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1部   文化の振興
第2章  芸術文化の向上と普及のために
  第7節 時代の変化に対応する著作権
3  国際的な動きと国際協力



(1) 著作権制度の国際的調和(ハーモナイゼーション)

著作権は,無体物に関する権利であり,保護の対象が国境を越えて容易に流通するため,従来から国際的な保護の枠組みを確立する努力が行われてきた。特に近年は,経済・社会・文化の国際化や情報化の著しい進展に伴って,著作権の保護について一層の国際的調和を図ることが求められており,下記のような各種の場において検討されている。


1) GATTウルグアイ・ラウンド

昭和61年9月から開始されたGATT(関税及び貿易に関する一般協定)ウルグアイ・ラウンドでは,知的所有権の保護の欠如や不備に起因して生ずる貿易上の問題を解決するための「知的所有権の貿易関連側面(TRIP)」交渉が行われている。この交渉では,レコード・レンタルやコンピュータ・プログラム等に関する著作権を含む知的所有権の保護について,既存の関係条約を補強・補完する目的で新しいルール作りが検討されている。平成3年12月には,GATTの事務局長により,TRIPを含む全交渉分野にわたる包括合意案が公表されたが,いまだ合意には至っていない。


2) 世界知的所有権機関(WIPO)

著作権の国際的な制度の基礎となっている文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約は,最新の改正から20年以上経過している。その間の時代の変化に即した著作権保護の内容の見直しを行い,著作権の国際的な制度の新たな規範となる本条約に関連した国際文書を作成するための検討が,平成3年11月からWIPOにおいて進められている。

また,実演家及びレコード製作者の権利保護に関しても,新たに国際文書を作成することとなり,平成5年6月からWIPOにおいて検討が開始されている。

以上のような国際的な動きに対して,我が国としても国際的に適切な著作権保護が図られるよう積極的に対応すべく努力している。


(2) 著作権に関する我が国の国際協力

我が国としても,著作権の国際的保護の確立という大きな課題を達成すべく,積極的に国際協力を行っている。

特にアジア地域については,必ずしも著作権制度が十分に整備されていないことが指摘されており,アジアの一員である我が国としては,率先してこうした状況の改善に努めることが求められている。そのため文化庁では,平成5年度から「アジア地域著作権制度普及促進事業」を行うこととした。同事業は,WIPOの著作権及び著作隣接権分野の開発協力プログラムに対し,毎年継続的に資金を拠出し,同プログラムの充実に協力するものである。具体的には,主としてアジア地域を対象とした著作権制度の整備,普及のために,セミナー等の開催,フェローシップの受入れ,専門家の派遣などを行う。

平成5年度においては,同事業の一つとして,11月に,WIPOの職員及び海外の著作権関係者を招いて「著作権及び著作隣接権に関するアジア地域セミナー」を東京で開催する予定である。


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