ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
2部   文教施策の動向と展開
第3章  初等中等教育の改善・充実
第5節  高等学校教育の改革
2  高等学校入学者選抜方法等の改善



(1) 高等学校入学者選抜等の改善

高等学校の入学者選抜をめぐっては,従来から,過度の受験競争による人間形成のひずみや,社会の学歴信仰に基づく偏差値偏重等が指摘されてきた。とりわけ,近年,様々な弊害が指摘されている業者テスト問題については早急に改善すべき課題とされている。

高等学校の入学者選抜の改善については第14期中央教育審議会の答申(平成3年4月)において様々な提言がなされているが,その答申を踏まえ,より具体的な方策について検討を重ねていた「高等学校教育の改革の推進に関する会議」は,平成5年1月に,「第3次報告―高等学校入学者選抜の改善についてー」を取りまとめた。

文部省としては,この報告を踏まえ,都道府県等に対し,平成5年2月に「高等学校の入学者選抜の改善について」を通知し,国公私立高等学校の入学者選抜の改善を求めた。

この通知においては,生徒の多様な実態や高等学校教育の多様化に対応して,入学者選抜についても,生徒の個性の伸長,選択の幅の拡大の観点から,

1) 各学校・学科等の特色に応じて多様な入学者選抜を実施したり,同一の学校・学科等の中で入学定員を区分して複数の尺度に基づく選抜方法を実施したりする
2) 受験機会の複数化や推薦入学を積極的に活用することにより多段階の入学者選抜が実施されるように配慮する
3) 各学校・学科等,あるいは定員の一部ごとに,合否判定の際の調査書と学力検査の成績の比重の置き方を工夫する
4) 中学校の新しい教育課程の趣旨を踏まえ,調査書の学習成績の記録の評定及び活用,学力検査の問題などについて工夫改善を図る
5) 生徒の個性を多面的にとらえたり,生徒の優れている点などを積極的に評価するためにスポーツ活動,文化活動,社会活動,ボランティア活動などについて適切に評価する

ことなど選抜方法の多様化,選抜尺度の多元化を図る方策を示している。

ところで,近年,一部の私立高等学校で中学校から提供された業者テストの偏差値等によってかなり早い時期に事実上の合否決定を行ったり,中学校が業者テストの偏差値によって生徒の志望する高等学校を受験させないよう指導するなどの問題が見られるに至っている。

このような問題に対処するため,先の通知では,業者テストの偏差値を用いない入学者選抜の改善について,

1) 平成6年度入学者選抜から中学校は業者テストの結果を高等学校に提供しない
2) 同様に高等学校は業者テストや学習塾の実施するテストの結果等の提供を求めない
3) 授業時間中や教員の勤務時間中に業者テストを実施したり,教員がその費用の徴収や監督等に携わったりするなど,学校が業者テストの実施に関与することは厳に慎む

ことなどについて直ちに改善すべきことを求めている。

文部省としては,今後とも,高等学校の入学者選抜の多様化・多元化とともに,業者テストの偏差値を用いない入学者選抜の改善及び中学校の進路指導の適正化に向け最善の努力を続けていくこととしている。


(2) 保護者の転勤に伴う転入学者等の受入れの推進

近年,経済活動の広域化や国際化の進展に伴い,全国的規模で転勤する保護者や海外から帰国する保護者が増加している。

文部省では,保護者の転勤に伴う高校生の転入学等について,昭和59年3月,各都道府県教育委員会等に対して通知し,可能な限り弾力的な取扱いをするよう指導するとともに,転学の許可等の弾力的取扱いに関する学校教育法施行規則の改正などを行ってきた。平成2年度には,保護者の転勤に伴う転入学者等の受入れの推進に関する調査研究協力者会議を発足させ,平成3年7月に同会議より具体的方策として次のことが提言された。

1)転入学等の受入れ機会の拡大
2)転入学等に係る受験手続き等の簡素化,弾力化
3)転入学者等のための特別定員枠等の設定
4)転入学等に関する情報提供の充実

この報告を受けて文部省では,各都道府県教育委員会等に対して,提言内容の具体化に取り組むよう通知により要請を行った。また,国立教育会館のコンピュータと全国の都道府県教育委員会等の端末機とをパソコン通信で接続した「高等学校転入学情報等提供システム」を構築し,転入学に関する情報の提供を行っている。希望者は,各都道府県の教育委員会や私立学校担当部局の転入学情報提供窓口,又は国立教育会館に対して照会すれば,必要な情報を入手できる。なお,平成5年2月がらは,企業等へも情報提供を行っている。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