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2部   文教施策の動向と展開
第2章  生涯学習の振興
第3節  学習需要の喚起と学習機会の提供
1  学習需要の喚起



(1) 生涯学習に関する国民の意識

平成4年2月に実施された総理府の「生涯学習に関する世論調査」によれば,現在学習活動を行っている人の割合が47.6%であり,昭和63年の前回調査に比べて8%増加している。また,今後生涯学習をしてみたいと思っている人の割合は66%に上っている。

学習をしてみたい理由としては,「趣味を豊かにするため(56.3%月)」「健康,体力づくりのため(40.8%)」「他の人との親睦を深めたり,友人を得るため(39.6%)」といった,生きがいや楽しみに関するものを挙げる人が多いが,「現在の仕事や就職・転職に役立てるため(14.1%)」「高度な専門的知識を身につけるため(12.8%)」といった理由を挙げる人の割合も多い( 2-2-1 )。また,してみたいと思う学習の内容についても,「趣味的なもの(58.2%)」「健康・スポーツ(53.7%)」などを挙げる人が多いが,「職業上必要な知識・技能(19.6%)」「ボランティア活動やその知識・技能(15.7%)」「社会問題(14.6%)」などを挙げる人の割合も多い。

一方,学習活動をしていない理由としては,「仕事や家事が忙しくて時間がない(59.2%)」ことを挙げる人が多いが,「身近なところに施設や場所がない(7.2%)」「自分の希望に合う講座や教室がない(5.9%)」「必要な情報をなかなか入手できない(4.7%)」といったことも理由として挙がっている。

2-2-1  生涯学習をしてみたいと思う理由

このような調査結果から,人々の学習需要は大きくなってきており,また多様化,高度化していることがうかがわれるが,学習活動の振興のためには,引き続き普及啓発を行う必要がある。

さらに,学習活動を行いたいという意欲を持っているが,様々の理由により具体的学習活動に結び付いていない場合も多いと言われており,このような潜在的学習需要を顕在化させ,具体的な学習行動に結びつけていくことが求められている。

このような観点から,国及び地方公共団体において,以下のような様々な施策が展開されている。


(2) 自己教育力の育成

人々の学習活動を振興していくためには,特に初等中等教育の段階において,生涯にわたって学習を続けていくための基礎的な能力や,自ら学ぶ意欲や態度を育成することが重要である。このため,学校教育においては,教育内容を精選して基礎的・基本的な内容を徹底させるとともに,新しい知識を学んだり発見したりすることの楽しさを体験させ,個性を生かす教育を進める必要がある。

このことは,従来から,教育課程の基準の改訂や各学校における指導の中で重視されていたが,平成元年3月に改訂した学習指導要領においては,1)豊かな心を持ち,たくましく生きる人間の育成を図ること,2)自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力を育成すること,3)国民として必要とされる基礎的,基本的な内容を重視し,個性を生かす教育の充実を図ることなどを基本方針としている。新しい学習指導要領は平成4年度から逐次実施されており,各学校では,生涯にわたる学習の基礎を支える自己教育力の育成に努めている。


(3) 生涯学習フェスティバルの開催

文部省では,地方公共団体との共催で,平成元年度から生涯学習フェスティバルを実施している。本フェスティバルは,広く国民一般に対し生涯学習に係る活動を実践する場を全国的な規模で提供すること等により,国民一人一人の生涯学習への意欲を高めるとともに,学習活動への参加を促進し,生涯学習の一層の振興を図ることを目的としており,昨年まで,千葉県,京都府,大分県,宮城県において開催されてきている。

第5回全国生源学習フェスティバル「まなびピア93in愛知」ポスター

第5回全国生涯学習フェスティバルは,平成5年11月19日から23日まで,愛知県内3会場(名古屋市,岡崎市,一宮市)において,大会テーマ「学びあい知りあい広がる夢時間」の下,生涯学習に関するシンポジウム・講演・フォーラム,生涯学習の普及・啓発・発表の場となるイベント等(芸術,文化,スポーツ,レクリエーション等に関するイベント等),生涯学習見本市(全国の市町村・企業・団体の出展による展示等)の多彩な催しを行う。


(4) 学習情報提供・学習相談の充実

潜在的学習需要が具体的な学習に結びつくことを妨げている要因の一つとして,学習機会に関する情報の不足がしばしば指摘されている。このため,教育委員会を始め公的な機関や民間教育事業者などが提供する様々な学習機会の中から,住民の一人一人が自分に最も適した学習の機会を選択できるよう,地域住民,団体,学校等に対し,各種の学習機会に関する情報を適切に提供したり,学習の内容・方法等についての相談に応じられるような環境を整備することが,最も重要な課題の一つとなっている。その際,コンピュータを始めとする情報機器を活用し,データベースの作成を進めるとともに,学習情報のネットワーク化を推進し,住民が容易に情報を入手できるような体制を整備することが重要である。

このため,文部省では,「生涯学習情報提供システム整備事業」や「生涯学習推進事業」に対し補助を行い,地方公共団体における学習情報の提供や学習相談の充実を図っている。

生涯学習情報提供システム整備事業においては,県と市町村が一体となって,コンピュータ等を利用して各種の学習機会等に関する情報のデータベース化・ネットワーク化を図り,公民館等において,学習情報を提供したり,相談に応じられる体制を整備するものである。この事業により,平成4年度までに,21道府県に生涯学習情報提供システムが整備されている( 2-2-2 )。

また,生涯学習推進事業においては,学習情報提供・学習相談のための基礎資料集を作成して社会教育施設等に配布するとともに,テレビ・ラジオのスポット放送による情報提供なども行っている。さらに,市町村においては,公民館,図書館等における学習情報提供・学習相談の窓口の設置や電話・巡回等により,住民に対し身近な学習機会等に関する情報を提供したり,学習相談に応じたりしている。

文部省では,地域における学習情報提供・相談体制の整備を更に支援していくほか,都道府県の生涯学習情報提供システムの相互利用の方策,全国的に利用される生涯学習情報のデータベースの構築,これらの生涯学習情報提供システムが全国的なネットワークとして機能するためのセンター的機能の在り方等について,調査研究を行っている。

2-2-2  生涯学習情報提供システム整備事業


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