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1部   文化の振興
第4章  文化は世界を結ぶ
第5節  諸外国の文化行政
5  中国の文化行政



(1) 概説

中国の文化行政機構は大きく文化部と国家文物局の二つに分かれている。文化部は党中央,国務院の芸術文化政策の方針に基づいて芸術文化施策の推進及び関係法規の制定並びに監督執行に当たり,国家文物局は文化財保護の最高行政機関として全国の文化財保護行政及び博物館の管理運営等を行っている。

近年,国家文物局は文化財の保護施策を更に充実させるため,外国との考古学術交流を促進するための「中華人民共和国考古渉外工作管理辨法」(1991年施行)や,文化財保護のための国際的協力をうたう「中国文物保護基金章程」など新たな法規を策定している。このような状況の中,文化財保護を通じて日中の文化交流が深まりつつある。


(2) 芸術文化の振興

芸術文化の振興のための政策を行っているのは,日本の内閣に相当する国務院の所属機関の一つである文化部である。文化部は,党中央宣伝部,国務院の指導を受けて,文化財保護に関するもの以外の文化行政を行っている。具体的には芸術文化事業の長期発展計画と年度執行計画の策定及び調整監督,芸術文化にかかわる人材の専門教育,芸術文化施設の管理,文化経済政策研究と国家予算の配分等を行うとともに,芸術文化に関するコンテスト・表彰,少年児童芸術文化施策の調査研究・交流の指導等も実施するなど,その対象は広範囲にわたっている。また,各種芸術文化団体等の指導や,文化に関する全国的団体の資格審査,図書館の整備・連絡調整,文芸関係出版物の審査・刊行・認可,映画・演劇などの公開上演なども行っている。


(3) 文化財の保護

中国における文化財保護の最高行政機関は国家文物局であり,文化財の指定保存,博物館の統括,文化財の流出の統制,研究事業等を行っており,附属機関として研究所等も設置されている。また,国の下部組織である省,自治区,直轄市,市,県,地方,自治州においてもそれぞれ文物保護行政機関を備えており,国家文物局がそれらを統括している。

中国の文化財保護については,全国重点文物保護単位,中国歴史文化名城,国家重点風景名勝区の三つの指定制度が設けられている。中国における「文物」は有形文化財に限定されるほか,歴史的あるいは芸術的な価値を有する文化財とは別に,中華人民共和国成立に係る史跡等革命的価値に着目したものも文化財として保護している。

全国重点文物保護単位では,遺跡,石窟寺院,古建築物などを領域全体として網羅するようにまとめて―件の単位として指定しているが,博物館や個人の所蔵品は指定対象とならない。第1回の全国重点文物保護単位は1961年に公布され,その後,文物保護法公布と同年の1982年,1988年と合計3回公布されている。また,中国歴史文化名城は歴史的,文化的に有名な都市についてその地域を指定保存する制度であり,国家重点風景名勝区は風光明媚な地域を指定保存する制度である。いずれも1982年に第1回の指定が行われた。

中国は,広大な領土と悠久の歴史の下で,豊富な埋蔵文化財があり,それを保護する観点から,発掘,調査に関しては,届出,申請,報告が義務付けられている。また,大量の文化財の海外流出という経緯があることから,「文物」の輸出に関して種類に応じた細かい鑑定基準が設定されており,貴重な「文物」の海外流出の防止を図っている。


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