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1部   文化の振興
第2章  芸術文化の向上と普及のために
第5節  美しく豊かな国語のために
1  国語は変化していく



(1) 国語に関する施策とは

国語は,文化の基盤を成すものである。社会が発展し向上していくために,また,文化を創造し継承していくために,国語の果たす役割は極めて大きい。国民が社会生活の中で相互に十分に意志を通じ合うことができるように,そして,生活能率を高め文化水準を向上させることができるようにするためには,言葉や文字の使い方について合理的な標準を設けることが必要である。

社会状況の移り変わりとそれに伴う人々の言語意識の変化に応じて,言葉も変化するなど,時代の変遷とともに国語は変化するが,国語施策もこれに適切に対応していかなければならない。


(2) 戦後における国語施策

国語の問題を審議する機関として,文化庁に各界を代表する学識経験者や専門家で構成する国語審議会が設けられている。国語審議会における高い識見と専門性に基づく慎重かつ公正な審議に基づいて,国語施策は実施されている。

国語審議会は,戦後実施された「当用漢字表」,「現代かなづかい」,「送りがなのつけ方」等の国語施策を見直すため,昭和41年に「国語施策の改善の具体策について」の諮問を受け,これら一連の国語施策について再検討を加え,改善を図ってきた。すなわち,戦後間もなく実施されたこれらの施策については,その後の実施過程において,例えば,送り仮名については送り過ぎの傾向があったこと,当用漢字については制限的な性格をもっていたことや必要な字種・音訓が入っていなかったことなどに対する批判や問題点の指摘があったため,これを見直すこととし, 1-2-3 のとおり逐次改善を図ってきた。

現在の「送り仮名の付け方」(昭和48年),「常用漢字表」(昭和56年),「現代仮名遣い」(昭和61年)及び「外来語の表記」(平成3年)は,いずれもその適用範囲を「法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活」とし,「科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない」ことを明記するとともに,従来の制限的画一的な性格を改めて,「目安」,「よりどころ」という緩やかで弾力的な性格のものとしている。


(3) これからの国語施策はどうなるのか

平成3年9月以降,国語審議会は,現代の国語をめぐる様々な問題を見渡し,今後適切な対応が望まれる問題にはどのようなものがあるかについて審議し,平成5年6月に「現代の国語をめぐる諸問題について」を取りまとめ,文部大臣に報告した。

1-2-3  国語審議会主要答申と実施状況

この報告で提起された諸問題は, 1-2-4 のとおりであり,次期(第20期,平成5年11月発足予定)以降の国語審議会において,具体的な審議を行う予定である。

1-2-4  「現代の国語をめぐる諸問題について」(国語審議会報告)における問題提起事項



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