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2部   文教施策動向と展開
第5章  学術研究の振興
第6節  重要基礎研究の推進
8  南極地域観事業


南極大陸は,その巨大な氷床の中に何万年にも及ぶ地球環境の歴史を鮮明にとどめているほか,極地の空を彩るオーロラが地球磁気圏の構造解明のカギとなるなど極めて貴重な科学研究の対象である。

また,南極大陸は人類に残された最後の資源の宝庫であり,南極地域の平和利用という立場からも科学的データの蓄積が必要である。これらを背景として,我が国の南極観測事業は,緊密な国際協力の下に31年間にわたって実施されている。

これまでの南極観測において,オーロラ発生機構の解明や,南極海における海洋生物の生態系の解明などが行われたほか,大隕の限石を発見し宇宙科学,惑星科学等の研究の飛躍的な発展に寄与している。これらの研究は,南極観測の実施中核機関である国立極地研究所が中心となって行っている。

我が国の南極観測事業は,「昭和基地」,「みずほ基地」及び「あすか観測拠点」において実施しており,昭和62年度は,第29次南極地域観測隊52名(うち越冬隊37名)を派遣した。

みずほ基地に立つ初の女性南極観測隊員森永由紀さん(右

昭和63年度は,第30次観測隊(54名)を派遣した。第30次観測隊は,南極観測船「しらせ」で昭和63年11月14日出発,12月下旬昭和基地周辺に到着,越冬隊37人(うち8人は「あすか観測拠点」で越冬)が第29次観測隊と交代して越冬観測を実施する。

なお,南極観測事業を統合推進するため,文部省に「南極地域観測統合推進本部」を置き,観測実施計画,隊員の人選など,観測を実施するための主要事項を審議・決定している。


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