を授与された者は,231人となっている。

また,平成3年7月の学位制度の改正の趣旨を踏まえ,学位授与の円滑化については,ようやく大学関係者の間でも問題意識が高まり,文科系の博士の学位授与の積極的な対応と改善に向けての動きが見られるようになった。

今後,各大学院において,これらの制度の積極的活用や自己点検・評価の推進を図り,活発な教育研究を展開することが期待される。


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