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2部   文教施策の動向と展開
第3章  初等中等教育の改善・充実
第11節  教員の資質能力の向上等
2  教員の現職研修の充実


教員の職責にふさわしい資質能力は,教職生活を通じて次第に形成されていくものであり,教員には,絶えざる研修が求められている。このため,国,都道府県,市町村,学校等において,初任者研修を始めとする多様な現職研修が実施されている。このうち,国は,各都道府県において指導的役割を果たす者の養成を目的として,校長,教頭及び各教科の指導者などを対象として,教職貝等中央研修講座などを直接実施するとともに,都道府県等が行う研修について助成し,その充実を図っている。


(1) 初任者研修制度

初任者研修制度は,教員としての使命感と実践的指導力を養うとともに,幅広い知見を得させることを目的として,昭和63年に創設された。

この制度により,新任教員は,採用された日から1年間にわたって,授業を始めとする教育活動に従事しながら,学校内及び学校外において,計画的,実践的な研修を受ける。

初任者研修は,小学校,中学校,高等学校,特殊教育諸学校の新任教員を対象に実施しており,平成5年度においては,国公立の小学校8,965人,中学校6,066人,高等学校3,973人,特殊教育諸学校1,676人が対象となっている。


1) 学校内における研修(週2日程度・年間60日以上)

校内研修では,指導教貝が中心となり,他の教員の協力を得ながら,新任教貝の特性に配慮した個別指導を行う。ここでは,児童生徒に直接関係する教育指導,学級経営,児童生徒理解,生徒指導等に関する研修のほか,部活動指導,諸帳簿の作成や事務処理,体育器具の管理等,広く教員の職務全体にわたる研修が行われる。


2) 学校外における研修(週1日程度・年間30日以上)

多様な教育的知識・経験や各種の社会体験を得させるために,教育センター等において講義,演習,実技指導を行っているほか,各教育委員会の主催により,自然体験・野外活動,奉仕活動,情報処理研修,地域施設見学,企業研修等,様々な体験的研修が実施されている。また,校外研修の一環として,夏休み等の長期休業期間中に,4泊5日程度の宿泊研修が行われる。さらに,文部省では,地域や学校種の枠を超えた相互交流を図り,教員としての一体感を養うため,教育委員会が推薦する新任教員を対象に,11日間の洋上研修を行っている。

初任者研修制度の成果として,(ア)新任教員が,自主的・意欲的に研修に取り組み,その資質能力の向上が著しい,(イ)指導教員についても,自らの教育活動を振り返り,指導力の向上を図る機会となっている,(ウ)初任者の指導が学校経営の重要事項として位置付けられ,従来の校務分掌や研修体制の見直しが行われるなど,学校全体の活性化につながっている,などの報告がなされている。このように,初任者研修が着実に定着していることを踏まえて,各教育委員会においては,研修の在り方や内容について一層の創意工夫をしている。特に,学校外における研修について,体験的研修の機会を拡大する等その充実を図ることが課題となっている。

なお,国・公立幼稚園の新任教員についても,初任者研修に準じた研修を,平成4年度から実施しており,新任教員は,幼稚園内での研修(教育委員会から派遣された指導員による指導)を年10日間,幼稚園外における研修を年10日間受けている。


(2) 初任者研修以降の現職研修の充実

初任者研修の定着に伴い,これに続く現職研修についても,各教員の教職経験や職能に応じて,必要な研修の機会を確保していく必要がある。

このため,文部省では,平成5年度より,教職経験者研修の拡充を図り,従来の教職経験5年の教員に対する研修に加え,教職経験10年又は20年程度の教員を対象とする研修についても補助の対象とした。

また,現職教貝が上位の免許状を取得する機会を確保することは,教員の現職研修に対する自発的な意欲を喚起するという観点から重要であり,平成5年度より,教育委員会が免許法認定講習を開設するための経費についても補助を行うこととした。

さらに,教員の専門的資質能力や社会性を高めることを目的として,大学,研究所,民間企業等への長期派遣研修が実施されており,その派遣教員数を増やすこととしているが,派遣先での研修内容の充実も図っていく必要がある。

今後は,各教員が教職の全期間を通じて必要な時期に適切な研修に参加できるようにするため,教職経験の節目ごとに行われる研修の一層の充実を図るとともに,その内容の改善を図るなど,研修体制を体系的に整備することが,重要な課題となっている。


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