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2部   文教施策の動向と展開
第3章  初等中等教育の改善・充実
第11節  教員の資質能力の向上等
1  教員養成,免許制度と採用



(1) 教員養成,免許制度の改善

教員の養成においては,幅広い人間性,教科・教職に必要とされる基礎的・理論的内容及び採用後必要とされる実践的指導力の基礎を確実に身に付けさせることが重要である。特に,近年の児童生徒の状況や,国際化・情報化等社会の進展に対応するためには,教員の養成段階において専門性及び実践的指導力の一層の向上を図るとともに,より深い学識を備えた者を教育現場に迎える必要がある。そのため,教員養成・免許制度については,教育職員免許法の改正等により,逐次その改善を図ってきている。

昭和63年の教育職員免許法改正においては,特定分野について高度の専門的知識・技術を習得した者を教育界に招致することなどを目的として,すべての学校種及び養護教諭について,大学院修士課程修了程度を基礎資格とする専修免許状を創設した。また,優れた知識・技術を有する社会人を教育界に迎え入れるために,各都道府県教育委員会が教育職員検定により授与できる特別免許状を設けるとともに,免許状を有しない者を非常勤講師として採用できる,いわゆる特別非常勤講師制度を創設した。このうち,特別非常勤講師制度については,全国の中・高等学校,特殊教育諸学校において,看護学,外国語会話,体育実技等の分野で活用されており,平成4年度においては,全国で延べ1,517人がこの制度により教壇に立っている( 2-3-9 , 10 )。

さらに,実践的指導力の向上を図るため,情報機器及び教材の活用を含む教育の方法及び技術に関する科目,生徒指導及び教育相談に関する科目等を必修科目として追加するなど,免許基準の引上げを行った。この新しい免許基準は,平成2年度の大学入学者から適用されており,新しい基準により養成された教員は,平成6年度から教職に従事することになる。

2-3-9  特別非常勤講師の採用許可件数の推移

2-3-10  特別非常勤講師による具体的な教授内容例(平成4年度)


(2) 教員採用の改善

教員の資質能力の改善のためには,採用の段階で教員としてふさわしい資質を備えた人材を確保することも重要な課題である。

高等学校以下の公立学校教員の採用選考は,各都道府県・指定都市の教育委員会が実施する教員採用選考試験により行われているが,各教育委員会は,教員としてふさわしい人材を確保するため,資質能力を幅広く,多面的に把握してそれを適正に評価できるよう,年々,採用選考方法の改善・工夫を図っている。

現在,すべての県市で面接試験が実施されているが,そのうち,集団面接を実施したところが平成5年度,56県市,1,2次試験両方で実施したところが41県市となっており,これらは増加傾向にある。

また,多くの県市で,作文・論文試験や実技試験を実施したり,社会的奉仕活動やクラブ活動の経験を評価対象とするなど選考方法の多様化が図られている。特に,小学校の受験者に対しては,すべての県市で水泳を始めとして何らかの実技試験が行われており,中・高等学校の受験者に対しても,平成5年度は48県市においてスピーキングやヒアリング等の英語の実技試験が行われており,これらは増加傾向にある( 2―3-5 , 6 )。

また,優れた人材を確実に採用するため,採用内定時期が民間企業と同時期になるよう採用スケジュールの早期化が図られており,昭和57年度には1月以降を採用内定時期とするのが36県市あったが,平成5年度には11月までに採用内定を行うのが47県市となり,1月以降は11県市のみとなっている( 2-3-7 )。

なお,近年,教員採用選考試験の受験者数は減少を続けている。平成3年度における教員採用選考試験の受験者数,採用者数は,それぞれ11万949人,2万6,265人であり,また,競争率(倍率)は4.2倍と低い率になっている( 2-3-8 )。このため,各教育委員会においては,ポスターやパンフレット等を作成・配布するなど優秀な人材を教員に確保するための広報活動にも力を入れている。文部省としても,教員としてふさわしい資質を備えた優秀な人材を確保するため,教員採用の改善について,各教育委員会を指導している。

2-3-5  実技試験の実施状況の推移

2-3-6  作文・論文試験,適性検査,面接試験の実施状況の推移

2-3-7  採用内定時期の推移

2-3-8  公立学校教員の採用者数の推移


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