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2部   文教施策の動向と展開
第3章  初等中等教育の改善・充実
第2節  教育の内容・方法の改善
3  学校週5日制の実施


平成4年の2学期から,幼稚園,小学校,中学校,高等学校並びに盲学校,聾学校及び養護学校において,毎月の第2土曜日を休業日とする学校週5日制が実施されている。


(1) 学校週5日制の導入の趣旨

学校週5日制の導入は,学校,家庭及び地域社会の教育の在り方や相互のかかわりを見直し,それぞれの教育力を高め合う中で,子どもたちがこれからの社会で生きていくための資質や能力,すなわち,自ら考え主体的に判断し行動できる資質や能力を身に付けることを目指すものである。学校週5日制は,このような考え方に立って導入された゜ものであり,各地域で様々な取組が進められるなど,おおむね順調に滑り出している。

今後,この月1回の学校週5日制の円滑な定着を図ることが課題であり,学校,家庭及び地域社会の関係者の理解と協力を得て,引き続き,日常的,継続的な取組を行っていくことが大切である。


(2) 学校週5日制の定着のための具体的な課題

月1回の学校週5日制の円滑な定着を図るためには,特に次のような点に配慮して取組を進めていく必要がある。


1) 新しい学力観に立った教育課程全体の見直し

学校においては,休業日となる土曜日分の授業時数をどのように取り扱うかということが教育課程上の対応の中心となっている例も一部に見られるが,自ら考え主体的に判断し行動できる資質や能力を育成する観点から,これまでの教育課程の編成,実施の在り方全体を見直す必要がある。

今後,平成4年度の実践の成果や課題を踏まえ,指導内容や指導方法の一層の工夫改善に努め,新しい学力観に立つ学力を子ども一人一人が確実に身に付けることができるよう努力することを通して,学力低下を懸念する保護者の不安を払拭するよう努めることが大切である。

その際,特に教科の学習指導について,質的な改善を図る必要がある。すなわち,これまでは教師が一定の知識や技能を教え込み,子どもが受け身でそれらを受け止めるような形になりがちであった。これからは,子ども一人一人が自らの課題を持って進んで学習活動を展開できるように学習指導の在り方を工夫し,教科の学習が楽しく充実したものになるようにすることが大切である。


2) 学校行事やゆとりの時間の精選

授業時数の運用の工夫としては,学校行事やゆとりの時間の活動の精選が考えられる。これについては,一部には,子どもの学校生活にゆとりや楽しみがなくなるといった指摘もある。

学校行事やゆとりの時間の活動については,教科の学習の発展として実施したり,家庭や地域社会における子どもの生活との関連を図ったりすることに留意して,活動内容の精選を図ることが大切である。そのことを通して,子どもたちが学校教育で身に付けた資質や能力が家庭や地域社会で生かされていくようになる。

このように,学校,家庭及び地域社会が相互補完的に教育力を発揮し,子どもの学習や生活が充実するようにしていくことが大切である。


3) 家庭や地域社会における対応の充実

家庭や地域社会においては,一人一人の子どもが主体的に使うことができる時間を確保し,ゆとりのある生活の中で個性を発揮したり,豊かな感性や社会性,創造性を培ったりすることが期待されている。

今後とも,このような考え方に立って,家庭や地域社会においては,異年齢や同年齢の子ども同士の遊び,自然や社会,生活にかかわる体験の機会や場の拡充を図る必要がある。

なお,休業日となる土曜日こおいては,子どもは家庭や地域社会で主体的に生活することを基本とすることが適当であるが,幼稚園や小学校低学年の子どもや盲学校,聾学校及び養護学校等の子どもで保護者が希望する場合には,学校などにおいて,必要に応じて遊び,スポーツ,文化活動などを実施することも考慮する必要がある。このため,これに要する経費が地方交付税において措置されている。


(3) 今後の見通し

学校週5日制については,あらかじめ一定のスケジュールを決めて実施する性格のものではなく,それが目指している教育がどの程度実現できるかによって次の段階へ進むべき問題である。

したがって,今後,実施の過程において出された課題を一つ一つ解決しながら,次の段階へ進んでいける状況をできるだけ早く作っていくことが大切であり,現時点で具体的な見通しを示すことは困難である。

なお,月2回の学校週5日制については,平成4年5月に国が指定した642校の「調査研究協力校」において,月2回の学校週5日制を実施した場合の教育課程の在り方や学校運営の在り方を研究している。また,平成5年8月に国が指定した「実践研究地域」において学校,家庭及び地域社会の対応の在り方を研究している。月2回の学校週5日制については,これらの研究の成果などを分析しながら検討を行うことが必要である。

今後,全国すべての学校で学校週5日制を実施していくに当たって,あるいはいろいろな課題が生じることもあるかもしれないが,それらの課題について,子どもの立場に立つことを基本とし,学校と家庭や地域社会が力を合わせながら,一つ一つ適切な解決策を探っていくことが求められる。


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