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1編 スポーツと健康
第1部 体育・スポーツの振興
第2章 体育・スポーツの振興のための施策の展開
第6節 国際交流に貢献するスポーツ



1 スポーツの国際交流の意義と現状

 スポーツを通じての国際交流は,我が国スポーツの普及・発展に寄与することはもとより,諸外国との相互理解と友好親善の促進に大きな役割を果たすものであり,また,開発途上国のスポーツ振興にも貢献することとなるなど,極めて重要な意義を持つものである。

 我が国におけるスポーツの国際交流は年々盛んになり,今日では,一流選手から一般市民に至るまでの幅広い範囲で展開されている。また,その交流内容も,従来の国際競技大会を中心としたものから,市民参加による各種スポーツ交流やスポーツに関する相互研修や研究協力など,多種多様な形で行われている。

 総理府の「体力・スポーツに関する世論調査」(平成3年10月)において,「スポーツをもっと振興させるために,国や県又は市町村に今後力を入れてもらいたいこと」として「スポーツに関する国際交流の振興」を挙げた者の割合が前回調査(昭和63年10月)と比べて最も大きな伸び率を見せたり(14.2%→22.3%),国民も高い関心を示してきていることがうかがえる (表1-1-15)

1-1-15  スポーツ振興についての国や地方自治体への要望


2 スポーツの国際交流に関する各種事業

 文部省では,スポーツの国際交流がこのように大きな意義を有することを踏まえ,従来から,地方公共団体,(財)日本体育協会及び(財)日本オリンピック委員会等の実施する以下の事業等に対し必要な援助を行っている。

これらの国際交流事業に対する補助金の総額は,平成4年度で10億2,800万円となっている。


(1) 市町村が実施する「生涯スポーツ国際交流事業」

 この事業は,住民とアジア諸国及び開発途上国等の国民との間でスポーツを通じ相互理解と友好を深めるために市町村が実施する市民レベルのスポーツ交流事業(派遣・招待。「アジア地域スポーツ交流事業」を平成3年度から拡充。)である。

 平成3年度には,宮城県柴田町を始め20府県25市町が,韓国,中国,フィリピン,マレーシアの4か国の人々とバレーボール,卓球,サッカー等のスポーツを通じた国際交流を行った。

生涯スポーツ国際交流事業の具体例

栃木県烏山町におけるマレーシアとのサッカー等の交流試合(平成2年度)スポーツを通じ相互理解と友好を深めるため,町内の各学校(7校)から推薦された計30名の選手とマレーシアの選手が交流試合を行った。

 このほか,町主催の歓迎会や国際交流協会主催の交流会を行うとともに,子どもだけによる交流会等も企画した。

 この事業により,両国児童間の友情の絆が深まり,町民一人一人の国際意識が高まった。

 同町では,これを機に,今後もスポーツによる国際交流に取り組むこととし,翌年には,マレーシアへの訪問を行った。

栃木県烏山町生涯スポーツ国際交流事業


(2) (財)日本体育協会が実施する事業

 (財)日本体育協会は,我が国アマチュアスポーツの統轄組織として,国民スポーツの振興の観点から国際交流事業を実施している。

1) アジア地区ジュニア交流事業(昭和56年〜)近隣諸国を中心とする青少年のスポーツ交流を実施し,相互理解の促進と競技力向上に資する。
2) スポーツ指導者の海外派遣(昭和53年〜)(財)日本体育協会が認定したスポーツ指導者を海外に派遣し,諸外国のスポーツ事情,スポーツ指導方法等を調査研究させ,その資質の向上を図る。
3) 海外青少年スポーツ振興事業(平成3年〜)アセアン及び東アジア諸国から青少年スポーツ関係団体の育成等を行う指導員を受け入れ,我が国の青少年スポーツの実情とスポーツ少年団の組織・活動状況等に関するプログラムを提供し,青少年スポーツの振興に資する。
4) 海外スポーツ技術協力事業(昭和56年〜)アジア地域等のスポーツ関係者の参加による研修会を開催し,当該地域のスポーツの指導体制の確立・強化を図る。

