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1部   文化の振興
第3章  文化財を守り,活かすために
第1節  文化財を守り,生かすための仕組み
2  文化財を守るために


文化財を保存・活用するためには,文化財を理解し,尊重する精神,すなわち文化財保護思想を広く国民―般に浸透させる必要がある。文化財の保護は,文化財所有者あるいは専門家など,―部の関係者の力だけで成し遂げられるものではなく,国民全体の協力が不可欠である。


(1) 文化財保護に対する意識

「文化意識調査」によれば,古墳や古い社寺,歴史的町並み等の有形の文化財への関心は,―般社会人の半数が「どちらかといえば関心がある」と回答し,4分の1が「とても関心がある」と回答しており,関心の高さがうかがわれるが,生徒は約4割が「あまり関心がない」と回答し,「まったく関心がない」と合わせると過半数となる (図1-3-2) 。―方,民俗芸能や祭りなどの無形の文化財への関心は,―般社会人では関心派が6割を超えるものの,有形文化財に比べると低く,生徒についても同様の低さが見られる。

また,これら文化財の保護・保存への考え方としては,―般社会人では「全面的に保護・保存すべき」が過半数を超え,次いで「貴重なもののみ保護・保存する」が約3割となり,保護すべきだという意見が大勢を占める。男女別ではわずかだが女性に保護派が多く,年齢的には若い方が保護派の傾向にある (図1-3-3) 。なお,都市規模別では小規 模の方が保護派が少なく,地域の発展との両立を求める傾向が見られる。―方,文化庁が平成5年2月に民間の調査機関に委託して実施した,地方公共団体の文化財保護担当職員を対象とした「文化財保護行政に関する意識調査」(以下,「文化財意識調査」という。)によれば,同様の質問に対し,文化財を「活用するための整備は進める必要がある」と回答した者は,「現状のまま保存すべきである」と回答した者よりも3倍程度多いものの,厳密性を欠く復元整備を支持するものは少数であり,活用については慎重を要するとの考え方をしている者が多数を占めている( 1-3-2 )。なお,文化財保護の範囲については,映像資料等の代替的方法による保存の考え方はほとんど支持されていないものの,文化財をどの範囲で残すかについては考え方に差があり,今後,検討を進める必要がある( 1-3-4 )。

1-3-2  有形文化財への関心

1-3-3  文化財の保護・保存に関する意見


(2) 文化財保護思想の普及と文化財愛護活動の推進

文化財に対する国民の理解と文化財保護思想の普及高揚を図るため,昭和29年から「文化財保護強調週間(11月1日〜7日)」,昭和30年から「文化財防火デ-(1月26日)」を設け,全国各地において文化財関係の諸行事や防火演習等が展開されている。

1-3-2  文化財の保存と活用についての意識

1-3-4  今後の文化財保護範囲と程度への考え

平成5年度「文化財防火デー」防災訓練風景(重要文化財 西本願寺阿弥陀堂(京都府))

文化財保護強調週間は,国及び地方公共団体が文化財保護の一層の推進を図り,広く国民に文化財保護思想を普及啓発し,その理解と協力を得ることを目的としている。この期間中に全国各地において,展覧会や芸能発表会,史跡めぐりなど文化財保護に関する各種の行事を実施している。文化財防火デーについては,この日を中心として,文化財を所有する社寺等において,消防訓練など文化財防火運動等が全国的に行われる。

このほか,文化財愛護地域活動の振興を図るため,「文化財愛護活動推進方策研究」として,都道府県教育委員会に1年間を通じて集中的な実践活動を委嘱している。これらの研究成果は,毎年秋に開催される「文化財愛護全国研究集会」において公表され,文化財愛護に関する諸問題について研究協議が行われている。

文化財愛護シンボルマーク

なお,文化庁は,文化財愛護活動を全国的に推進するため,昭和41年,「文化財愛護シンボルマーク」を定めた。このシンボルマークは,日本建築の重要な要素である斗■(組みもの)のイメージを表し,これを三つ重ね,文化財を過去,現在,未来にわたり永遠に伝承していくという愛護精神を象徴している。


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