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1部   文化の振興
第2章  芸術文化の向上と普及のために
  第2節 地域からの芸術文化の高まり
4  文化施設の整備充実


公立文化施設は,地域文化振興の要として,地域住民に対し,音楽,演劇等の舞台芸術や美術作品等の鑑賞機会及び文化活動の成果の発表の場を提供するなど,地域の芸術文化の水準の向上を図る上で重要な役割を担っている。特に近年においては,日常生活のレベルで文化活動に身近に参加しようとの気運の高まりもあり,その設置に対する住民の需要は高い。


(1) 文化会館,劇場

コンサートホール,劇場等の機能を有する文化会館は,地域における文化創造の拠点施設として,国民の文化的生活の充実向上を図る上で重要な役割を担っている。

公立文化会館の整備状況を全国的に見ると,地域によって偏りが見られる。人口10万人当たりの館数で比較した場合,東京都や愛知県などが約0.4館であるのに対し,富山県では約1.7館となっており,比較的人口の集中している都府県の方が,むしろ整備状況が低い傾向にあると言える (図1-2-3)

文化庁としても,地域住民の文化会館への需要の高まりや地域的偏在をも考慮しながら,音楽ホールや劇場,展示場等を有する文化会館の整備について,設置者の市町村に対し,積極的に建設費への助成を行ってきたところである。この事業により,補助開始の昭和42年度以来,平成4年度までに322館の整備を行った。

また,平成4年度からは,よりレベルの高い舞台芸術に接したいという地域住民のニーズにこたえるため,コンサート専用ホールや演劇専用の劇場等,音響,舞台設備等において優れた機能を備えたジャンル別専用ホールの設置に対する補助を新たに開始した。

国民の文化活動への参加が活発になっている中で,文化創造の拠点としての文化会館の役割はますます重要になっている。今後とも地域の文化活動の実態とニーズを十分把握し従来の多目的利用の文化会館とともに,コンサート専用ホールや演劇専用劇場等,施設の構造・音響・舞台設備等において優れた機能を有するジャンル別専用ホールの整備を進めていく必要がある。

1-2-3

公立文化会館の対人口比(人口10万人当たり)館数また,これら文化会館等のうち自主事業を実施しているのは,全体の3分の2程度であり,今後は,自主事業の活性化と積極的取組が重要な課題となっている。


(2) 美術館

美術作品の収集,展示,保管等を行う美術館は,地域の美術の普及,振興に重要な役割を果たしている。

全国の公私立美術館(博物館法に基づく登録博物館又は博物館類似施設)の数は,社会教育調査によれば,平成2年10月現在,250館(公立91館,私立159館)であり,昭和56年の158館(公立54館,私立104館)と比べ,約10年間で1.6倍に増加しており,地域住民の美術に対する関心の高まりにこたえた展覧会の開催に加えて,美術に関する講演会や実技講座,ギャラリートークなどの教育普及事業等が,多くの美術館において活発に行われてきている。

鎌倉芸術館

しかしながら,「芸術文化動向調査」によれば,1館当たりの学芸員の資格所有者数は,平均2.9人にすぎず,学芸担当職員の研修を随時行っている館は55.9%あるものの,39.8%は館としては対応せず,個人に任せている (図1-2-4) 。また,美術館運営に関する課題について尋ねたところ,「予算不足で,研究・企画活動に不満足」,「展示物の絶対数が足りない」と回答している館が多かった (図1-2-5)

今後,地域住民の美術鑑賞機会の一層の充実を図るため,優秀な学芸員の養成・,確保や,所蔵品の体系的な収集及び展示方法の開発,教育普及事業の充実等に努めることが求められている。このため,国と地方の連携により,学芸員の資質向上を図るための研修を充実させるとともに,所蔵品や事業活動等に関する情報提供システムの整備を図り,美術館相互の情報ネットワークを形成することなどが重要な課題となっている。

1-2-4  学芸担当職員の研修の有無

1-2-5  美術館運営に関する課題

なお,近年,児童生徒数の減少に伴い,小・中学校の余裕教室が増加傾向にあり,今後は,これらを音楽ホールや美術館等に改造し,地域住民に開放することも検討する必要がある。


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