(3) (財)日本オリンピック委員会が実施する事業

 (財)日本オリンピック委員会(JOC)は,我が国の国際競技力を向上させるため選手強化の観点から国際交流事業を実施している。

1) 国際交流事業(昭和32年〜)バルセロナオリンピック等各種国際競技大会に選手団を派遣するとともに,国際競技大会を通じ我が国競技力の向上を図る。
2) チーム派遣(昭和52年〜)・招待(昭和53年〜)海外における国際競技会に強化対象選手及び強化スタッフ等を派遣するとともに,世界のトップレベルにある外国選手・チームを招待し,競技交流を通じて選手強化を図る。
3) ジュニアチーム派遣(昭和53年〜)次代を担うジュニア層を育成・強化するため,海外における競技会などに派遣する。
4) 海外優秀コーチの設置(昭和52年〜)世界のトップレベルにある外国人コーチを長期にわたり招へいし,優れた指導法の導入を図るとともに,選手の指導に当たらせ,競技力の向上を図る。
5) スポーツ指導者在外研修事業(昭和54年〜)若手スポーツ指導者を長期(2年),短期(1年)にわたり海外に派遣し,その専門とする競技のレベルアップに関する方法を研修させ,我が国のスポーツ界を担う人材の育成を図る。
6) コーチの研修派遣(昭和53年〜)第一線で活躍中のスポーツコーチを海外に派遣し,研修させるとともに,情報の収集・分析に当たらせ,コーチの資質の向上を図る。
7) オリンピックソリダリティ事業(平成4年〜)アジア地区各国のオリンピック委員会の組織づくり,運営改善に資するため,JOC職員等を派遣し,技術指導を行う。
8) 交流国との協同調査研究国際競技力の向上を相互に補完するため,協定を結んでいる国との2国間においてスポーツ医・科学調査研究を実施する。

 なお,(財)日本体育協会,(財)日本オリンピック委員会及び各中央競技団体に対し文部省が調査した平成2年度のスポーツ国際交流実績によれば,51の団体が57か国に対し646件,7,204人の選手と2,340人の役員を派遣しており,また,37の団体が93か国から983件,5,069人の選手と2,198人の役員を受け入れている (図1-1-38)

1-1-38 (財)日本体育協会、(財)日本オリンピック委員会等による選手・役員の派遣,受入れ数


3 国際競技大会に対する国の支援
(1) 国際競技大会の意義

 近年,我が国では,中央競技団体や地方公共団体を中心に,国や企業等の協力の下に多くの国際競技大会が開催されている。平成3年8月に東京で開催され,日本国中を沸かせた第3回世界陸上選手権大会は記憶に新しいところである。

 これら国際競技大会の開催は,国際親善,スポーツ振興等に大きく寄与するのみならず,世界のトッププレイヤーの競技を目の当たりに観戦することにより,国民,特に次代を担う青少年に限りない夢と活力を与えるものである。

 総理府の「体力・スポーツに関する世論調査」(平成3年10月)によれば,「オリンピック競技大会などのスポーツの国際大会を我が国で開催することについて」,よいことだと答えた者の割合は86.1%(「非常によいことだ」40.5%+「まあよいことだ」45.6%)であり,国民も積極的に支持していることがうかがえる (図1-1-39)

1-1-39  国際競技大会を我が国で開催することについて


(2) 国際競技大会に対する支援

 今後,我が国では,平成6年に第12回アジア競技大会(広島市)が,平成7年に1995年ユニバーシアード夏季大会(福岡市)が,平成10年に第18回オリンピック冬季競技大会(長野市)が開催されることとなっている。

 政府では,これらの国際競技大会の開催が大きな意義を有することから,昭和61年3月に広島アジア競技大会について,平成元年6月に長野オリンピック冬季競技大会について,平成3年2月にユニバーシアード福岡大会について閣議了解を行い,必要な協力を行うこととしたところである。

 特に,長野オリンピック冬季競技大会の準備に対する支援としては,平成3年11月に設立された(財)長野オリンピック冬季競技大会組織委員会の組織委員(理事)に内閣官房長官及び文部大臣が就任し,運営に協力しているほか,同大会の準備に関し政府施策に関連する事項についての連絡調整を図るため,平成4年2月に総理府に内閣官房長官を会長とし関係各省庁の事務次官等で構成する「長野オリンピック冬季競技大会準備対策協議会」を設置し,協力体制を確立したところである。さらに,「長野オリンピック冬季競技大会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律」案を第123回国会に提出し,平成4年5月にその成立を見た。なお,平成4年度予算においては,競技施設の整備に要する経費について,所要の補助金額(11億2,000万円)を計上している。

 また,文部省においては,平成4年1月から体育局競技スポーツ課において,長野オリンピック冬季競技大会を始め,広島アジア競技大会,ユニバーシアード福岡大会に関する事務を円滑に推進する体制を整えたの委員(理事)に文部事務次官が就任するなど,その運営に協力している。

 なお,我が国では,このほかにも,平成5年2月のアルペンスキー世界選手権大会(岩手県雫石町)を始め,多数の国際競技大会の開催が予定されている (表1-1-16)

1-1-16  今後我が国で開催される主な国際競技大会


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