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1部   文化の振興
第2章  芸術文化の向上と普及のために
  第2節 地域からの芸術文化の高まり
2  文化活動の展開



(1) 国民文化祭

文化庁では,近年,急速に高まっている国民の文化活動への参加意欲にこたえるとともに,新しい芸術文化創造を目指した新しい形の国民の文化の祭典として,昭和61年度から国民文化祭を開催している。これは,全国各地で国民一般が行っている各種の文化活動を全国的な規模で競演,交流,発表する場を提供することにより,広く文化活動への参加の気運を高め,新しい芸術文化の創造を促し,併せて地域文化の発展に寄与することをねらいとしたものである。

国民文化祭の事業は,主催者(文化庁,開催都道府県及び文化団体等)の実施する主催事業と,地方公共団体や文化団体等が実施する協賛事業の二つで構成される。

主催事業は,1)アマチュア文化活動の新たな方向性を示すオープニングパレードやオープニングフェスティバルなどの「総合フェスティバル」,2)アマチュア文化活動や地域文化活動等を含めた日本文化の動向について,様々な側面からテーマを設定して開催する「シンポジウム」,3)民俗芸能,音楽,演劇,文芸,美術,生活文化などの分野ごとに各都道府県から推薦された団体等を中心として行う公演や展覧会等の「分野別フェスティバル」に大別され,これは毎年継続して実施される(継続事業)。また,この継続事業とは別に,主として開催県の創意とイニシアティブにより,開催地の地域的特色を十分に活かした事業が毎年実施される(独自事業)。

第8回国民文化祭ポスター(岩手県)

一方,協賛事業は,国民文化祭の趣旨に賛同し,その目的に沿った公演事業,コンクール,フェスティバル,展示,講習会などで,おおむね主催事業の期間を含む3か月から6か月の間に行われる。

国民文化祭は,東京都で行われた第1回を皮切りに,毎年各県持ち回りで開催しており,国民の文化の祭典として,また,全国に向けた地域文化の発信の場として,充実,定着しつつある。平成4年度には石川県で第7回を開催し,そのメインテーマである「伝統と創造」の下に,約2万人の出演者と約50万人の観客を集めた。第8回は,「縄文発信・未来発見」をメインテーマに,岩手県で平成5年10月に10日間にわたり,開催することとしている。なお,第9回以降の開催予定地等については, 1-2-2 のとおりである。

今後は,開催県以外の都道府県の参加体制を整備するとともに,国民文化祭に際し,各地方公共団体や文化関係団体が行う文化振興事業との連携を強化することが重要である。


(2) 全国高等学校総合文化祭

全国高等学校総合文化祭は,全国の高校生による芸術文化活動の発表会を総合的に開催し,創造活動の向上を図るとともに相互の交流を深めることをねらいとして,昭和52年度以降,各都道府県持ち回りで開催している高校生の文化の祭典である。

1-2-2

国民文化祭の開催予定地等この文化祭は,第1回の千葉県大会を皮切りに,回を重ねるごとに充実が図られ,開始当初と比較して種目数や参加校数などが大きく増加するなど,文化活動を行っている全国の高校生に確実に定着してきている。平成5年度には,「創造の海 いま埼玉に現わる」をテーマに,8月の5日間にわたり,文化庁,全国高等学校文化連盟及び埼玉県教育委員会等の共催により,埼玉県で第17回大会を開催した。

また,平成2年度からは,この全国高等学校総合文化祭で選ばれた優秀校による全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演が開催されている。

この事業は,全国高等学校文化連盟と東京都高等学校文化連盟が,文化庁等と連携を取りつつ国立劇場で開催するもので,その趣旨は高校生の行っている文化活動の一層の奨励を図り,その成果を広く一般に公開することにある。平成5年度も8月に国立劇場で第4回目が開催された。


(3) 地域における文化を活かしたまちづくりの推進

今日,各地域における文化を活かしたまちづくりを推進することが,地域の振興と活性化を図っていく上からも強く求められており,地域における主体的取組を促進する様々な条件整備を図る必要がある。このような観点から,文化庁では地域における文化拠点形成の方策として,地方公共団体や地域の文化団体,文化施設等と共同して,様々な地域文化振興のモデル事業を推進している。

第一に,地域からの全国への文化情報の発信の拠点として,広域活動圏の核となる文化拠点を創生ずるための高水準の音楽,演劇,舞踊等の芸術文化活動を行う地域の芸術文化団体等の定着と育成等を図る「新文化拠点推進事業」を平成4年度から実施している。この事業は,全国で3地域を選定し,当該地域にある室内楽専用ホールやオーケストラ専用ホールなどの高度な機能を備えた文化施設を核として,地域に根ざした芸術文化団体の育成のための人材の派遣や創作活動,定例的活動などを行うものである。平成4年度には,1)埼玉県松伏町で田園ホールエローラを活用して室内楽団アンサンブルオーケストラエローラを育成する「まつぶし・音楽のまちづくり推進事業」,2)岡山県岡山市で岡山シンフォニーホールを活用して岡山フィルハーモニック管弦楽団を育成する「おかやまシンフォニア21」,3)広島県広島市で広島市文化創造センターを活用してオペラ団体を育成する「ひろしまオペラルネッサンス」の3事業を開始し,これらの事業については,事業の定着化を図るため,平成5年度も継続して実施している。

第二に,平成5年度からは,平成4年に制定された「地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律」に基づく指定地域を対象とする「地方拠点都市文化推進事業」を新たに開始した。この事業は,当該指定地域において文化創造の場及び地域からの文化情報の発信基地を創生ずるもので,全国の指定地域の中から9地域を選定して実施する。事業内容は,1)文化施設を有効に活用するために舞台技術者の研修などを行う「人材の育成」,2)地域の文化団体の文化施設を利用した創造活動や,他地域の文化団体等との競演などを内容とする「地域間交流」,3)芸術文化等に関するシンポジウムやイベントなどを開催する「教養文化活動」の三つに分かれ,それぞれを有機的に連携して実施することにより,事業目的の達成を図ることとしている。

今後は,これらのモデル事業を通じて,その成果及びノウハウを全国各地に提供することにより,地域に根ざした新たな個性豊かな文化活動が振興されることが期待される。


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